【田畑一佳さんインタビュー】 診断士に必要な能力は、,“知識×経験×人間力”。若手経営者の水先案内人

【田畑一佳さんインタビュー】 診断士に必要な能力は、,“知識×経験×人間力”。若手経営者の水先案内人

【第1回 コンサルタントにとって,もっとも大切なこと】

【田畑一佳さんインタビュー】

田畑さんは,滋賀県を中心に小規模事業者の支援を行っておられます。その活動理念は,“中小企業のために動いて改善する”と“中小企業の役に立つ優秀な診断士の輩出”とのこと。

コンサルタントの仕事は,事業の未来を作ること

――現在注力されておられるテーマについて教えてください。

いま,中小企業診断士としての仕事は,大きく分けて二つあります。一つは全社課題解決のための支援を行い,事業者さんの未来をつくる仕事です。いわゆる事業再生案件や経営改善計画の立案などです。もう一つは,目の前の課題を解決していくという仕事です。ISOの認証取得や5SやQCの導入などの現場改善の支援です。

会社全体の方向性策定などのテーマの場合は,顧問契約として取り組み,現場改善やISO取得などの場合は,スポットとして支援していることが多いです。現在は,滋賀県内を中心に規模や違う課題を抱える5社の顧問先を持ち,様々な課題解決に取り組んでいます。

また,受験生支援活動としてAAS(中小企業診断士試験受験校)の京都校と金沢校で指導を行っています。

――事業者支援で気をつけておられることは何でしょうか

まずは,相手を尊敬して認めることです。社長さんとしていろんな事業をされておられ,苦しみながらもその事業を継続してこられているわけですから。それはすごいことなのです。それを否定するようなことは絶対にしてはいけません。

目の前の事業者さんに成功してもらいたい。素晴らしい会社になってもらいたいという想いがあれば,自然と一緒になって考えるし,信頼関係も作られていくと考えています。

――コンサルティングテクニックや知識よりも信頼関係が重要ということでしょうか

たまに「顧客がちっとも自分の話を聞いてくれない」とこぼす診断士がいますが,それはコンサルタントとして相手に合わせたコミュニケーションができていないところに問題があるのではないかと考えています。

相手の話を真摯に受け止め,受け入れることで,こちらの提案にも耳を傾けてもらえるものだと思います。「あなたが言うならちょっとやってみようかな」と思ってもらえないと改善は進みませんし,その後の長いお付き合いに発展することもありません。

――地元滋賀を中心に活動されているのはなぜですか?

今は,20年以上住んでいる滋賀県を中心に活動していますが,独立した当初は大阪や兵庫にもご縁があれば伺っていました。最近は遠方の案件は,その地元の診断士にお任せするようにして,逆に滋賀の仕事を積極的に受けるようにしています。事業者さんも地元のコンサルタントに相談したいのではないかなと思いますし,地元同士の方が信頼関係も作りやすいからです。

山本 哲也

山本 哲也

取材の匠メンバー,中小企業診断士

日本で最も早くフランチャイズチェーンシステムを取り入れ普及させたフランチャイザーに1989年から勤務。長年,清掃衛生管理グループに所属し,清掃スタッフを皮切りに,全国のフランチャイズ店の育成・指導,事業計画の策定,新規事業開発,法人営業などを経験してきた。“リーダーの能力を超える事業成長はない”と考え,人の成長ありきの支援を実施。趣味は,アウトドア全般と飲み歩き。とにかくじっとしていられないひと。

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