【第2回 独学ストレート・7カ月で突破!合格の真髄】
過去の記事:第1回
ITコンサル、メディア系マーケティング、電機メーカーでの商品企画、新規事業開発など、様々な仕事を経験してきた湯山聡さん。中小企業診断士試験を独学ストレート・7ヶ月で合格しております。今回は、短期間で合格された、その秘訣についてうかがいました。
診断士試験への取り組み方について
――診断士試験について。1次試験はどのように勉強方法をされましたか
年明けに勉強を開始しました。1次試験が7月なので、実質的な勉強期間は7カ月しかありませんでしたが、一発で合格するつもりでした。色々な情報に惑わされることなく、自分の信じた方法でやりたいという思いから、独学を選びました。学習手段を検討している時間さえも惜しかったのです。
1次試験については、「スピードテキスト(TAC出版)」と「スピード問題集(TAC出版)」と過去問を入手し、試験日までのスケジュールを組み立てました。苦手意識があり、習得までに時間を要する財務会計・企業経営理論・運営管理から着手しました。経営情報システムや経営法務、中小企業経営・政策といった暗記系の科目は、スケジュールの後半に学習を詰め込みました。テキストを読む、過去問を解く、間違えた問題をすべて単語帳に書く、その単語帳を通勤中に読む、というスタイルで勉強をしていきました。
――科目ごとの特徴を捉え、スケジュールを組み立てられたところに、計画性の高さを感じます。1日のスケジュールの中で、どのように勉強時間を確保されましたか
資格合格までに1,000時間の勉強時間が必要だと言われておりましたので、1日3時間やれば、300日で900時間。土日は倍の6時間やれば間に合うと計算しました。また、社内でリモートワークが導入され、往復3時間の通勤時間を勉強に充てられるようになりました。これが時間管理上の大きなメリットとなりました。
――模試はどのように活用されましたか
1次試験と2次試験の模試を受けました。1日4科目のハードスケジュールを体感するためのリハーサルとしてでした。過去問を重視して勉強していたので、模試の結果は全く気にしていませんでした。
――2次試験も短期間で合格しています。どのように勉強されましたか
1次試験合格後に、2次試験について調べました。 参考書は「ふぞろいシリーズ(同友館)」3冊を揃えました。過去問を徹底的に取り組み、他にもYouTubeの動画も参考にしました。最初の1カ月は過去問を解きましたが、模範解答を見ると答えがバラバラでした。正解はないのだと気づき、自分の腹落ちする解答があればよいと判断しました。
学習を進めていくと、2次試験は3つの要素が合わされば事例の設問に答えられると気づくことができました。1つ目は知識について。例えば、事例Ⅰであれば、ドメインやVRIO、PPM、アンゾフといった1次試験の知識を正確に押さえること。2つ目は与件文を、素直に読み取ること。3つ目は、型に従って解答すること。また、うまく答えられなかった解答をエクセルに記載し、解答に必要な要素と、答えられなかった反省点をリスト化していきました。試験の直前期には、本番を想定し、本来なら1日4科目のところ、7科目を実施していました。頭が疲れた状態でも本番で力を発揮できるように訓練していました。
診断士試験合格者として、今後試験へ挑まれる方へ向けて
――合格するうえで、もっとも大切なことはなんでしょうか
情報を集めることだと思いますね。私の場合はYouTubeがメインでしたが、色々と情報をうまく融合させることができました。 ただ、様々な勉強法がありますので、自分の信じたやり方を貫くことが重要だと考えます。
花村 大祐 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1988年愛知県生まれ。大学卒業後、大手機械メーカーに入社。一貫して、フィールドセールスとして、主に金属加工事業者に対し、営業・販売促進・マーケティングと幅広いセールス活動に従事。2023年3月、養成課程修了し、5月に中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会三多摩支部・神奈川県中小企業診断協会所属