【古澤登志美さんインタビュー】 最大限に応えることが信頼を作る

【古澤登志美さんインタビュー】 最大限に応えることが信頼を作る

【第3回 支援は中身が伴ってこそ】
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【古澤登志美さんインタビュー】

2001年にITサポ―ト業を起業し,2016年に中小企業診断士を受験された古澤さん。支援先とのお話から,診断士として目指す姿を伺いました。

助言者を越えた関係

――診断士をされていて良かったと思ったことはありますか。

最近だとミセス向けアパレル製品を作っている会社様に「待ってました!今日は話より先に採寸させて!」と言っていただけたことが,単に助言するだけではない関係性が実感でき嬉しかったです。

――お客様との関係性がとても近いですね。

どんな方でも,初対面の時は相手に対して構えや警戒心を持つはずです。ただでさえ会社の内情を話すのは勇気がいる中で,それをどれだけ解いてもらえるかが,すごく大事なことだと思うんです。なので,どんな小さなことでも頼っていただける関係性でありたいといつも考えています。

そのために,一緒に考えていきたいという姿勢を,支援先の皆さんに示すようにしています。現場では,社長が勝手に頼んだ現場も知らないコンサルタントが来た,と受け身な空気を感じることもありますが,時間がかかったとしても,その場の人たちが最大限に納得して,能動的になれる打ち手を探すようにしています。

答えを持った聞き手であるために

――診断士として目指している姿はありますか。

結局は,社長の話し相手になることだと思います。ITのサポートのみで伺っていた頃は「今日はパソコンの話をせず,お悩みを聞いて終わった」ということが少し申し訳なく感じることもありました。ですが,今は中小企業診断士として伺うことでどんなお話でも受け止めることが出来ます。

支援先の社長と一緒に泣いたり笑ったりする時,私が会社の中の人でも,家族でもないからこそ,話せたことがあると思うんです。逆に,その立ち位置にいる私だからこそ伝えられることがあると思うので,「私と話すことでプラスになった」と言っていただける存在でありたいと思っています。

聞き手は単に聞くだけでいいのかというと,実はそんなこともないんですよね。「この人に話をしたら,答えがもらえるかもしれない」と相手が思うからこそ,話してくれるんだと感じます。スキル,知識,経験,事例など,自分の中に多くのストックを持っているということが,相手の信頼感につながるので,それに応えられるよう私も成長し続けなければと思います。

加茂 多恵 取材の匠メンバー,中小企業診断士

立ち飲み居酒屋から二つ星レストランまで,様々な飲食店を経験すること10年以上。HACCPやJGAPなど食の安全や,企画から現場運営まで店舗経営の総合的な見識を持つ。

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