【加茂智さんインタビュー】変化する人生のステージで、マイペースを変えずに合格

【加茂智さんインタビュー】変化する人生のステージで、マイペースを変えずに合格

【第2回 3度目の正直となった1次試験】
過去の記事:第1回

【加茂智さんインタビュー】

加茂さんは、試行錯誤を経て1次試験に合格しました。第2回は、その過程についてお伝えします。また、独学という勉強法とご自身の性格との相性についてもうかがいました。

徐々にアップデートした1次試験勉強法

――結果的に1次試験を3回経験されていますが、年によって勉強法を変えていったのでしょうか。

1回目の試験は4月から始めました。試験日まで残り4ヶ月間で、7科目あるなら半月に1科目のペースでいいかな、最後に過去問を解けばいいかなという、今思えばひどい計画の立て方でしたね。しかも途中で結婚の準備も始めたので実際は計画から遅れに遅れて、試験の前日になって中小企業経営・政策の過去問を初めて解くという有様でした。
勉強法も、1年目はまずテキストを通読して、それから問題を解くというインプット重視のやり方だったのですが、試験範囲の広さを考えれば、無駄な時間の使い方だったと言えるでしょう。

――その反省を糧に、2回目はアウトプット重視で臨んだのですか。

はい。2回目を受験する前に統計検定や簿記2級の試験勉強をしたのですが、そのときにアウトプットを優先する勉強に切り替えて、「あ、このやり方いいな」と気づいたんです。自分に合う勉強法を見つけたという点では、2年間のブランクにも意味があったな、と感じましたね。
具体的には、10年分の過去問が掲載されている同友館の「中小企業診断士試験 過去問完全マスター」を解いて、解答解説を読んでも理解できなかったらTAC出版の「中小企業診断士 最速合格のための スピードテキスト」を読む、という方法を繰り返しました。

――しかし1マーク分足りなくて2回目もパスできなかった…

この時も反省点がありまして。得意科目と苦手科目があるにもかかわらず、7科目を均等に勉強したんです。苦手だった経営法務にもっと時間を割いていれば結果は変わっていただろうな、と。3回目の2020年は科目ごとにメリハリをつけて勉強して、ようやく1次試験に通ったという感じです。

――勉強時間は増やしましたか?

1回目の受験は年度替わりの4月から勉強を始めましたが、2回目と3回目は年が改まる元旦から始めました。2回目は「勉強しない日を作らない」と決めて、ほぼ実践しましたが、3回目になると「毎日勉強することが目的ではない」と思うようになって。休養日を設けつつ、かといってだらけることなく途中までいいペースで勉強できていたかな、と思います。とはいえ5月に妻の妊娠がわかってからは、そうも言っていられなくなったのですが。

独学はマイペースな自分に最適だった

――加茂さんは最後まで独学を貫かれたのですが、方針を変えようとは思いませんでしたか?

基本的にお金をかけたくない、という思いもあり、予備校への通学や通信教育は考えませんでしたね。

――会社にロールモデルとなるような先輩診断士もいないなか、誰かと一緒に勉強したいとは思わなかった?

まったく思わなかったですね。一人で黙々とやるのが性に合っているんです。昼ご飯も一人で食べたいタイプなので、平日の昼休みは一人で喫茶店に入って、ランチ後そのまま勉強することが習慣になっていました。予備校に通うとなると自分のスケジュールを予備校側にあわせなければならないので、その意味でも一人で勉強することは全然デメリットではありませんでした。

――意地悪な質問をするようですが、あえて独学のデメリットをあげるとすれば何でしょう?

独学の場合、試験について自分でしっかり情報収集しておかないと、気づかないまま非効率な勉強をしてしまうおそれはありますね。2回目の2019年に7科目を均等に勉強して失敗しましたが、周囲に講師や勉強仲間がいて早めに気づいていれば、防げたかもしれません。


鈴木 建

鈴木 建 取材の匠メンバー、中小企業診断士

北海道札幌市在住。1970年生まれ。2019年診断士登録。その後2年間診断士資格を活用することは無かったが、75歳まで健康に働き続けるため早い段階でセカンドキャリアに移ろうと、新卒で就職した地元電力会社を2021年に退職。2022年2月独立。現在は北海道を活動エリアとしてフットワーク軽く「診る・書く・話す」診断士像を模索中。

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