【須藤弘幸さんインタビュー】退職を決意し、背水の陣で挑んだ受験:過去問集中とメディア活用で合格

【須藤弘幸さんインタビュー】退職を決意し、背水の陣で挑んだ受験:過去問集中とメディア活用で合格

【第1回 まず独立診断士になると決める】

2022年2月に中小企業診断士資格試験に合格、同年5月に登録、同年8月に独立と、スピード転身された須藤弘幸さんは現在52歳。28年間、株式会社三越(現 株式会社三越伊勢丹)にて、食品部門の販売、バイヤー、マネージャーをメインに、不動産部の営業なども経験されてきました。第1回「まず独立診断士になると決める」では、中小企業診断士資格取得への挑戦を始める前の状況から、これほどのスピードで登録から独立へ歩みを進めた背景に迫ります。

退職へと気持ちを突き動かされた

――中小企業診断士資格を目指したきっかけは何ですか

以前から中小企業診断士という名前は聞いたことはありました。しかし、明確に意識したのは、会社の先輩が2019年の春に中小診断士の資格を取得して、すぐに早期退職された時です。

――須藤さんも、資格を取ってすぐ退職されていますよね。資格を取って退職された先輩を見て、ご自身も転身を図りたくなった、ということでしょうか

退職を決意して早期退職の申請を出したのは、2次試験の合格発表前です(笑)。百貨店の仕事は楽しかったのですが、店舗が次第に閉店していく状況を目の当たりにして、将来に不安を感じるようになっていました。店舗がさらに減っていったら現場育ちの私の役割は何になるのか、モヤモヤしましたし。50代に入って、定年まであと10年間どんな仕事をするのか、ビジョンが描けなかったですし。そんな時に、先輩の資格取得・退職がきっかけで中小企業診断士の資格と仕事内容を知って、セカンドキャリアを築きたくなった、というのはあります。

――では、会社生活に不安を感じた時期と、中小企業診断士の資格を知ったタイミングがちょうど一致したというわけですね

そのとおりです。興味を持ててやる気になるような仕事があれば環境を変えてみたい、とその頃に抱いていた気持ちを刺激された感じですね。

関心から確信へ

――具体的な一歩を踏み出した経緯はどのようなものですか

最初は、興味が湧いて書店で参考書を立ち読みしてみたのです。そうすると7つの科目から体系的に経営のことを学べることが分かって、面白くなってきました。次に、先輩が会社を辞めてまでなる中小企業診断士とはどういうものか、仕事内容にも興味を持ちました。調べてみると大いに需要がありそうでした。そして、多くの取引先とコミュニケーションを取りながら売上向上策や販売促進策を実施してきた自分にもマッチするのではないか、やっていかれるのではないか、と感じ始めたのです。

中小企業診断士は元気なら80歳になっても現役で活躍している人がいるのを知って、さらに自分の希望に合っていると感じました。もともと75歳まで現役で仕事をしたいと思っていたからです。そうして、「自分の進むべき道はこれしかない!」と思い込むようになりました。せっかちな性格なので、思い込んだら早く中小企業診断士になりたくなったのです。そのためには、早く会社を辞めて、養成課程に進むなどして中小企業診断士になることに集中したいと考えました。

将来不安からの脱出がモチベーション

――そういう事情だと、試験勉強には身が入ったでしょうね

会社員としての自分の将来が不安ですし、中小企業診断士になることにすがる想いですよ。モチベーションは高かったですね。今、自分は人生の岐路に立っていて人生を変えるチャンスなのだ、と自分に言い聞かせていました。








吉江 裕子

吉江 裕子 取材の匠メンバー、中小企業診断士
神奈川県出身・在住。電機メーカーにて、経営企画、事業企画、商品企画、販促企画と、企画系業務を川上から川下まで経験。特にマーケティングスキルをベースにした調査・分析、方針・コンセプト策定、採算と仕様のバランスを取った利益の出る商品・ラインナップづくりが得意。趣味は海外・国内旅行、お酒とお料理を楽しむこと。2022年に中小企業診断士試験合格。製造業を支援することで日本を元気にしていきたい。

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