【第3回 小売業での経験値を活かした企業支援を】
過去の記事:第1回、第2回
3年間の受験勉強を経て、2次試験は見事1回で合格を果たした永田あゆみさん。終始笑顔で、とても楽しそうにお話をされる姿が印象的でした。第3回は、過去のキャリアと現在のつながり、そして、中小企業診断士としてのこれからのお話を伺いました。
心理学も学び、周りを幸せに
――永田さんが様々な部署で業務をされてきた経験は、どのように今に活かされていますか?
自分が希望した異動はあまり無いのですが、過去の経験が今に活かされていないということは全くないです。私は、どんなことも、自分に起こることは人生の中でちゃんと意味があると思っています。様々な部署で勉強させてもらい、百貨店のあらゆることを学べていますし。
あとは、色んな人と仲良くなるのも割と得意になりました。「永田さんが来て、明るくなったよね」とか「雰囲気が良くなったよね」と言われると、とても有難いと思います。現在の部署に異動した後で当時の部長に「永田さんが来てから笑うことが増えたから、健康診断の値が良いよ」と言っていただけました。「じゃあ私、みんなのセロトニン増やしてますね」みたいな(笑)。
――すごいですね。どんなところでも適応して・・
中小企業診断士の活動でも、色んな人に対して笑顔で話しかけ、皆が明るくなれるように接しています。自分がミスした自虐的なことも今ではネタとして話せます(笑)。でも私は、元々あがり症なので、若い頃は新しい部署にいくと必ず神経性胃炎とか十二指腸潰瘍を患っていたんですよ。緊張していて業務に慣れずに、着任一週間ぐらい朝ご飯を食べられないことも実際にありました。自身の将来像に悩み、自己啓発を勉強するうち、行動心理学に興味を持ち心理学を通信大学で学びました。そんな模索していた時期があってこそ、今があると思っています。人間関係や仕事で悩む人の気持ちも、自分もそうだった時期があるから、わかる気がします。
中小企業診断士としてのこれから
――5年後はどうなっていたいですか?
その前に、研究会は何に入っているかとか大丈夫ですか?
――あ、研究会、聴かせていただいてもよろしいですか?
研究会から将来につながっているものもあるので。今は色んな研究会に参加させていただいているんです。フレッシュ診断士研究会は33期で事務局もやらせていただきましたし、企業内診断士ビジネス連携研究会やPMI研究会、商店街研究会、ふらっと研究会にも参加しています。また、東京都中小企業診断士協会中央支部の広報部や、キャリアコンサルタントが主催する有志の勉強会にも出ています。こうした研究会などに参加して、自分の強みを模索しているところなんですが、そこでの縁で色々とお声掛けいただくことも多くなってきました。
――お声掛けいただけるようになってきたんですね。
そうですね。5年後ですが、お声掛けいただく話とのつながりの中で、中小企業診断士の仕事を少しずつ増やしていきたいと考えています。その過程で、ここをメインに取り組んでいきたいという分野が見つかったら、その分野に傾注していきたいです。
――PMIのところはいかがですか?
PMIや事業承継は、最初は実務補習の同期の方からのお声掛けがあり、研究会へ参加することにしました。全く専門外の分野ですが、私は小売りやサービス系に関わる仕事が一番やりやすいだろうと考えた時に、日本の小売業は事業承継の問題は切り離せないんですね。商店街にしろ、小売店にしろ、今後事業承継の悩みが多くなると思っています。そうなると、事業承継と小売業がわかっている人間って強いんだろうなと思って。実は、事業承継講座を受講して、バトンズ認定アドバイザー登録もしています。
――強みの小売業と、事業承継の掛け合わせですか?
そうですね。それだけでは無いですが、幅広い意味で、サービス業の支援が自分の経験値を活かせると考えています。店舗で売上を上げる方法や店舗運営、もしくは店長教育や、カスタマーのクレーム対応なども、すべて実体験が伴っていますので。研修講師か、執筆か、どれかは別としても、やはりそういった領域で企業支援をしていきたいと考えています。
本村 公一 取材の匠メンバー、中小企業診断士
長崎県出身、東京都在住。JICA(国際協力機構)で、日本企業の海外展開支援に携わる企業内診断士。名古屋大学大学院国際開発研究科を修了した後、商社、開発コンサルティング会社に勤務。独立後、東南アジアのラオスでカフェレストランを経営。その後、ラオスやバングラデシュで紆余曲折のあと、現職。東京都中小企業診断士協会城北支部、長崎県中小企業診断士協会所属。