【第1回 より広い世界をみたくて】
「人見知りをしないんですよ」ハツラツと答える阿久津康史さん。兄貴肌という言葉が似合うのは、きっと様々な世界を渡り歩いてこられてきたからでしょう。第1回は、阿久津さんが新たな世界を求める中で中小企業診断士と出会い、その後手にされたものについておうかがいしました。
打ちのめされて出会った中小企業診断士という資格
――現在お勤めのリース会社に入る前は、旅行会社勤務でしたね。異業種への転職ですが、どういった想いがあったのでしょうか。
旅行会社から違う業界に行きたかったんですよね。前職ではヨーロッパ方面のパッケージツアー企画、海外渡航や添乗員経験がありました。ただ、拘束時間が長く、土日も潰れてしまうこともあって。ちょうど妻との結婚を考えている時だったので、このまま家庭を持ってもあまり幸せになれないなというのがありました。転職に際しては、特にB to Bで広い業種を相手にしているような会社は金融業界かなと思ったので、全くの未経験ではあったのですが2011年に転職をしました。
――リース会社に入られて8年目に中小企業診断士の勉強を始められています。何かきっかけがあったのでしょうか。
転職後、法人営業を7年くらいやっていると、提案する商材に広がりが無くて、飽きてきちゃったんですよね。それで「今の会社の中で幅広い世界をみられるような部署ってどこだろう」となった時に、投資やM&Aをやっている部門の社内公募に手を挙げて2018年に異動することができたんです。ただ、異動してみたら話している内容がすごく難しかったです。ファイナンスだけじゃなく経営知識がすごい必要になるんです。自分の知識の無さで苦しい思いをして、打ちのめされて、対外的に示せる資格が欲しいなと思ってそこで一気に中小企業診断士の資格に興味を持ち、勉強を始めました。将来の働き方の選択肢を増やしておきたいという想いもありましたね。
パスポートを手に入れて
――その後、2022年に合格されて一番の変化は何だったのでしょうか。
人付き合いですね。人脈が爆発的に広がりました。今まで出会ったことのない業種、年代、地域の人、信じられないくらい人脈が広がりました。違う考え方の人と出会うようになってすごくワクワクした毎日です。中小企業診断士の資格を取ると人脈が広がるって言うじゃないですか。せっかくだからそれを楽しもうと思って幾つかの団体に入りました。診断士協会はもちろん、受験生支援団体にも入っていたのですが、その付き合いは濃かったですね。仕事にもよい影響があって、会社の事業戦略や組織戦略について理解が深まり経営会議資料などをみる目が養われたと感じています。
――ご経歴から世界を広げたいという想いを感じますが、どんな背景があるのでしょうか。
好奇心旺盛さは昔からありましたし、自分で言うのもあれなんですけど、社交性はある方で人見知りをあまりしないんですよ。結構、知らないところにも臆せず飛び込める性格なんですよね。ただ、今まできっかけが無くて、人脈を広げたくても広げられなかったというのがありました。中小企業診断士の資格を持っていると研究会とか、色々飛び込める場所があるじゃないですか。今後はそうした場所にどんどん顔を出していきたいですね。
――資格というと社会保険労務士も取得されていますね。
中小企業診断士の資格を取ろうと思った時に専門性も欲しいなと欲張りました(笑)あまり経営全般の知識ではないんですけども、少し尖った専門知識とか知見を持てるかなと思って、中小企業診断士の受験中に取得しました。
――世界を広げるが阿久津さんのキーワードかと思いますが、今後こういう世界をみたい等はありますか。
やっぱり中小企業診断士らしい仕事、コンサルを本格的にやりたいですね。自分の力で。
H.M 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1992年生まれ。東京都出身。町役場に6年勤務し健康増進啓発、秘書・特命業務、コミュニティバス導入、米軍基地対応や議会運営などに従事。現在は役所業務、まちづくりの経験を基に、自治体との取り組みを希望する企業への支援を行っている。業務や趣味で全国47都道府県に来訪しブログや動画プラットフォームで発信を続けている。2023年に中小企業診断士登録。