【第1回 1次試験直前に夫が海外赴任】
大手事務機器販売会社でマーケティングリサーチを担当する会社員、山田美鈴さん。産休・育休中に中小企業診断士の勉強を開始するも、その後、夫の海外赴任が決定。夫に帯同するタイミングは?勉強法は?3年間の波乱万丈な受験生生活に迫ります。
自分の「できること」が増える
――育休のタイミングで中小企業診断士の勉強を始めたそうですね。
2人目の子供の育休時に勉強を始めました。1人目を産んだ時も大学の公開講座や、育休の方向けの経営勉強会に行っていましたが、2人目の時、育休のイメージもできて、「資格」という形になるものがいいなと思いました。いい資格ないかなと検索しましたね。自分の仕事にもつながりがありそうだと中小企業診断士試験を選びました。
――1人目の産休中も勉強していたと。もともと勉強は好きだったのですか?
勉強が好きというより、何かしていないと不安というか、自分ができることが増える、新しいことができる、というのがモチベーションだと思います。自分が「進化」していないということがストレスに感じるのです。子育ても自分にとって新しい経験ですが、それだけだとストレスになってしまう。仕事っぽい、勉強っぽいことをしたいなと思いました。
子供の昼寝の時間を利用
――具体的な勉強法を教えてください。
大手資格学校の通信講座で勉強を始めました。子供が生まれる2か月前から休みをいただけたので、説明会に行って、申し込みました。子供は8月生まれですが、講座の開始が秋じゃないですか。子供が生まれて2か月休んで、10月の講座スタートがちょうどよかった。勉強していたのは、子供が昼寝をする時間です。普通に朝起きて、ご飯作って、上の子の保育園行って預けて、下の子がお昼寝する時間を利用しました。幸い、うちの子はまとまって2時間寝てくれたので、その時間に勉強していました。そのうち、昼寝とか時間取れなくなってきたら、朝早く1時間とかやるとか。合計で1日2時間、3時間は確保できるようにしていました。平日は毎日やると決めていましたね。
1次試験勉強中に夫の海外赴任が
――毎日勉強を続けている中で、受験生生活の参考になることはありますか?
資格学校からもらった「カレンダー」を大切に保管していました。というのも、通信講座はいつでも受講できるがゆえに、ずらしてしまったり、いつのまにか受講しなくなったりするのが怖かったのです。カレンダーには、通学講座のスケジュールが記載されていますから、そのカレンダーを手元に置いていて、それと同じペースで進めるようにやっていましたね。私自身は、夏休みの宿題は31日にやるタイプなのです。計画を立てないと、先延ばしをするタイプなので、あえて計画を作らないと駄目だと思いまして。
――計画的に勉強を進めていたのですね?
ただひとつ、1次試験の勉強中に環境が変わって…。夫の海外赴任が決まったのです。(試験直前の)4月でしたね。いったん夫は単身で赴任。私は子供2人と「3人暮らし」での勉強となったのです。
H.K 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1973年東京都生まれ。大学卒業後、東京の民間企業に入社。40代半ばに一般管理部門に移り、上司のすすめで簿記2級を取得したことから「学び直し」に目覚める。2021年度の中小企業診断士試験に合格し、2023年2月に診断士登録。サザンオールスターズと岡本太郎をこよなく愛し、週末の楽しみは妻との食べ歩き。好きな言葉は「疾風(しっぷう)に勁草(けいそう)を知る」。