【今井章夫さんインタビュー】家族と仲間の絆で勝ち取った中小企業診断士というパスポート

【今井章夫さんインタビュー】家族と仲間の絆で勝ち取った中小企業診断士というパスポート

【第3回 アップデートし続ける中小企業診断士に】
過去の記事:第1回第2回

【今井章夫さんインタビュー】

難関を突破して入学した養成課程は、座学も診断実習もタイトで内容の濃いカリキュラムだったと語る今井さん。診断実習という修羅場で、最初のリーダーという大役を見事果たした現在、見えてきた世界についてうかがいました。

「多様性を受け入れる」という学び

――5社の診断実習そのものも大変だったと思いますが、現地に行くための休みを取るのも一苦労だったのではありませんか

そうですね、診断先を訪問するのは基本的に平日だったので、勤め先を休む必要があります。私の場合、養成課程に通う前に予め上司におうかがいを立てました。「中小企業診断士になることは会社にも貢献することだ」と上司も理解してくれました。そして通いやすいように、比較的働き方に融通の利く部署に配置転換をしてくれたので、業務を調整しながら休みを取って参加することができました。私のチャレンジを理解、応援してくれたその上司には、今でも感謝しています。

――養成課程の学び、得たものは何ですか

「多様性を受け入れること」ですね。色々な人がいたので、各人が持つ知見・経験を集結させ、大きな仕事を成し遂げることができました。切磋琢磨した仲間とは強い絆で結びつき、かけがえのない関係となりました。そうした価値観の異なる仲間や、先生方、そして経営者の方々との出会いは大きな糧となったことに加え、「多様性の大切さ」を認識するよい機会となりました。

また振り返ると、最初にリーダーを担ったのは大きなチャレンジで、1年のカリキュラムをほぼ休まずやり遂げたのと同じ位、自信につながりましたね。養成課程で知識やノウハウを身に付けたのはもちろんですが、それ以上に自分自身が変わり、成長したことを実感しています。

――養成課程にどんな人が向いている、向いてないと思いますか

診断実習はグループでやるので、チームプレイができない人は難しいかもしれません。診断は正解があって無いような世界。自分の意見だけ押し通すことはできず、あくまで目的は「その会社と社長のため」。その思いを持ってできるかどうかです。

「手段はある。諦めずに中小企業診断士を目指してほしい」

――今後の夢や計画を教えてください

いつかは独立診断士になりたいですね。やりたいことの一つは、企業再生です。営業の仕事を長年やってきたので、企業相手の仕事には取り組みたいと思っています。またコーチングには興味があり、最近勉強を始めました。経営者の話をうかがっていると、ご本人の目標が明確でないことが少なくありません。そのモヤモヤを対話の中で、具体的なありたい姿にできるのがコーチングで、日頃の仕事においても役に立ちます。同時に家族との時間も大切にしたいですね。まだ子供も小さいし、中小企業診断士となることを後押ししてくれた妻には今でも感謝していますので、「家族と過ごす『この瞬間』」を大切にしたいと思っています。

――中小企業診断士を目指している方にメッセージをお願いします

中小企業診断士となって、自分で学び続ける意欲が湧いてきました。中小企業診断士は「なるまで」ではなく、「なってから」が重要です。私自身、「いかにアップデートしていくか」を常に考える意識が高まり、中小企業診断士としての仕事や本業にも良い影響を与えています。もし中小企業診断士になっていなかったら、今の活動やこうしたマインドは持てなかったと思いますので、「取るか、取らないか」はとても大事なことです。

中小企業診断士は諦めなければ取れる資格だと思います。受験で取る人もいれば、養成課程で取る人もいる。電車に例えれば、各駅で行くのか、特急で行くのかの違いですが、いずれにしてもお金と時間をかけて目的地に到達することに変わりはありません。もし戦う姿勢があるなら、諦めないで中小企業診断士を目指してほしいと思います。





増田 利弘

増田 利弘 取材の匠メンバー、中小企業診断士
埼玉県出身。住宅メーカーを経て、現在の自動車メーカーまで、一貫してエネルギー関連の新規事業や新商品の企画・開発、立ち上げに関わる。2020年に中小企業診断士登録。「中小企業のカーボンニュートラルに貢献」をミッションに掲げ、埼玉県中小企業診断協会の省エネ研究会、企業内診断士の会で活動中。趣味は家庭菜園、映画、STARWARS。直近の目標は「3年以内にサラリーマン川柳に入賞」。

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