【金子典正さんインタビュー】養成課程で得た実践力とタテヨコの人脈を活かし中小企業診断士として飛躍する

【金子典正さんインタビュー】養成課程で得た実践力とタテヨコの人脈を活かし中小企業診断士として飛躍する

【第1回 養成課程を選ぶまでの道程】

【金子典正さんインタビュー】

情報システム企業に勤務しながら、中小企業診断士養成課程(以下、養成課程)を修了、2020年5月に中小企業診断士登録をされた金子典正さん。登録後も既に企業診断や補助金申請支援等で精力的に活動されています。

第1回では現在のお仕事と中小企業診断士を志したきっかけ、そして試験受験から養成課程受験までの経緯をうかがいます。

日本の農家を救うため、物流の世界へ

――現在のお仕事について教えてください。

物流関連会社グループの情報システム企業に勤務しており、現在はBPO(Business Process Outsourcing)の営業部門でマネジメント業務を行っています。

大学時代は農学部で農村社会学を専攻していて、農村への聞き取り調査などを行っていました。ちょうど卒業するころは農産物の輸入自由化の流れがあり、農家の生き残りが大変だと言われた時代でした。その中で農協を介さない直売、いわゆるお取り寄せの走りのようなものが出はじめていました。お取り寄せの場合、農作物だけでなく、今年買ってくれた人への来年分の注文書や販促DMの発送など「物流」が必ず絡むため、「日本の農業を救うためには物流しかない!」と思ったことが入社のきっかけです。

もともと両親が農家の出身で、身近なところで農業にかかわる機会があったことも、後付けかもしれませんが会社選びに影響を与えていると思います。

――そのようなバックグラウンドが現在の活動に活かされているところもあるそうですね。

現在、埼玉県中小企業診断協会の「農業ビジネス研究会」で2年ほど活動しています。昨年は「道の駅」をテーマに研究活動を行いました。今年は「農家の流通・直販」をテーマに研究ができないか検討しており、いずれは農業支援の分野でも活動していきたいなと考えています。

「中小企業診断士になる」ことをゴールと考え、試験受験から養成課程へ

――中小企業診断士の資格取得を目指されたきっかけは。

現在の会社でシステム企画を10年、経営企画部門を5年経験した後に現在の営業に異動しましたが、同じ会社の技術職の方と比較しても、自身の専門分野と呼べるものがないと感じていました。当時リーマンショック後の景気が大変悪い時代ということもあり、将来への不安から、何かしらスキルを身につけたいと考えていました。その時に、ビジネススキルを公的に証明できるのではと考えて中小企業診断士に興味を持ち、勉強を開始しました。 

――2013年から受験勉強を開始し、2018年度試験まで長期間に渡る受験生活を続けられたモチベーションは。

当初は「とりあえずやってみよう」という軽い気持ちで予備校に入っていました。1年間勉強しましたが内容も難しく、やめようかとも思いましたが、1次試験を受験したところ3科目合格したので、それならがんばってみようと思い、2年目からは本腰を入れて受験勉強に取り組みました。

そして、受験生活を続けていくにつれて、「途中で諦めてしまったら、これまでの自分を否定することになるのではないか」と思うようになりました。当時は「中小企業診断士になる」ことがゴールだと思っていたので、何とかゴールしたい、中小企業診断士になりたいという思いをモチベーションにしていたように思います。特に最後の年(2018年)は診断士試験が生活の中心になっていました。

――その中で、養成課程の受験に切り替えたきっかけはなんでしたか。

当時一緒に勉強していた方の中に、自分の時間とお金が許せば養成課程に行きたい、という人がいたことから、3回目(2016年)のころから養成課程への進学も選択肢に入れて説明会などにも参加していました。

しかし、費用もかなり高く、時間もかなり割かなければならないこともあり、仕事や家庭との両立の観点から正直最後まで迷っていました。最終的には入学試験を受けてみて、合格することができたので行こう、と決意しました。

勝田 慶

勝田 慶 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1988年生まれ、三重県出身、千葉県柏市在住。一橋大学社会学部社会学科卒業後、2012年に鉄鋼メーカーに入社、工場人事、協力会社連携、海外営業を経て、現在地方支店での営業に従事。2022年5月より第二子誕生に伴い約1年間の育児休業を取得中。2021年度中小企業診断士試験合格、2022年度登録。趣味は料理、スポーツ観戦、大喜利。「地方の中小企業から日本を元気にすること」に貢献したい。

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