【S.Sさんインタビュー】あなたの時間と経験はいくらですか?

【S.Sさんインタビュー】あなたの時間と経験はいくらですか?

【第3回 本当に役立つ中小企業診断士になるために】
過去の記事:第1回第2回

【S.Sさんインタビュー】

養成課程と仕事を見事に両立してきたS.Sさん。第3回は、養成課程の苦労話、得られたことについてお話をうかがいました。また、養成課程に進もうか迷っている皆様にメッセージをいただきました。

苦労したこと、得られたもの

――養成課程での苦労したご経験はありましたか?

あまり無いですが、あえてあげるとすればスケジュールの調整ですね。診断実習の情報をいち早く取得して、いかに会社の業務スケジュールを調整するかというタイムマネジメントは大変でした。

――一方で、養成課程で得られたものを教えていただけますでしょうか?

試験の内容だけだと、机上の空論となってしまい、実務で使えるようなレベルにはならないと、なんとなく感じていましたが、その確かな実感が得られたことが、私にとって一番重要なことでしたね。1次試験、2次試験の内容を深堀して、アウトプットを行った経験はすごくよかったと思っています。

――養成課程にしてよかった、2次試験ではなくてよかったと思うところはありますか?

2次試験は、極論を言うと作問者向けの作業なんですよね。それ自体に全く意味がないとは思わないですが、実際の診断業務でどのくらい関連性があるのかなと思います。養成課程の診断実習は5回も社長に会って話をする機会があります。普通お金を払っても難しいと思うんですよ。それを全部コーディネートしていただけているという環境を考えたときに、養成課程でよかったなと思います。経験をお金で買ったという風に理解しています。

家族のことも考えた期限付きチャレンジ

――もし養成課程に進んでいなかったらどうなっていたと思いますか?

恐らく2次試験を受けて、合格すれば中小企業診断士になっていたでしょうし、不合格ならもう一回受けたかどうかですね。2年間やってダメだったらすっぱりあきらめようと思っていました。

――なんにせよ中小企業診断士を目指した。でも期限を決めて目指したと。

2年やって受からなかったら自分には向いてないんだなと判断すると思います。

――養成課程でかなりの時間を費やしたと思います。ご家族のご理解はいかがでしたでしょうか?

2年間という期限を決めたのも家族のためです。1次試験勉強時に「家のことはほとんどできないけど我慢してください」というお話をしました。ただ、養成課程は2年間のスケジュールがほとんど前もってわかっているので、ある程度スケジュールを外して家事等やりくりしていました。とはいえ迷惑はかけていますけど。そこはもうごめんなさいですね、はい。

本当に役立つ中小企業診断士になるために

――将来こんなことをやってみたいなあ、という計画はありますか?

具体的ではないですが、何らかの形で世の中の役に立つような仕事ができればなあと思っています。先輩方も、60歳で定年になってから何をやるかでご苦労されているように見えるので、できればある程度自分でコントロールできるような仕事をできればいいなと考えています。

――養成課程に進もうか迷っている人に一言いただけますでしょうか?

色々な業種の経験が無い方は、ただ試験だけ受けて中小企業診断士になったとしても、実務で苦労すると思うので、様々な業種の方の考えと触れ合い、様々な会社に入って十分な時間をいただいて診断実習の経験ができる養成課程を、私はおすすめします。

――未来の中小企業診断士に一言いただけますでしょうか?

中小企業は日本の企業の99.7%。中小企業の社長には様々な業務があり、しかもほとんどの企業がそれを社長一人でこなさないといけないという難しい状況にあります。企業の中にずっといると他社に役立つ知見ってわかりづらいんですけど、実は非常に多いと思うんですね。その知見を中小企業の社長にちゃんと納得いただける形でご提供できて、大変な社長のお手伝いができる。そんな中小企業診断士がどんどん出てきてくれればいいなと思います。




福岡 誠

福岡 誠 取材の匠メンバー、中小企業診断士
愛媛県出身。総合通販企業でBtoB事業に携わる企業内診断士。2021年11月に中小企業診断士登録。2021年は受験生支援団体タキプロにて、セミナーの運営やブログ執筆を行う。地方創生☆政策アイデアコンテスト2021(地方創生担当大臣賞(日本一)受賞)趣味:キャンプ・登山・ジョギング。元芸人。元役者。元市役所職員。

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