【第3回 エンジニアでは経験できない新たな分野へ挑戦】
過去の記事:第1回、第2回

電機メーカーでソフトウェアエンジニアとして勤務しながら、9ヶ月という短い勉強期間で2021年にストレート合格を果たした斎藤謙二郎さん。第3回は中小企業診断士取得後の変化や今後の活動についてお聞きしました。
中小企業診断士取得後の変化
――2次試験の合格を知った時の心境はどうでしたか。
点数がどうだったのかがまずは気になりましたね(笑)。結果的には確か270点ぐらいだったと思います。事例Ⅳは70点台で想定内でした。感触の良かった事例Ⅱが50点台で、そうでなかった事例ⅠとⅢが60点を超えていました。最後までつかめなかったですね。
――もし不合格だったとしたら、勉強を続けていましたか。
負けず嫌いな性格なので、おそらく勉強を続けたと思います(笑)。ですが、もう1年勉強を続ければ合格できるという自信は無いですね。
――中小企業診断士の勉強を通じて、自分の中で変わったことや得たものはありますか。
エンジニアという職種上、経営の知識に関してはキーワードしか知らないことが多かったので、そのあたりを体系的に頭に入れることはできたのは良かったですね。本業で直接生きている部分は少ないですが、例えば会社の業績発表を目にした際に、その内容の解像度が上がったので、今まで見えていないことが見えるようになった感覚です。モチベーションのアップにもつながったと思います。
――中小企業診断士の勉強によって身に付いた経営に関する知識が本業で生かせているとのことでしたが、本業以外の部分で変化したことはありますか。
社内と社外の中小企業診断士のコミュニティに入りました。特に社内の方では普段業務で関わらない人と話す機会ができたことで刺激にもなりますし、大きな変化だと思います。社外のコミュニティには最近あまり参加できていませんが、社外の方とコミュニケーションを取る機会も増えたのでそこもポジティブな変化ですね。
エンジニア×中小企業診断士
――今後、中小企業診断士としてやってみたい活動はありますか。
独立は全く考えていないので企業内診断士として活動していくことになりますが、そのあたりがまだ固まっていないので、あまり積極的な活動はできていないですね。できるできないは別として、事業承継や地方の中小企業支援のような社会的に重要性が高く、やりがいもありそうな分野には携わってみたいと思います。本業はあくまでエンジニアですので、中小企業診断士に関しては方向性を決めすぎずに色々とチャレンジしていきたいですね。
――エンジニアの魅力は新たな価値を生み出せるところとのことでしたが、中小企業診断士は価値を生み出せる仕事でしょうか。
広い意味では生み出せる仕事だと思います。エンジニアの仕事との対比で言うと、中小企業診断士の仕事はそこに価値があるけれど気付けていない場合や、あるお客さんにとっては非常に価値がある場合など、価値を再発見する仕事なのかなと感じています。正しいあり方にすることで価値が再発見される。今まで見えていなかったことを見えるようにするという意味で価値を生み出せる仕事なのかなと思いますね。
――それでは最後に、受験生の方へのメッセージをお願いします。
社会人が受験することが多いので、それぞれ事情が異なると思います。勉強時間をどの程度確保できるかによって、合格までに至る年数も変わってきます。ですので、人と比べる必要は無いのかなと思います。モチベーションの違いはあるにせよ、勉強することは楽しいといった部分は少なからずあると思うので、その気持ちを忘れずにマイペースで学習を進めていただいきたいと思います。

奥野 雅也 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1981年生まれ。京都府在住。空調関連の設備会社で人事、総務、経営企画と幅広く管理部門の業務に従事。さらなるステップアップのため中小企業診断士に挑戦。趣味はスポーツ観戦と子供と遊ぶこと。2023年中小企業診断士登録。