【第2回 養成課程の合宿で実習先企業に密着】
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自動車ディーラーでの営業職、コンサルタントのアシスタント経験を経て、中小企業診断士として独立されている小柳絢香さん。第2回は、養成課程を選んだ理由や養成課程の内容について、お話を伺いました。
養成課程を選んだ理由
――養成課程へ進むことを検討された時期と理由について教えてください。
2次筆記試験後すぐに検討しました。
実際に活躍しているコンサルタントから講義を受け、実習で生の現場に触れることは、自分のためになると思ったからです。
――日本生産性本部を選んだ理由について詳しく教えてください。
日本生産性本部は、合宿形式の実習が5回もあります。この実習が力になると感じました。
約2か月半の間に実施される5回の実習は、予想以上に大変でした。しかし、現場に触れられることは、机上で学ぶよりもはるかに価値があるように思います。
実習について
――実習では、どのような業種、どのような現場へ行かれたか、差し支えのない範囲で教えていただけますか?
業種は、製造業や製造小売業、ホテルなどです。また、製造業では、工場も見させていただきました。
――工場を実際に見ることができるのですね。
はい。10日間の実習の4日程度は現場を観察しました。そこから、運搬管理で学んだ工程管理やムダとり、レイアウトなどの改善案を提案しました。
ストップウォッチを片手に工程分析を行ったことが印象的です。
――実習期間中は、実習先の企業にいることが多いのでしょうか?
はい。日中は実習先の企業へ行き、合宿先へ戻ると、夜10時頃までミーティングを行います。これを7日間程繰り返します。そして、10日目の最終日にはプレゼンテーションができる段階までまとめ上げます。
――実習先5社の中で、特に印象に残っている企業はありますか?
5社目の製造業ですね。5社目は、他の4社と大きく異なりました。
他の企業は改善点を見つけやすかったのですが、5社目は基本的なことは既にできていました。
チームメンバーと話し合った結果、その企業が描いていた「ありたい姿」を実現するための戦略を提案しました。目に見えている問題点への提案ではなく、理想に対する提案をした唯一の企業です。戦略から手法まで総合的なご提案をした企業だったので印象に残っています。
目に見えている問題点がないだけに、ご提案内容を考え、先方に期待効果をご理解いただくことが難しい実習でした。それゆえに、ご納得いただいた際の達成感が大きかったことも印象に残っている理由の1つです。

みずの 取材の匠メンバー、中小企業診断士
北海道出身。IT系企業にてシステム開発に従事した後、派遣社員として不動産会社や税理士事務所などで勤務。2019年中小企業診断士試験に合格。現在は執筆を中心に活動中。