【古野誠治さんインタビュー】50代からのチャレンジ まだ見ぬセカンドキャリアを求めて

【古野誠治さんインタビュー】50代からのチャレンジ まだ見ぬセカンドキャリアを求めて

【第2回 合格したとき「嬉しい」より先にきた「不安」】
過去の記事:第1回

【古野誠治さんインタビュー】

2021年に中小企業診断士試験をストレート合格した古野誠治さん。ストレート合格と聞くと順風満帆に思えますが、その裏では日々、不安との闘いだったそうです。第2回は中小企業診断士試験についてお伺いしました。

苦手科目で「なんでこれが解けるのだっけ?」

―初めての試験でストレート合格はすごいですね。試験勉強はどのようにされたのでしょうか。

私は通信教育で勉強しました。独学でやられたなんて方もいらっしゃいますけど、正直自分にはできないと思って。だから自分が選んだ通信教育を徹底的にやることに集中しました。逆にいえばそれ以外はやっていませんね。

中小企業診断士は勉強範囲が広く、幅広いジャンルの勉強が必要になります。その中でも、苦手科目はありましたか?

1次試験でいうと、経営法務です。暗記だけでは乗りきれず、何回勉強しても何でこれが解けるんだっけといった感じ(笑)。あと、財務・会計のアカウティング部門。仕事柄、簿記とかの分野と全く縁がなく、試験勉強中にも本腰をいれて勉強できる時間も確保できなかったので苦戦しました。試験でこの問題が出ると、どこか適当にマークをつけて次にいくしかないなっていう感じでしたね。2次試験だと、事例Ⅱのマーケティングです。身近なテーマだし、苦手意識は生まれない科目だと思うのですが、SWOT分析でうまく答えを導き出せず、点数も伸びませんでした。

―苦手科目をどのように克服したのでしょうか。

克服できなかったかもしれないですね(笑)。苦手科目は結局本番でも点数が悪かった科目が多いです。やはり振り返って思うのは、試験範囲が広いんですよね。到底全範囲を完璧に仕上げられない。だからこそ割り切って他でカバーすればよいと思っていました。1次試験の財務会計でいうと、ファイナンス部分は簿記の知識関係なくできるところはあるので、その部分で点数を稼ぐことを意識していました。

ずっと感じていた「受かる気がしない…」

―中小企業診断士試験の中でもっともつらかったことは何ですか。

点数が思うようにとれなかったことです。特に2次試験でのタイムマネジメントが難しかった。問題を解くのに時間がかかりすぎて試験時間内に終わらないことも何度もありました。逆に短くしようと早く解くと、最初の工程が甘くなって、キーワードがダダ洩れになり、結果点数がとれない。このループがずっと続く感じで、正直「受かる気がしない…」って思いながら勉強を続けていました。

―この気持ちは多くの受験生が共感されているのではないかと思います。では試験勉強期間中に「これ受かるかも」と変わった瞬間はありましたか。

正直なかったですね。けれども、タイムマネジメントの面でも何度も実際試して、間に合うよう調整しましたね。あと、細かいことですが、メモの取り方とか、ペンの色とかまで自分の行動を固定化することを意識しました。実際、自分のやり方に合うシャープペンシル、消しゴムを見つけるため、何個も買って何回も試しました。

目の前の課題に向き合い、ずっと試行錯誤されていくことが大事だったのですね。では受験後、合格が分かったときのお気持ちはいかがでしたか。

まず、試験が終わった後は「絶対落ちた」と思っていました。全然解けたっていう感覚がなくて、学習した10%ぐらいしか能力を発揮できていないんじゃないかと絶望しました。今まで勉強してきたのは一体何だったんだろうと思っていました。そして試験に合格したことがわかったときは、嬉しさより、驚きや不安が強かったです。特に、試験勉強中には、合格した後どうするかなんてあまり考える余裕がなくて、受かったのはいいけど「これからどうしたらいいかわからない」と新たな問題に頭を悩まされました。





宮本 弘大

宮本 弘大 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1993年広島県生まれ、東京都在住。立教大学法学部卒業後、系統中央金融機関に入社し、金融機関向けのコンサルティング、商品開発に従事。2021年11月診断士試験登録、東京都中小企業診断士協会城南支部所属。趣味は、キックボクシング、お酒、お笑い芸人のラジオ。

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