【第3回 受験で得たものとこれからの目標】
過去の記事:第1回、第2回

2次試験直前に5日間寝込んだ山部浩平さん。無事合格された先には、しっかりとしたビジョンをお持ちでした。
試験直前の発熱
――受験時代に最も苦労したことをお聞かせください。
2次試験の1週間前に高熱が出て、5日間寝込んだことです。インフルエンザではなかったのですが、試験直前に全く勉強ができませんでした。まさかこのタイミングで発熱かと気持ちが落ちかけていたのですが、試験当日でなくてよかったと思うことにしました。3カ月しっかり勉強してきたのだから絶対受かるぞ、という強い気持ちに切り替えることができました。
また、これで合格したら自慢できると思いました。後続の受験生にも、直前に5日間寝込んでも合格できるのだから、あきらめるなと言えます。逆境なのに謎の強気が出ていましたね。
自力にこだわりすぎない
――もし、受験時代の自分にアドバイスできるとしたら何を伝えますか。
わからないことを無理やり自力でわかろうとするなと言いたいです。試験問題はくせ者なので、自力で学ぶには時間がかかってしまいます。早く、効率よく合格したいのであれば、受験校や通信講義、入門書を読むなど、勉強方法を柔軟に変えていくべきだったと思っています。
――合格したときのお気持ちをお聞かせください。
会社で合格発表のページを見た瞬間は、嬉しいというより憑き物が落ちたという感じでした。2次試験直後は全然手ごたえはありませんでしたが、完全にあきらめるほどではなかったので、発表までの1カ月半に悶々とした気持ちがどんどん大きくなり、発表の直前は気分が落ちていたのです。憑き物が落ちて、ああよかったなぁというのが正直な気持ちでした。
受験で得たものは知識だけではない
――受験時代に得たものはなんでしょうか。
大抵のことは勉強すれば学べるということです。経済学もそうですが、全然とっつきがなかった学問でも勉強すれば知識として得られることに気づきました。それは中小企業診断士になってからも活きています。これまで関わりのなかった業界の方とお話しする機会がありますが、業界について調べたり、他の人の話を聞いたりすれば、知らない世界のことがわかるようになります。わからないことをわからないといって切り捨てるのではなく、きちんと学ぶことで自分の知識にできるというのが大きな学びでした。
年収を10倍にする
――今後の中小企業診断士としての活動予定をお聞かせください。
中小企業診断士の仕事のウエイトをどんどん増やそうと思っています。今は兼業ですが、1年半後をめどに独立を目指しています。それまでは商工会や支援機関で実務経験を積むことで独立の準備をしていこうと思っています。
――どのような中小企業診断士を目指されていますか。
目標が3つあります。一つ目は、まず自分の年収を10倍にすることです。二つ目は、それを呼び水にして中小企業診断士の魅力を伝えていくことです。これだけ稼げます、こんなに仕事も面白いですよ、ということを発信していきたいです。その結果として中小企業診断士になる人が増えてくれば、より多くの中小企業を手厚く支援できると思っています。この流れを作ることによって、中小企業がより一層活躍する社会を創ること、これが三つ目です。
新しい世界へ
――最後にすべての受験生や受験を検討されている方に向けてメッセージをお願いします。
自分が今いる世界だけで生きていると絶望することもあるかもしれませんが、中小企業診断士になると本当の意味で世界が広くなります。今は大変な環境にいる方もぜひ中小企業診断士になって新しい世界を一緒に見ましょう。

山本 淳 取材の匠メンバー、中小企業診断士
兵庫県出身、在住。大学卒業後、機械商社を経てテントメーカーにて経営企画、人事、総務などの管理部門に従事。2018年中小企業診断士試験に合格、2019年7月に登録。大阪府中小企業診断協会所属。