【第1回 実績を記録して1,000時間積み上げる】
今回インタビューした則武卓磨さんは、社会人4年目の2022年度試験に合格され、2023年に中小企業診断士として登録予定です。第1回目は、受験を志した経緯、1次試験を突破した勉強方法についてお伺いしました。
「自己研鑽の超延長線上」
――現在のお仕事について教えてください
大学卒業後、システムインテグレーターと呼ばれる企業でシステムエンジニアとして働いています。通称SIer(エスアイアー)と呼ばれ、システム開発に関連するすべての工程を請け負う「システムの何でも屋」で、一気通貫で案件を受け持つのが特徴です。現在はプロジェクトリーダーとして、システム開発業務や業務改善、チームマネジメントに携わっています。
――中小企業診断士を目指したきっかけを教えてください。
社会人になって1年くらい経ち仕事に少し慣れてきたタイミングで、コロナが始まりました。仕事の性質上完全リモートワークが可能なので一人の時間が増えたのですが、時間を有効的に使いたいと思ったのが最初のきっかけです。どうせやるなら、同期と差をつけたいし、本業以外の専門性を高めたいと思い、難易度が高そうな中小企業診断士にチャレンジしてみようと。ビジネスを広く学べるという点で社会人力も磨け、自己研鑽の超延長線上になると思いました。
「一つも知らない」から1年で1次試験合格へ
――資格の学校に行かれていたそうですが、きっかけは何でしたか。
2020年の9月ごろから、資格の学校に通い始めました。社会人になったばかりだというのもありますが、最初に試験の7科目をざっと見てみて「一つも知らないな」と思いました。1次試験は1年で絶対合格したかったので、独学で勉強するのはかなり時間がかかって効率が悪そうだと思い、実績のある大手の学校なら効率的に合格できるかなと思ったのがきっかけです。
――仕事は家でリモート、勉強は学校でリアルだったのですね。どんな感じで勉強されたのですか。
ずっと仕事がリモートだったので、学校がある日は外に出られるので楽しみでした(笑)。まず学校に行くと決めたからには、学校のやり方でやろうと決めました。勉強計画も学校のカリキュラムに沿って進めました。
実績の見える化でメリハリをつける
――学校のやり方を完全に倣ったということですが、何か工夫されたことはありますか。
中小企業診断士は合格するのに勉強時間がだいたい1,000時間かかる、というのを調べていました。そこで数値目標として1,000時間勉強すれば合格できるだろうと思い、実績表を作って勉強時間の見える化をしていました。僕は情報システム科目が免除だったので、6科目の勉強時間を集計できるようにしていました。毎日勉強が終わったらパパっと数値を入れるだけです。これにはあまり時間をかけたくなかったので、各科目の勉強時間の推移と累計が一目でわかるように最初に設計して、あとは毎日数値を入れるだけです。普段はこの実績表で見て偏りがある科目を調整したり、長期休暇の時は計画を立てたりと、メリハリをつけるようにしていました。
――徹底的な見える化の工夫ですね。この実績表をつけて、気づいたことがあれば教えてください。
数値目標と実績が見えると安心できるということと、勉強時間1,000時間について、自分もそれくらいで(勉強の理解が)固まったので、確かに1,000時間ぐらい必要だと実感しました。苦手だった財務は、他の科目の勉強をしている日でも、1日10分でもいいから問題に触れるようにしていました。実績表で見ると10分とか20分という日がたくさんあり、学校の先生の教え通り、「毎日財務」をしっかり守っていた、ということをこの実績表を見直して改めて気づきました(笑)。
宮田 香耶 取材の匠メンバー、中小企業診断士
京都出身、愛知県在住。教育業、建設業、会計事務所勤務など多様な業種の経験がある。約13年の会計事務所でのコンサルタント時代、税務会計だけでなく経営者の様々な悩みに寄り沿ううちに、もっと経営視点で相談相手になりたいと思いMBAを取得。さらに中小企業の経営に役立つ知識の必要性を感じ、中小企業診断士を目指すきっかけとなった。2023年に中小企業診断士登録予定。