【濱田一規さんインタビュー】 コツコツとただコツコツと、でも気楽に

【濱田一規さんインタビュー】 コツコツとただコツコツと、でも気楽に

【第1回 外の世界への扉を探して】

【濱田一規さんインタビュー】

技術職でありながら簿記2級の資格も自ら進んで取得している濱田さん。知的好奇心にあふれた勉強好きな濱田さんだが、難関国家資格ともいわれる中小企業診断士試験に挑んだ理由とは如何なるものだったのだろうか。

井の中の蛙になることへ恐怖

――濱田さんは、現職で何をやっているのですか。

私は、電機メーカー勤務でして元々ソフトウエアエンジニアです。もちろん今でもエンジニアなんですけれども、今はエンジニアチームのマネージャーという仕事をしています。

――では、診断士を目指したのはマネージャーであることが原因なのですか。

確かに、チームを運営していくということを考えても、試験で学んだことで適用できることはたくさんあると思いますが、直接的な理由は別のところにありました。私の場合は、現状に問題というか課題を感じたからでした。

――課題というと、社内でのということですか。

はい。転職をせずに1つの企業に20年近く勤めていて、今の会社固有の人のつながりとか仕事の仕方にだいぶ染まってしまっていることに気づきました。これは外の人達とのつながりを持たなくちゃいけないな、と40歳過ぎてやっと思い始めました。

その頃、中小企業診断士という資格があり、企業内にいながらも色々な企業支援の活動ができるということを知りまして。これなら仕事をしながら自分の課題解決もできるな、と思ったのがきっかけでした。

元旦に始まった挑戦

――合格までの流れはどのようなものでしたか。

2018年は人とつながりたいと思ったけどあまり上手くいかなかったな、と思った時に、診断士の資格を取ったら何かが変わるかもしれない、と2019年の正月に思い立ちました。そこで勉強を始めて、その年の12月に口述試験に受かりました。

――じゃあ、ストレート合格だったのですね。

そうですね。独学でストレート合格でした。

――1次試験の勉強方法はどういうものだったのですか。

テキストと過去問をそれぞれ7冊ずつ買って、後はただひたすら勉強です。1月から8月の1次試験までの間で、不得意科目と得意科目をバランス良く回すためのスケジュールを作って勉強しました。テキストの読み込み、自分ノート作り、過去問で3周ぐらいですが、割と最初に引いた計画通りに勉強は進められました。

あと、独学ではあったのですが、1度だけ予備校の模試は受けました。苦手科目を知ることができたのでスケジュール調整に役立ちましたね。

――自分ノートというのはどんなものなのですか。

テキストの知らない言葉を自分なりの言葉にまとめて覚えていく、という感じのノートです。情報システムなどの仕事と関連の深い科目は、あまり重要視せずにテキストを斜め読みした程度でしたが、それ以外の科目は、知らないところは1回書いて覚えるという形で1周回した感じです。

地道にコツコツ積み重ねる

――しっかりと勉強ができている時の1日のスケジュールというのはどういうものでしたか。

平日は大体夜10時11時ぐらいから、何とか1時間は勉強しようと思ってました。土日はそれぞれ4時間。平日は会社帰りに喫茶店で、土日は自宅の隣の図書館で勉強しました。やはり家族との時間も大切にしなくてはいけないので終日は流石に無理でしたね。

――自分で作ったスケジュールを守るのも結構難しいことだと思いますが。

確かに、仕事が重なって勉強できない週もあったので、多少、計画が前後したことはありました。ただ、いきなり1年後のゴールだけを作っても、そこに至る途中の道を作らないとなかなかうまくいかないと思います。長い勉強日程を1ヵ月毎とか2週間毎に区切って、ここまでにこれだけやろうというのを作ったら、後はもうコツコツと日々の積み重ねだと思います。なるべく、1時間でもいいから平日にも時間を取って勉強することを自分に課す、というと大げさですけれども、そういうことがたまたまできたなと思います。

原田 健彦

原田 健彦 取材の匠メンバー、中小企業診断士

東京都出身、在住。大学卒業後、大手建機メーカーのIT子会社でプロジェクトの現場リーダー業、その後外資系医療機器メーカーにて新規製品販促プロジェクトのマネージングに従事。その後、小規模編プロの運営業務を行う。2018年、「自分軸」の獲得の必要性を切実に感じ、手始めに中小企業診断士を取得。現在、商店街支援や執筆活動を通して次なる人生に向けて鋭意活動中。

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