【第2回 独学で受験3年目に中小企業診断士試験合格】
過去の記事:第1回

製造業の開発技術者として勤務しながら、2022年に中小企業診断士に合格した佐々木剣太さん。1次試験は受験1年目に一発合格しましたが、2次試験は苦戦。2021年に再度1次試験から受け直すことになりました。第2回では試行錯誤の末に独学のみで中小企業診断士合格を果たしたノウハウをお聞きしました。
2次試験の攻略法
――3年目のモチベーションはどのように保たれましたか
2021年には2019年に1次試験合格した権利が失効します。2021年にまた1次試験を受け直さなければなりませんが、一度合格しているので短期間の勉強で大丈夫だろうという確信がありました。ですので、2021年は1次試験の勉強を6月から始め、2次試験は1次試験合格後の9月から勉強を始める計画を立てました。1年間ずっと頑張るよりも、2ケ月くらいに濃縮して勉強をした方が効率的でモチベーションも保てると考えたからです。
――何を使って勉強されたのですか
株式会社同友館から出版されている2次試験対策の参考書の『ふぞろいな合格答案』に2次試験の点数基準が示されています。2ケ月くらいかけて、この本の点数基準に沿った解答ができるよう繰り返して勉強しました。
――勉強で心がけたことはありますか
2次試験の問題は、与件の文章からキーワードに関連した言葉を抜き出す問題もあれば、与件から出題者の意図を読み取って自分の言葉を足して文章を作る問題もあります。ですので、問題を見たときに瞬時にどちらの問題かを判断できるように訓練する勉強を心がけました。
――もう少し具体的に教えていただけますか
例えば、与件の文中のセンテンスの中で戦略に関連する経営戦略、競争戦略などのキーワードが出てきたときは、キーワードに関連する言葉を与件の文中から探します。もし、文中にキーワードに関連する言葉が無かった場合、出題者の意図を読み取り、キーワードに関連する言葉を自分で足して文章を作らなければなりません。
ですので、与件文を読んだら早い段階で問題の難易度を見極め、優先順位を付けて解答することを心がけました。キーワードに関連した言葉を抜き出す問題は他の受験者も得点できる箇所なので、その問題だけは絶対落とさない気持ちで臨みました。
合格のために
――2次試験は制限時間内に解答しなければなりませんが
文字を書くことにすごく苦手意識があったので、『ふぞろいな合格答案』の解答例を丸写ししました。いわゆる写経と呼ばれている作業です。手を慣らすことで単語を覚えることができるので、写経はかなり行いました。
――仕事もある中、勉強時間はどうやって確保されたのですか
1日1事例解くことをノルマとしました。毎日2時間は勉強時間として確保しました。仕事の都合で連続した時間が取れないときは、朝・昼・晩の時間を短く区切って勉強しました。例えば20分の間に、この箇所を解答すると決めて取り組むといった具合です。
――どのくらい問題数を解かれましたか
多分、60事例位は解いています。1年の問題が4事例ですから、過去5年間の問題を3回転位していると思います。
2次試験当日
――2次試験当日は落ち着いて受験できましたか
また来年も受けることになったら4年目になるのかと思うと、試験当日の気持ちは結構重かったです。そのせいもあって試験本番では手が震えてしまって、解答用紙に文字がうまく書けませんでした。メンタルが完全に弱った状態でした。結果的に合格できましたから、調子に乗らずに試験に臨んだことがよかったのかもしれません。
――合格まで大変でしたね
はい、2019年、2020年、2021年と3年間かかる形になってしまいました。

S.S 取材の匠メンバー、中小企業診断士
埼玉県生まれ。大学卒業後、製造業に約30年勤務。主に現場管理や品質管理などの製造にかかわる業務に従事。業務経験を活かして製造分野で中小企業をサポートしたいと考え、資格取得を決意。2020年5月中小企業診断士登録し、東京都中小企業診断士協会に所属。趣味は旅行。