【第2回 6年間の挑戦】
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会社以外のネットワークと経営知識取得のために中小企業診断士を目指した大島さん。第2回は、中小企業診断士試験受験時の工夫についてお話をうかがいました。
6年間、たっぷり勉強しました
――中小企業診断士試験の受験歴を教えてください。
受験歴ですが、トータルで6年間弱かかっています。1次試験は4回受けて、2次試験も4回受験。たっぷり勉強しました(笑)1次試験は3回目でやっと受かりました。そこから2次試験を連続で4回受けて、やっと4回目で合格となりました。
――1次試験の突破にまず3年間と苦戦されたのですね。
そうですね。一番手こずった科目は経営法務です。仕事の中での接点は契約案件などはあったのですが、試験となると別物でした。出題範囲が広く、また取っつきづらいこともあり、なかなか60点を超えませんでした。TACに通っていたので、対策として過去問とTACの問題集をひたすらやりました。ただ頻出分野はある程度決まっているので、最終的にはポイントを絞って勉強をしました。会社法、産業財産権、あと民法が少し、ですかね。
――1次試験の勉強方法や時間の確保で、工夫されたことはありますか?
1次試験の勉強方法は経営法務以外も同様で、TACの教材や過去問を解いていました。しっかり作りこまれていたので、1次試験はこれをやれば大丈夫と感じていました。7科目の勉強時間配分ですが、1回目、2回目の受験では正直うまくいかなかったです。どうしても得意な財務会計や経済学、面白いと思える企業経営理論に時間をかけてしまい、気が乗らない苦手な科目に時間をかけられず(笑)…大反省ですね。
勉強時間の確保については、会社の帰りに喫茶店かTACの自習室に立ち寄り、時間を作っていました。時期によりますが、たとえば仕事が19時に終わったとしたら、21時くらいまでは喫茶店とか自習室で勉強していました。仕事の繁閑がある程度見えやすく、夏場は時間が取りやすかったので、1次試験の直前期は、集中できるような環境でした。
2次試験はやはり過去問分析が大事
――2次試験はどのように勉強していましたか?
2次試験は4年続けて受けましたが、予備校中心でした。1、2年目が予備校で、3年目が独学、合格した4年目も予備校でした。
――予備校のメリットや、工夫したことは何ですか?
メリットは、まず予備校なりの試験ノウハウを得られることです。カリキュラムが試験ノウハウに沿って組まれているので、それに則ることで、実力が上がりやすいということです。次に、解いて添削を受けられることです。添削により、必要な観点がわかります。あとは、授業でディスカッションがあったのですが、これは多くの気づきがありました。数人でひと組になり、解いた問題について議論するという形態です。ディスカッションで気づいた知識不足や失敗の傾向をリスト化し、まとめていました。これを模試や本番の前に見返して、ミス防止に役立てていました。このミスノートは今でも持っています。
――予備校のデメリットはありますか?
私の失敗談でもあるのですが、予備校のカリキュラムに頼りすぎてしまうと、過去問分析がおろそかになるという点です。過去問はやはり深みが違います。予備校が想定した問題だけを解いていると、試験当日に過去問分析不足が出てしまうと思います。予備校通学中、検討中の方は、過去問分析をおろそかにしないでほしいと思います。
――合格した年の2次試験、手応えはどうでしたか?
3回目まではそこそこ手応えがあったのに落ちたので、4年目も慣れというか、またダメじゃないかと思いました。試験後、養成課程の願書を取り寄せたほどでした。そんな状況だったので、合格発表日にWebサイトで番号を見た時は、間違いじゃないかと番号を何度も見てしまいました。

安田 和博 取材の匠メンバー、中小企業診断士
東京都出身、東京都江東区在住。東京都中小企業診断士協会 城東支部所属。早稲田大学第一文学部卒業後、出版専門商社(取次)にて、ネット書店運営から子会社経営管理などを経験。現在は出版関連業界専門金融機関にてコンサルタントとなる。学生時代の書店アルバイトから始まり、本まみれの半生を過ごす。またミュージシャン、パフォーマー、舞台制作という顔も持ち、音楽パフォーマンス団体の広報業務を長く担当、SNS活用に長ける。