【古澤登志美さんインタビュー】 最大限に応えることが信頼を作る

【古澤登志美さんインタビュー】 最大限に応えることが信頼を作る

【第2回 講師は「話す」だけではない】
過去の記事:第1回

【古澤登志美さんインタビュー】

2001年にITサポ―ト業を起業し,2016年に中小企業診断士を受験された古澤さん。講師の仕事をされることも多いそうですが,重きを置いているのは「話す」ことではないそうです。

講師は場をコントロールする仕事

――中小企業診断士になってから力を入れている仕事はありますか。

どんな仕事もお受けしていますが,ITの講師を元々やっていたので,中小企業診断士になってからも様々な分野でのセミナー講師をご依頼いただいています。

――講師をされる時に気を付けていることはありますか。

講師は話すことが仕事だと思わるかもしれませんが,大事なのはその場の雰囲気をしっかりコントロールして,自分が伝えるべきことを,相手に伝わるように,しっかり伝えていくことだと思っています。

当初は,「私の教えられることを全部教えなきゃ」と思い過ぎ,失敗したこともありました。受講生が講師の内容を納得できなくなった瞬間に,セミナーの意味がなくなってしまいます。受講に来るということは,問題意識や知りたいことが必ずあるはずなので,それを最初にきちんとキャッチ出来れば,こちらの伝えたい内容が伝わりやすくなり,受講生も聞こうと思ってくれるという良い循環が生れます。逆にそれが出来なければ,良いセミナーにはなりません。

「来て良かった」と思ってもらうために

――興味を持ってもらうためには何を意識すればよいのでしょうか。

最終的に受講生の全員に「今日来て良かった」と思ってもらえることを意識しています。講師にとって大事なことは「何を教えるかより,何を教えないか」,「どう教えるかより,どう気づいてもらうか」,「いかに勉強してもらうかより,いかに勉強したいと思ってもらうか」の3つを意識することです。

――受講する側でも考えられますね。

昔,「普通の人は1つのことから1つを学ぶけど,古澤さんは1つのことから,3つも4つも学んでいる」と言ってくださった方がいて,「そうか,私は1つのことからいっぱい学ぼう」と自覚するようになりました。受講生として参加するセミナーでも,内容はもちろん,講師の話し方や他の受講生の様子も学ぼうと意識しています。自分が講師になった際にも活かせますし,その講師の方に自分の興味を伝えることが出来れば,その方も多くを伝えようとしてくれますよ。

加茂 多恵 取材の匠メンバー,中小企業診断士

立ち飲み居酒屋から二つ星レストランまで,様々な飲食店を経験すること10年以上。HACCPやJGAPなど食の安全や,企画から現場運営まで店舗経営の総合的な見識を持つ。

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