【⼩野慎介さんインタビュー】トライアンドエラーを繰り返して迫った2次試験の本質

【⼩野慎介さんインタビュー】トライアンドエラーを繰り返して迫った2次試験の本質

【第2回 2次試験の勉強法は高校の現代文】
過去の記事:第1回

【⼩野慎介さんインタビュー】

ベンチャー向けのマーケティングコンサル会社を経営する小野さん。1次試験はストレートで合格するも、2次試験に苦戦され、トライアンドエラーを繰り返して2次試験の本質に迫ったようです。第2回は、合格までの道のりについてうかがいました。

2次試験の本質に迫るも…

――1年目の結果を受けて、気付きはありましたか。

1年目が終わったあと、「2次試験の本質を捉えられていなかった」と感じました。

――2次試験の本質はどのようなものだと感じましたか?

中小企業を理解することだと思いました。実は、2年目にも不合格だったときには別の本質にたどり着くことになるんですけどね(笑)。1年目落ちたときに思ったのは、中小企業のあるべき姿を自分の中で定義できていなかったので、試験でも一貫したストーリーを書けなかったんじゃないかと思いました。

――そのような気付きを受けて、2年目はどのように勉強しましたか。

2次試験に特化した予備校に通わないと合格できないと思い、2年目は別の予備校に通うことにしました。ストレート合格しようと1年間勉強してきたのですが、よくよく考えてみると、大手予備校の講義ではまんべんなく勉強していて、自分の得意なところ・不得意なところを意識して勉強できていませんでした。受験生全員用に作られたカリキュラムではなく、2次試験の対策に特化した予備校に通うことにしました。

――その結果、いかがでしたか?

2年目は2次試験のみに絞って勉強してきたにもかかわらず、総得点が1年目よりさらに10点も下がり愕然としました。結構鍛えた状態で2次試験本番に臨めたことや、試験後も「合格したかな」と手応えを感じていたので、不合格の結果とその得点には相当ショックを受けました。

2次試験は「採点者との一瞬の勝負」

――2年目の結果を受けて、どう思いましたか?

インターネットなどで合格者の開示点数を見ると、2020年度は、2019年度よりも合格者の得点が高い印象を持ちました。そんな中、なぜ私の点数はここまで低いのだろうと考えました。合格者の答案を見ても、私の答案は論点を外していないように感じましたし、特に自信があったマーケティングでは、比較した合格答案と同じキーワードが並んでいるにもかかわらず20点近く差が出ていたので、「これは根本的に考え方が間違っているのかも」と感じました。そのため、不合格原因の仮説を立て直して、3年目に挑みました。

――どのような仮説を立てたのでしょうか?

「自分に足りていないものは日本語の読みやすさである」という仮説を立てました。採点者は短期間に数多くの答案を見なければならないので、一瞬で理解できるような文章を書くことが点数につながる、そう考えました。このキーワードが入っていたら2点、のような加点方式ではなく、採点者がパッと見たときに理解できるかどうか、そういう一瞬の勝負をしているのだと。これが2度の不合格でたどり着いた2次試験の攻略法です。

2次試験は現代文のテキストを使って勉強

――その仮説を基にして、どのように勉強されたのですか?

高校の現代文のテキストを買って、2次試験対策として国語の勉強をしました。3年目は1次試験からの再スタートとなりモチベーションも高まらなかったのですが、1年目の記憶が残っていたため、1次試験対策にそこまでの労力は不要でした。2次試験とあわせて1,500時間ほど勉強していた1年目と比べると、3年目は合計300時間とかなり少ない学習時間となりました。3度目の2次試験は構造化を意識して文章を読みやすくすることでなんとか合格できましたが、相変わらず手応えはなかったですね。未だに得体の知れない試験だと思っています。


近藤 将太郎

近藤 将太郎 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1994年に静岡で生まれ、現在は神奈川在住。埼玉大学大学院理工学研究科を修了後、大手システムインテグレータにて、営業・客先常駐を経てSEとして従事。顧客経営層の考えを理解するために資格取得を決意。2021年1月中小企業診断士合格。同年10月中小企業診断士登録。岡山で塾講師をしていたこともあり、地方創生や教育に興味あり。 ITストラテジスト、珠算検定2段。趣味は「趣味探し」。

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