【第1回 情報通信部門で中小企業診断士を知る】

もともと技術系の仕事を担当していた今井さんは、経営にかかわる話題にはほとんど興味がなかったそうです。ところがその後、数年のうちにMBAと中小企業診断士のダブルタイトルを取得されています。今回は、経営に関わるテーマに興味のなかった今井さんが、一変された経緯をうかがいました。
東北出身、この地域にこだわりたい
――ご出身や経歴の話などきかせてください。
山形県の北端、秋田と県境にある田舎町の出身で、東北を転々としています。現在は、会社のある宮城県に住んでいます。
――長く東北地方で生活をしているということですが、このエリアに対する思い入れのようなものがあるのでしょうか?
ありますね。この地方に繁栄して欲しいと思いますし、思い入れは強いです。ただ、人口減をはじめとして難しいことも多いです。それでも長期点なビジョンとして、東北地方のために貢献したいという気持ちが、根底にあります。
IT部門からMBA留学を経て経営企画へ
――就職前後から現在にいたるまで、どのようなご経歴でしょうか。
工学部で電気電子情報を専攻し、大学院まで進みました。24歳で大学院を卒業し、インフラ関係の会社に就職、入社して8年目になります。はじめの数年間は、IT関係の部門にいました。その後、会社の留学プログラムに挑戦し、採用されて国内の経営大学院に1年ほど派遣されました。ここでMBAを取得し、2020年の秋に会社に戻りました。現在は、経営企画部門で仕事をしています。
――経営企画といえば診断士試験の内容とも関係が深そうですね。現在、具体的にはどのような仕事を担当されていますか?
私が担当しているのは、中期計画の作成などといった分野ではなく、政策的な分野です。業界の動向を左右するような情報を集め、整理分析し、経営幹部に報告したり、場合によっては、こちらの要望を政策に反映させるべく、各方面に働きかけたりしています。経済産業省に関係する案件を扱うことがありますが、残念ながら中小企業庁には、まだ、あまり縁がありません(笑)。
そもそものキッカケは上司のすすめ
――診断士試験の受験を決め、勉強を開始した当時のお話をお願いします。
初めて受験したのは2016 年です。先ほどお話したとおり、その頃はIT関係の仕事をしていて、経営にかかわるような話には特に興味はありませんでした。なかったのですが、当時の上司から、こんな試験があるから受験してみてはどうかとすすめられ、試しに勉強を始めてみたら面白くなりました。それで、TACという予備校に通学しました。また、社内にMBA留学制度があることを知り、診断士試験と共通する部分も多いように感じたので、併せてそちらにも挑戦することを決め、並行して準備をしました。自己啓発とチャレンジが好きなんです。
――その後、合格するまで、どのような経過であったのでしょうか?
1年目の受験で一次試験には合格しましたが、二次試験で落ちてしまいました。2年目も二次試験不合格でした。ちょうどその頃からMBAの準備が忙しくなったため、診断士試験向けの勉強は一度中断しています。その後、まずMBAを取得するために経営大学院に入学し、無事に卒業することができました。間もなく卒業という時期に余裕ができたため、中小企業診断士試験に再度挑戦することを決めました。2020年の4月頃から試験勉強を再開し、晴れて一次試験、二次試験と突破することができました。

吉田 潤 取材の匠メンバー、中小企業診断士
神奈川県出身、1990年東京大学経済学部卒。約30年にわたり運輸関係企業に勤務し、財務、経営管理、調達、総務部門などを経験する。2021年、中小企業診断士登録。楽しみはゴルフと音楽と飲み食い。