【須藤弘幸さんインタビュー】退職を決意し、背水の陣で挑んだ受験:過去問集中とメディア活用で合格

【須藤弘幸さんインタビュー】退職を決意し、背水の陣で挑んだ受験:過去問集中とメディア活用で合格

【第3回 独立を軌道に乗せるため、果敢に活動】
過去の記事:第1回第2回

【須藤弘幸さんインタビュー】

合格発表の前に早期退職を決めた須藤さん。合格直後から数多くの活動に参加しながら積極的に委員等にも手をあげられているので、アウトプットのクオリティをどう保っているのかに関心が湧きました。第3回「独立を軌道に乗せるため、果敢に活動」では、一日でも早く独立診断士としてスタートダッシュするためにどのように奮闘されてきたか、これから何を目指していこうとされているか、取り組みとビジョンを伺います。

崖っぷちから一転、合格がもたらした変化

――仕事はどのように変わりましたか

会社は2022年2月に辞めて、しばらくはハローワークに通いました。2022年8月~2023年3月の間、公益財団法人東京都中小企業振興公社の非常勤職員になって経営革新計画の受付業務を担当していました。2023年4月からは、公益財団法人神奈川産業振興センターでプロ人材活用の担当に就いています。中小企業が必要としているスペシャリスト人材の条件をヒアリングして、人材紹介会社につなぐ仕事です。他には、補助金申請支援の仕事と、最近は、病院の管理職研修の講師などをやらせていただいています。

――ご家庭の変化は

試験勉強中、仕事の日は早く会社に行って始業前の時間やお昼休みを活用し、お休みの日は1日7~8時間くらい籠っていました。勉強場所は自宅で、集中したいときは図書館です。なので、家族は不満そうでしたね。子供はまだ小さくて小学校低学年なのになかなか遊んでやれなくて、申し訳ないとは思っていました。合格後は、こうして忙しく活動しているので安心しているようです。

精力的に種まき

――多くの研究会やセミナーに参加されているようですが、スキルアップの取り組みとしてはどのようなことをされていますか

今手掛けている病院の管理職研修の仕事は、組織コンサルの研修を受講して、そのつながりでいただいたものです。他には、事業承継士の講座受講と資格取得、プロ講師養成講座、それと「取材の学校」ですね。1年目はすぐに仕事をいただける状況ではないので、自分の興味がある講座は時間の許す限り受講しました。その分費用もかかりましたが、自分への投資だと思っていました。

この1年で見えてきた、進みたい方向

――中長期的なビジョンはどのように考えていますか

先ほどお話しした病院の管理職研修で伝えているのは、立ち居振る舞いから人の動かし方などです。やってみると改善点もいろいろ見えてきて、内容を練り直しながら進めているところですが、どんどん興味が深まりつつあります。百貨店でリーダーを務めていた頃には苦労も成功体験もたくさんありました。その経験を生かした話をしていきたいです。

組織活性化のコンサルティングが自分に合っているみたいなので、その方面でやっていきたいと考えています。今まで積み上げてきた経験を役立てて支援することで経営者に喜ばれるということが、中小企業診断士の醍醐味だと思いますので。今回、須藤さんへのインタビューを通して、短期間で合格をつかみ、経験を積む具体的なアプローチをご紹介しました。

これから須藤さんが取り組もうとされている組織活性化の仕事は、言うまでもなく依頼主と中小企業診断士との間の信頼関係が必須です。経営者に寄り添い、不誠実な対応や過度な承認欲求とも受け取られる態度は好ましくありません。須藤さんは既に実務に取り組まれ、中小企業診断士としてのあるべき姿を体現している様子がうかがえます。今後のご活躍に期待します。






吉江 裕子

吉江 裕子 取材の匠メンバー、中小企業診断士
神奈川県出身・在住。電機メーカーにて、経営企画、事業企画、商品企画、販促企画と、企画系業務を川上から川下まで経験。特にマーケティングスキルをベースにした調査・分析、方針・コンセプト策定、採算と仕様のバランスを取った利益の出る商品・ラインナップづくりが得意。趣味は海外・国内旅行、お酒とお料理を楽しむこと。2022年に中小企業診断士試験合格。製造業を支援することで日本を元気にしていきたい。

拓け!中小企業診断士の扉~受験奮闘編~カテゴリの最新記事