【池崎良徳さんインタビュー】独学と勉強会活用のハイブリッド勉強法 諦めない試行錯誤の14年間

【池崎良徳さんインタビュー】独学と勉強会活用のハイブリッド勉強法 諦めない試行錯誤の14年間

【第1回 42歳で訪れた人生の分岐点】

【池崎良徳さんインタビュー】

家業と現職の会社を通じて、一貫して中小企業の経営と実務に携わってきた池崎さん。独学をベースに中小企業診断士の勉強を始め、14年間の努力の末に見事合格を勝ち取りました。第1回は、42歳で訪れたキャリアの大きな分かれ道と、独学で臨んだ1次試験について語っていただきました。

このまま続けるか? 人生をリセットするか?

――これまでの経歴について教えてください。

現在は住宅設備用金具を企画・販売する会社で、商品部の部長として、購買・受発注管理・品質保証・経理・総務の統括管理を行っています。従業員は30人くらいの典型的な中小企業で、いわゆる何でも屋として働いています。もともとは繊維関係の商売をしていた実家の会社で、経営の一旦を担っていました。しかし、業界自体が衰退気味で、このまま続けるか、それとも人生をリセットさせるかの二者択一を迫られ、42歳の時に思い切って会社をたたみ、今の会社に入りました。

――とても思い切った選択でしたね。苦労されたことも多かったのではないですか?

当時はとても迷いました。自分の強みを活かせられない全くゼロからのスタートでしたので。転職活動を決意してからは、応募書類の書き方から勉強しましたね。職務経歴書の書き方や面接の受け方のセミナーに参加して、1カ月くらい学びました。これまでは募集して判断する側でしたが、42歳で初めてアピールする側に回りましたね。

――ご家族はどのようにおっしゃっていましたか?

本音の部分は聞いてないんですが、ついてこざるを得なかったかなと思います。後押しはしてくれていましたね。

中小企業診断士資格との出会い

――中小企業診断士の資格取得を目指した理由を教えてください。

42歳で転職活動するときに、資格の必要性っていうのをすごく感じていたんです。たまたま同時期に会社に入った方が、ストレート合格で中小企業診断士の資格を取ったんですね。そこで初めて中小企業診断士という存在を知りました。詳しく話を聞くと、経営に近い仕事をやりたかった僕にとって、相性がいい資格だなと思ったのがきっかけです。

独学で挑戦した最初の1次試験

――受験歴が長いと伺いましたが、いつ頃から勉強を始めたのでしょうか?

今の会社に入って3、4年目の45歳ごろからから勉強を始めました。合格までは14年かかりましたね。僕の場合は1次試験がネックでした。

――1次試験はどのように勉強されていましたか?

1次試験の勉強を始めた前半の1、2年間は、ほとんど勉強せずに受けていましたね。財務・会計は簿記を持っていたこともあり、自信がありました。企業経営理論に関しても過去の経営の経験から、ある程度わかるだろうと考えていました。試験の結果はやっぱりボロボロでしたね。そこで初めて過去問を解きました。

――過去問を一切解かず、試験に挑んだのですね。攻めましたね。

最初はそうでした。今思うとだいぶ舐めていましたね(笑)3年目から過去問を中心に勉強を始めて、徐々に科目合格していきました。

――得意科目や苦手科目はありましたか?

僕は得手と不得手がはっきりしていまして、苦手科目は経営情報システム、経営法務、中小企業経営・中小企業政策の3科目ですね。得意科目は財務・会計で、経済学・経済政策と運営管理も良い点を取れていました。当時の戦略は、苦手科目を得意科目で補完して合格点を目指すものでしたが、科目合格ができていても、例の苦手3科目の得点が伸びなかったので、合計点でみると点数が足りませんでした。最終的には、強みを生かして弱みを補う戦略では難しいと感じて、苦手3科目を伸ばしにかかりました。




則武 卓磨

則武 卓磨 取材の匠メンバー、中小企業診断士
愛知県出身で、現在は東京都在住。名古屋大学大学院工学研究科(修士)を修了後、IT企業にシステムエンジニアとして入社。プロジェクトリーダーとして、システム開発業務や業務改善、チームマネジメントに従事。自己研鑽の延長線上で2023年に中小企業診断士を取得。若手起業家の創業支援をはじめとして診断士活動を開始。

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