【有川紘文さんインタビュー】 小規模事業者の想いに寄り添うために

【有川紘文さんインタビュー】 小規模事業者の想いに寄り添うために

【第2回 奮い立った社長の言葉】
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【有川紘文さんインタビュー】

前回に続き、商工会指導員として活躍されている有川紘文さんにお話を伺います。

第2回では、養成課程でのエピソードについて話していただきました。

実践的な「演習」と「実習」からの学び

――養成課程には主に「演習」と「実習」があると聞きました。

「演習」は座学に留まらず、班に分かれてのグループディスカッションと課題の成果発表、質疑応答で構成されています。

当初、付箋を大量に使って議論していくスタイルは「古い」と感じたのですが、日々取り組んでいくうちに、多様で発散的な意見を取り込むためには、こうしたアナログな方法がベストだと確信しました。

実例を元にしたケーススタディであるため、リアリティもあり、皆真剣に取り組んでいました。

「実習」は、企業に実際に出向いて課題をヒアリングし、実態調査によって集めた情報を分析したうえで、「実習報告書」にまとめた提言を社長へ報告します。

合計750時間のカリキュラムをこなすのですが、カリキュラム外の時間も含め、濃密な半年間でした。

――実践的な内容を期待されて通学されたとのことでしたが、その点はいかがでしたか。

実際に企業を経営診断する上で役に立つ「勘所」を教えていただきました。

商工会で小規模事業者の経営相談に乗る中で、経営指標を並べ立てるだけでは、事業者にとって直接的な気づきにはなりにくく、役に立つことは少ないと常々考えていました。

その点、養成課程の「実習」においては、経営指標の裏側にある「本当の数字の見方」も学ぶことが出来ましたし、腹落ちしたことをよく覚えています。

商工会での実務では、めったにお目にかかれないレアな事例についても調査する機会に恵まれ、知見を広げたいという自分の希望も叶えることができました。

奮い立った社長の言葉

――実習はどのような形で進んでいくのですか。

実習先企業の業種は製造業および流通業です。

彼らには経営診断を受ける多種多様なニーズがあり、アイデアを求めていることもあれば、なにがしかの観点からの改善を求めていることもあります。

実習には、メイン・サブで二人の指導員が同行してくれます。

二人の指導員は事前に「報告」までの絵を描いているのでしょうけど、様々な指導スタイルがあるようで、思い描いていた在り方に寄せるよう大きく修正されることもあれば、ブラッシュアップのためのアドバイスとなることもありました。

製造業・流通業・経営総合ソリューション実習の中で、多くの指導員についてもらえるので、多面的な視点を学ぶことが出来ます。

実習期間中は、他班の状況を気にしていられないほど忙しくなります。

――「経営総合ソリューション実習」の中身を教えてください。

経営総合ソリューション実習は、実習先企業の「ここを改善してほしい」というピンポイントでの助言ニーズに応じるというのが本来の趣旨です。

私の班の場合は、実習先企業(流通業)から総合的な助言を求められたことから、多角的な観点からの分析・助言をすることになりました。

実習先企業のリアルなニーズに応えられるのが、とても実践的だと感じますね。

――「実習」に重きを置いているのですね。報告会でのエピソードを教えてもらえますか。

製造業の実習先に原価計算を提示したところ、社長から思わぬ反響があり、今後の経営戦略に向けて大きな示唆を得たと言われました。

最も印象に残っているのは、最終報告会の後に、「ここまでしてくれるとは思わなかった。役に立った」という言葉を社長からいただいたことです。

提言した改善策をすぐに実行してくれたときには、やりがいを感じましたし、その効果を目の当たりにすることが出来ましたね。

池田 雄紀

池田 雄紀 取材の匠メンバー、中小企業診断士(登録予定)

金融機関にて資金調達・運用、信託や融資に関する法人営業に従事した後、現在は新卒採用や人材育成を担当。経営知識の獲得を通じて取引先との関与度を高め、自社の変革に寄与したいとの考えから、2019年中小企業診断士試験合格。企業内診断士としての活動を目指して、試行錯誤中。趣味はTwitter、メダカ飼育、食べ歩き。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。

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