【第3回 修行期を乗り越えて、ジャンプする】
過去の記事:第1回、第2回

2次試験は団体戦との教え通り、勉強仲間と支え合いながら、2年目に2次試験を見事合格した則武卓磨さん。2023年3月に5日間の実務補習が終了した直後から、東京への転勤が決まりました。第3回は新天地での仕事の意気込みと、中小企業診断士の活動への期待をお伺いしました。
試験勉強期間は、ジャンプ前の屈伸
――振り返ってみて、試験勉強期間はどんな時間だったと言えますか。
2023年は僕にとってジャンプの年だと思っています。2年間の受験期間は、例えて言うとジャンプ前のしゃがんでいる段階というか、屈伸して力を蓄える時間だったと思います。勉強への忍耐やメンタル面での修行期という感じです。
――2023年は則武さんのジャンプの年なのですね。どんな年にしたいですか。
初めてのことに挑戦する年です。まず東京に転勤して新生活を始める1年目であり、これまでの開発メイン業務から、システム導入後の保守をメインにした新しい業務に携わる1年目であり、そして中小企業診断士として活動する1年目になります。基本的には本業が主軸で、経験と実績を着実に積みながら、システム開発のスペシャリストとして専門性を高めていきたいと考えています。
経営版SIerのような中小企業診断士を目指す
――今後中小企業診断士の資格をどのように活かしたいですか。
中小企業診断士としては、起業への第一歩を踏み出せない人や、起業するにはどうすればいいのかわからない人に対して、起業家の支援のようなものをしていきたいと、今は考えています。実はちょうど知り合いで独立したいという人から相談を受けていて、その方の創業計画書や補助金の申請や収支シミュレーションの作成を手伝っているところです。これらは経験を積ませていただくという意味もあって、やらせていただいています。もともと僕自身は起業する度胸がなかったのですが、自分にはできないことにチャレンジしようとしている知り合いの姿を見て、自分ができないからこそ、(起業の)支援をしたいなと思いました。勝手ながら僕の夢を、という感じです。
――さらにその先の夢はありますか。
直近では、本業で経営視点の話に直結するところはまだありませんが、将来的には本業で培ったITスキルを強みにして、経営のトータルサポートができたらいいなと思います。SIerはシステムの何でも屋で、システムに関することを一気通貫でやる仕事ですが、経営版SIerのようなイメージです。戦略を立案するだけでなく、実際の導入も保守も行えるような中小企業診断士を目指したいと思っています。
自分を信じて
――中小企業診断士を目指す受験生に、メッセージをお願いします。
僕のように予備知識がない方に向けて、になりますが、お手本に従うことが大事かなと思います。中途半端なこだわりは捨てて、信頼できる実績のあるやり方を一つ決めて徹底的に真似る、というのが合格への近道かなと思います。あとは、浮気をしないこと(笑)。このやり方でいくと自分で決めたら、それ以外の教材など他のものには手を出さないのがいいと思います。理由は、試験日が近くなると、新しいテキストとか、手に取りたくなる気持ちはものすごくわかりますが、別の教材に手を出すことで今までできていたやり方がずれていく可能性があるからです。
――自分の軸を決めたら、それを信じて頑張れということですね。
そうですね。このやり方でいくと決めたら、別の新たな考え方を取り入れない。他に浮気したくなる気持ちをぐっとこらえて、今やっていることで十分合格できる、と自分を信じてほしいです。

宮田 香耶 取材の匠メンバー、中小企業診断士
京都出身、愛知県在住。教育業、建設業、会計事務所勤務など多様な業種の経験がある。約13年の会計事務所でのコンサルタント時代、税務会計だけでなく経営者の様々な悩みに寄り沿ううちに、もっと経営視点で相談相手になりたいと思いMBAを取得。さらに中小企業の経営に役立つ知識の必要性を感じ、中小企業診断士を目指すきっかけとなった。2023年に中小企業診断士登録予定。