【第3回 企業内の中小企業診断士としてできることとは】
過去の記事:第1回、第2回

前回は、齋藤さんが「型」を作ってピンチを乗り切った経緯についてお聞きしました。
最終回となる第3回では、中小企業診断士としての今後の抱負についておうかがいします。
「越境学習」
――中小企業診断士として、ご自身の強みと弱みは何だと思いますか?
弱みは完全に時間がないっていうところだと思っています。深夜とか早朝にしか時間が取れないので、中小企業診断士として活動できるのかな、と本当に思っています。
強みは、そうですね、何でも好奇心が旺盛というところですかね。かつ、色々なことをやってみたいと思うようなタイプなので、そういう機会があれば積極的に手を挙げられると思っています。
――時間がないなか、中小企業診断士の資格をどのように活かしたいですか?
ネットワークを活かして社外の方とコミュニケーションを取っていく越境学習で、どんどん視野を広げていく手段に使っていこうと思っています。
――越境学習と言いますと?
全然自分と関係ない分野のことを学んでいくっていうイメージです。今は財務の決算やIRにも興味があるので、勉強会で知識と人の輪を広げていきたいなと思っています。他にはAIとか人工知能とかトレンドをやっているような方と中小企業診断士経由でつながることができればいいなと思っています。
企業内診断士としての挑戦
――今後どんなことに挑戦していきたいですか?
これまで資格の勉強とかインプットばかりなので、自分の知見や経験をアウトプットして、何か役に立つことをやっていきたいなと思っています。副業ができないので、ボランティアでもいいので、そういった活動ができればなと思っています。
――具体的に考えている活動はありますか?
一つはプロボノ活動という形で、いろんな士業の方が、資格を生かしてボランティアで活動している団体がいくつかあるので、そういったところに入って自分のスキルを磨いていきたいと思っています。
もう一つは「取材の学校」などで文章を書く経験を積みたいです。隙間時間でできるので、書く能力を上げていくところを重視しようかなと思っています。
――最後に、これから中小企業診断士の受験を始める方へのメッセージをお願いできますか?
はい。私がそうだったのですけれども、中小企業診断士の資格に出会えた方はもう本当にそれだけで周りと差別化できていますし、優位に立っていると思います。ですから、もし中小企業診断士試験の勉強に興味が湧いたらその日が吉日で、とりあえずテキストを見て、自分がやりたいものかどうか、求めているかどうかを確認してみることをおすすめします。
私は自分が求めているものだと本当に感動したのですけれど、ぜひ皆さんもそういった感動を味わっていただきたいです。その上で勉強して合格したいとなったときには、合格するための勉強は大変なので、まずは興味の赴くままに勉強を始めるとよいでしょう。そして、合格するためにどうやればいいかなと考える過程を楽しみながら、ぜひ中小企業診断士になっていただければと思います。
★筆者の視点
「企業内で何ができるのか?」受験生も合格者も気になるところだと思います。
家族最優先で極めて多忙な齋藤さんの取り組みは、一つの解となることでしょう。
以上、お読みいただきありがとうございました。

下髙呂 祐 取材の匠メンバー、中小企業診断士
早稲田大学卒業後、材料メーカーに勤務。中華圏を中心とした拡販や収益性改善に寄与。現在は海外営業企画部門で戦略立案に携わる。東京都中小企業診断士協会 城北支部 国際部所属。