【栗山敦さんインタビュー】独学合格の秘訣は「学びの面白さ」に気づけたこと

【栗山敦さんインタビュー】独学合格の秘訣は「学びの面白さ」に気づけたこと

【第2回 今度は得点アップ法の学習が面白くなってきて】
過去の記事:第1回

【栗山敦さんインタビュー】

独学で中小企業診断士試験に合格した栗山さん。業務上必要に迫られたわけではない資格に対して、なぜ挑み、どのようにモチベーションを維持して努力を続けたのか。50代の挑戦に迫る。シリーズ第2回。

別世界の2次試験にも新たな面白さを見出した

――2次試験への印象はいかがでしたか。

2次試験は全く別の世界ですね。テキスト「ふぞろいな合格答案」(同友館)を見て、「何じゃこりゃ!?」って感じでした。

――2次試験も独学のままでいこうと決めていたのですか。

そうですね。予備校の利用は考えなかったです。興味本位でやっていたので「何が何でも受からなきゃ」という意識が薄かったからかもしれません。一番参考にしたのは受験支援団体「一発合格道場」の関係者が執筆した「一発合格」というKindle本です。「どのように勉強すればよいのか」など独学では得難い情報を知ることができ、とても役に立ちました。

――2次試験の学習も楽しまれたのでしょうか。

はい。「頑張っている」という感覚よりも、「点数を取る方法を学んでいる」「好奇心が満たされていく」のが面白くて続けていたという感覚でした。

独学でも、ポイントに気づけば点数は伸ばせる

――2度目の2次試験に向けてどんな対策を行いましたか。

やり方もわかってテキストも一通り揃ったので、あとはテキストを繰り返して自分でも同じような解答を書けるようにしよう、と過去問をひたすら解いていました。自身に足りないキーワードは、テキスト「2次試験合格者の頭の中にあった全知識」(同友館)を参考にしました。

――具体的にどんなトレーニングをされたのですか。

「どうすればうまく書けるんだろう」とずっと考えていました。「ふぞろいな合格答案」に載っているいろいろな人の解答を見て、「人によって書き方は違うけど、必要なキーワードをしっかり入れて、論理的につないで、聞かれたことに素直に答えていれば、合格点に届くんだ」というのが何となくわかってきたので、その練習をひたすら行いました。過去問を解く際は、入れるべきキーワードを設問の下に書いて、矢印でつないで骨子を作るようにしました。骨子さえできてしまえば、100字でまとめる練習はさんざんしていたので、「合格点に届く答案が作れる」という状態になっていました。

2次試験本番であわやの大惨事も、事前の練習が実った

――2度目の2次試験本番はいかがでしたか。

午前の2科目はよい手応えでしたが、午後の2科目に失敗しまして。「また来年か」とへこんで帰りました。

――何があったのですか。

事例Ⅲで「問題点と対応策を“それぞれ”60字以内で述べよ」の設問2つに対して、問題点と対応策を“まとめて”60字で書いてしまいました。「よし、次の設問に行こう」と思ったら、なぜか解答欄が2つも残っていることに気づいて。これには青くなりましたね。大慌てですべて消して、急いで解き直しました。

――軌道修正は間に合ったのですか。

はい。予定時間に対して15分ほどロスしたのですが、実は以前過去問を解いた時も長考して15分ロスしたことがありました。その時に「もう一度与件文を読みに戻ったら絶対アウトだ」という教訓を得ていたので、本番でも与件文を読みに戻らずに、書き残していたキーワードと与件文の記憶を頼りにガーッと書き上げてギリギリ間に合いました。経験で「15分なら絶対に挽回できる」とわかっていたのが大きかったです。自分の中ではこれが最も印象深い出来事ですかね。

小野 慎介

小野 慎介 取材の匠メンバー、中小企業診断士
株式会社シナリオメイク 代表取締役社長。1981年生まれ、大阪府出身。マザーズIPOや独立起業など多彩な経験を持つマーケターとして、現在は都内や川崎市の中小・ベンチャー企業向けに「勝ち筋」の発見や売上拡大支援を行っている。2022年、中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会および神奈川県中小企業診断協会に所属。二児の父。

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