【佐藤克哉さんインタビュー】想定外の受験 60時間で2次試験合格

【佐藤克哉さんインタビュー】想定外の受験 60時間で2次試験合格

【第3回 想定外の合格でこれからの展望】
過去の記事:第1回第2回

【佐藤克哉さんインタビュー】

現在地方銀行にお勤めの佐藤さん。第3回は、試験合格後のお話をうかがいました

中小企業診断士試験受験合格後の変化

――中小企業診断士資格への心境の変化はありますか。

2次試験に受かって中小企業診断士の資格が取れたことは素直に良かったと思っていますが、中小企業大学校に行けなくなったショックもありました。中小企業大学校の養成課程でコンサルティング手法を学べるはずでしたが、あまり勉強ができずに、2次試験に合格してしまいましたので、スキル不足を認識しています。そこで、積極的に研究会や講座に参加するようになりました。結果として、社外の知り合いが増え人脈拡大につながっています。

――受かった後に、職場での変化はありましたか。

資格取得が影響したかはわかりませんが、資格取得後に本部のコンサルティング部署に異動となりました。シンジケートローンやLBO等のファイナンス関係の仕事をしています。資金調達額が比較的大きな案件を担当させていただいています。営業店時代はお客様がお客様でしたが、今は営業店もお客様となります。営業店の行員と共に案件を成約した際は、営業店時代とは違う喜びがあります。

資格取得を銀行で最大限に生かす

――社外、社内で変化があったようですが、今後の予定はいかがですか。

今の銀行の中で、社内診断士としての活動を予定しています。中小企業診断士の知識は、本業で生かす場所があるため、突き詰めていきたいと思っています。今の銀行というフィールドでしっかりとアウトプットしていきたいという気持ちです。

――今後、実務でどう生かしたいですか。

中小企業診断士を取得したことで、お客様に対してより良い提案ができると思っています。受験中は仕事の中でのアウトプットを通して勉強したこともありますので、同じように試験でインプットしたことを今の本業の銀行業務で生かせれるように頑張りたいと思っています。

――今後挑戦してみたいことはありますか

長いスパンで色々な企業に対して支援したいという気持ちがあります。通常、銀行では転勤があるので、よくも悪くも3年程で変わってしまいます。支援して終わりでなく、支援後も大事だと思っています。

受験生へのアドバイス

――大学で経営関係の勉強をしていたのですか。

私は工学部出身で、経済学も初学、ITも強くないです。大学でのアドバンテージは、ほとんどありませんでした。一方、銀行の仕事とは相関性が高く、財務・会計の知識は身についており、企業経営に関してもオーナー経営者と面談する機会が多かったので知る機会がありました。会社法関係の経営法務、中小企業政策も実務でかかわっていたのがプラスに作用しました。経済学も、現在の職業には役立つということで前向きに取り組めました。

――実務をプラスに、いかに対応するかが大切ということですか。

そうですね。コロナの影響を受けたお客様の対応・支援を実務で行なっていたので2次試験の問題に違和感なく対応することができました。また、試験勉強で学んでいることを自分のお客様に提案としてアウトプットする訓練をしていたので、2次試験の記述による解答にも対応しやすかったのだと思います。試験勉強自体大変ですが、本業の実務はしっかりとするべきであり、それが試験にもプラスに作用します。同様に、試験勉強で学んだことが実務で役立つことも多いはずです。

私も現在、勉強不足で受かってしまったことを意識し、新たに執筆技術の勉強や研究会でコンサルティング技術の勉強をしていますが、本業の実務にきっとプラスになると感じています。受験生の皆さんも、実務と受験勉強を全く切り離すのでなく、実務を意識しながら受験勉強することできっとプラスに作用すると思いますので、頑張ってください。




加藤 昌毅

加藤 昌毅 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1974年生まれ。岡山県在住。大学卒業後、IT業界で法人営業を経験し、主に新規顧客開拓を担当する。2015年に中小企業診断士に登録後、家業の鉱物粉砕業の経営に参画する。現在は独立し、創業支援、事業承継支援、M&A支援や専門学校講師、研修講師などの講師業を行う中小企業診断士としても活動中。

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