【古野誠治さんインタビュー】50代からのチャレンジ まだ見ぬセカンドキャリアを求めて

【古野誠治さんインタビュー】50代からのチャレンジ まだ見ぬセカンドキャリアを求めて

【第1回 会社にしがみつかない働き方を考えて】

【古野誠治さんインタビュー】

2021年度に中小企業診断士試験をストレート合格した古野誠治さん。新卒からIT会社に勤められる50代で自身を「典型的な日本人サラリーマン」と話す。謙虚に、ありのままに語られるからこそ、等身大の中小企業診断士を目指したひとりの心理が見えてきます。第1回は、中小企業診断士を目指したきっかけをお伺いしました。

「会社と中小企業診断士の関連はほとんどありませんね」

――現在のお仕事の内容を教えてください。

新卒からインフラ構築、セキュリティ、業務システム設計・開発・導入まで幅広くサービスを提供するIT会社に勤務しています。その中でも自分はサービスの設計・開発やお客様にサービスを提供するSE部門の支援を行う部署の所属です。最近では、幅広い業種で導入実績があり、中小企業診断士協会でも導入済のkintoneというクラウドシステムを活用した業務システムの開発やコスト低減を目的としたサービス改善プロジェクトなどを担当しています。

――業務で中小企業診断士との関連はあったのですか。

中小企業診断士と今の業務の関連はほとんどありませんね。今の会社もサービスは、大企業向けが中心となっています。実際、社内で中小企業診断士取得の話をしてもほとんど反応がなくて、会社から金銭的な報酬が出ることも一切なかったですね。

自分のビジネススキルを確かめたい

―そうなんですね。そうでしたらなぜ中小企業診断士取得を目指されたのでしょうか?

今は直接お客様と接するのではなく、サービスを提供するSE部門のサポートを担当しているので、実際のお客様との距離感が遠いからこそ、近い距離感でビジネスやりたくて中小企業診断士を目指したというのはあるかもしれません。けれども、一番大きな要因は、「自分のビジネススキルを確かめたい」と常日頃から思っていたからだと思います。会社内でも、先輩や上司から「やれ」といわれることが、「社会全体で見て本当に正しいことなのか」とずっと引っかかっていました。それにも関わらず、当時の自分はそれを確認できる手段や知識もなく、悶々としながら従うしかなくて。体系的にビジネススキルを学べる資格を探しているうちに、中小企業診断士という資格に出会いました。中小企業診断士を調べれば調べるほど、自分のビジネススキルを確かめ、学び直すのにぴったりの資格だ!と思いました。

―今後のキャリアを考えての取得でもあったのでしょうか。

そうですね。その頃、自分が会社を定年した後の働き方についてずっと考えていたんです。私はIT会社に勤めているので、情報処理の技術者試験で経営レベルの資格関連は持っていましたが、それでお金が稼げるとは思いませんでした。それと比較し、中小企業診断士の活躍の範囲は広く、様々な分野で年齢問わず活躍されているのを知りました。自分の理想とする「会社にしがみつかない働き方」に近づけると考え、この資格に挑戦したい、自然とそう思っていました。

―いつから中小企業診断士の勉強をされたのでしょうか。

本格的には2020年から勉強を始めました。というのもずっとチャレンジしたいと思い、1回500円で参加できる東京都内の勉強会に少しずつ参加していましたが、本業も忙しく、勉強時間をなかなか確保できませんでした。 その後、2020年からコロナ禍によって会社が在宅勤務になり、自分で学習時間をコントロールしやすくなったため、ここのタイミングで本格的に勉強をスタートさせましたが、最初は一筋縄ではいきませんでした。結局、2020年は勉強の進捗が間に合わず、試験自体を受けることができませんでした。結果、2021年に初受験し、その年にストレート合格することができました。





宮本 弘大

宮本 弘大 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1993年広島県生まれ、東京都在住。立教大学法学部卒業後、系統中央金融機関に入社し、金融機関向けのコンサルティング、商品開発に従事。2021年11月診断士試験登録、東京都中小企業診断士協会城南支部所属。 趣味は、キックボクシング、お酒、お笑い芸人のラジオ。

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