【岩倉光隆さんインタビュー】 自分軸を明確にして市場を捉えれば道は拓ける

【岩倉光隆さんインタビュー】 自分軸を明確にして市場を捉えれば道は拓ける

【第1回 独立後7年かけてビジネスモデルを完成形に】

【岩倉光隆さんインタビュー】

独立診断士として,事業再生から事業承継まで総合的な支援に多忙な毎日を送られている岩倉光隆さん。その根底には明確な軸とたゆまぬ努力があります。岩倉さんに現在のお仕事について伺いました。

『事業継続支援』を軸としたビジネスモデル

――現在のお仕事を教えてください

2007年に中小企業診断士試験に合格し,会社員を5年続けた後,2013年に独立しました。

事業再生からスタートして,今は『事業継続支援』という軸で,事業再生から事業承継まで一貫した支援を行っています。3年前に立てたビジョンが,今ほぼ完成してきています。

事業再生と言っても色々ありますが,私の場合は金融機関と連携して行う分野です。そして,事業再生をしても跡継ぎがいなければ事業は続かないので,事業承継や,場合によりM&Aにつながる支援を行うこともあります。そのためにM&Aに係るスキルも身に着け,今最初の1件を手掛けています。これにより,ほぼ一貫した支援ができるようになってきました。独立後7年かけて,やっとここまで来たという感じです。

現在は,顧問契約,金融機関等の専門家派遣,商工会議所のコーディネーター,人事系の業務,M&Aが仕事の柱になってきています。これは,独立当初に診断士の先輩から「柱を3つ作れ」と言われ,愚直にそれをやり続けた結果です。今は,柱が4つか5つになりました。『事業継続支援』という軸の中で入り口を複数作り,経営的な目線でリスク分散を図り,自分の事業を動かせるようにしています。

――なぜ事業再生をやろうと考えたのですか

会社員時代に新規事業立ち上げに何度か携わり,その時に本当に精神的に辛い思いをしたので,何か辛い人の役に立てることをしたいと思いました。地道に愚直に何かをやるものの苦しんでいる人のお役に立ちたいという動機で,事業再生という分野を選びました。

また,再生先を含む顧問先に対しては,今この会社が何に困っていて,それに対して自分が何を手伝えるのかということを,いつも考えています。そして具体的に何をしたらよいかまで明確にし,経営者とコミュニケーションをとりながら,課題解決につながるご提案をします。それにより,経営者の不安を少しでも取り除こうと考えています。

仕事に対する投資は惜しまない

――色々なお仕事はどのように獲得されているのですか

知り合いからお声をかけていただくことに加えて,スキルアップの投資が縁になることも多いです。それは独立した当初から継続しています。専門的なスキルアップ講座を受けると,その都度人脈ができます。同じ分野を学ぶ人が集まり,仕事につながりやすいのです。最近はコーチング系の勉強もしています。毎年あらかじめこの分野の講座を受講したいという具体的な方向性を定め,予算と時間を明確に決めてやっています。

独立1年目など,収入もほぼなく退職金で生計を立てる中,資金残高も20万円となり,大変厳しい時期がありました。しかし,その時のスキルアップ投資が人脈につながり,ありがたいことに,今は仕事が増えて,とても忙しくやらせていただいています。

斎藤 優子

斎藤 優子取材の匠メンバー、中小企業診断士

IT企業にて公共系のパッケージシステムの開発保守でプログラム開発を経験した後、プロジェクト管理や組織運営管理に従事。一企業内にいるよりも広く社会に貢献できる仕事に興味を持ち、中小企業診断士を目指す。2018年中小企業診断士登録。企業に所属しながら、神奈川県中小企業診断協会での活動を中心に行ってきたが、よりきめ細かな支援を行いたいとの思いから、2020年4月に独立。

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