【佐藤太一さんインタビュー】財務でつきぬけろ!診断士試験の必勝法

【佐藤太一さんインタビュー】財務でつきぬけろ!診断士試験の必勝法

【第2回 財務でつきぬけ一発合格】
過去の記事:第1回

【佐藤太一さんインタビュー】

中小企業診断士試験を一発合格し、税理士とのダブルライセンスを持つ佐藤太一さん。ダブルライセンス取得までに経験した苦労と診断士試験の秘訣を3回のシリーズでお届けします。第2回は、中小企業診断士を目指したきっかけと受験勉強についてうかがいました。

経営者の悩みを受け止める力が全くない!と思い中小企業診断士試験の受験を決意

――税理士試験に合格した後の活動を教えてください。

合格して20人ほどの小さな会計事務所に就職しました。会計事務所では基本的にクライアントと自分の1対1で仕事をします。自分でやって自分で完結させる。そのうえでクライアントを何件担当するかで売上が決まってきます。基本的には個人技です。自分でコントロールできますし、税理士業務は報酬が月額制で安定していますので押し売り営業みたいなこともしなくて良い。自分に向いていると思いましたね。特に不満もなくその事務所に5年間勤めました。

――中小企業診断士を目指したきっかけを教えてください。

会計事務所に勤めていた時に、中小企業の経営者と話す中で課題を感じたことがきっかけでした。当時、税理士として中小企業の経営者とやり取りをしていたのですが、お話を聞いていても税務・会計以外のことはイメージがわかない。税理士としては売上、原価、家賃等のその他諸々の費用があって、利益がこうだから税金はこうです、というところで話が終わります。

人材やマーケティングの発想は、税理士試験だけ通った人間からは出てこない。社長がいろいろお話をしてくれても「そうなんですか」とか「大変ですね」で終わってしまう。社長としても会社のことを話せる数少ない相手なのに、こっちとしては受け止める力が全くない。これではいけないと感じていました。あとは当時、無くなる仕事TOP50のような特集に会計事務所があがっているのを見て危機感を感じたことも一因です。一方で、取りたい資格ランキングの一位が中小企業診断士だというのを見て中小企業診断士に興味を持ち、取ってみようと思ったのがきっかけでした。

財務でつきぬけ、 一発合格

――診断士試験の 受験は受験予備校を利用しましたか?

そうですね。税理士試験の時に某大手予備校を利用して合格したので、そこにしておけば間違いないと思い利用しました。ただ、途中で診断士試験に関しては別の予備校の方がいいらしいと聞き、2次試験から鞍替えしています。あと通信制の別の予備校も利用していました。結構お金を使いましたね。

――一発で合格していますが、税理士であったことが大きいですか?

そうですね。特に2次試験は財務で結構点数が取れました。実は、他の事例ではあまり点数が取れていなくて、財務がカバーしてくれた形です。

――税理士であれば財務は勉強しなくても大丈夫?

いえいえ、そんなことはありません。例えば、正味現在価値なんて税理士業務では算出しませんし、企業価値も出さない。実務では損益と税金の計算、あとはせいぜい簡単に財務分析をする程度です。財務分析も中小企業の社長にはあまり響かないですね。収益性や安全性、効率性が高いと言っても、なぜそうなっているのかをこちらが理解したうえで伝えないと意味がない。もちろん基本はわかっているので入り易いというのはありましたが、税理士と言えども診断士試験に向けては財務の勉強が必要だと思います。




Y.T

Y.T 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1974年生まれ。大手電機メーカー勤務。入社から現在まで、一貫して証券関係のシステム開発に従事。登山が趣味で標高2,500m超からの景色に魅了され高山を好む。百名山の制覇が夢。2021年中小企業診断士登録。

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