【第2回 2次試験合格のために動いたこと】
過去の記事:第1回
独立へ向け、長く勤めた出版業界から新たな分野へ挑戦をする安田和博さん。第2回目は、安田さんの試験突破法をうかがいしました。
2年目の模索
――2次試験の勉強法は試行錯誤したのでしょうか。
2年目にわかったことですが、いろいろな方向性で答案を書いても2次試験は受かるのではと思いました。そこが1年目にわからなかったことです。予備校が出している模範解答も、どれでもある程度は合格点を狙えていたのではないかと思いました。
――2年目は、1次試験は受かっているので2次試験に集中できる状況であったと思いますが、どのように勉強しましたか。
独学でチャレンジをしました。過去問をひたすら解いていくということをやっていました。直前に根詰めてやるような方向で考えていました。仕事の大きなプロジェクトが5月のゴールデンウィークに予定されていましたので。それが落ち着くまではあまり勉強時間も取れないと思っていました。
――過去問は何年分やりましたか。
7~8年分やりました。また、そのプロジェクトが後ろに伸びてしまい、10月までになってしまいました。結局、勉強時間も作れない時期が続き、解法も身につかないまま、試験を迎えてしまいました。
――2回目の1次試験も、初回と同じように勉強をしたのですか。
問題演習を中心にやりました。わからないところは講義を聞き直しました。
――以前4カ月で受かった実績があったので、自信はあったのではないでしょうか。
短時間で詰め込んだものは短時間で忘れます。初年度は知らないことを知れるので楽しかったです。自分がやってきたこと、これからやるであろうことにつながる知識が入るからです。ただ3年目では忘れてしまった事実に直面し、辛かったです。
見えてきた2次試験対策、念願の合格
――最後の2次試験の勉強のやり方はどうしましたか。
3年目に大きく違ったのが、X(旧Twitter)をやっていたことです。SNSで受験生仲間とつながっていたり、勉強会などにも何回か顔を出していました。そこで情報交換などをしていました。
――勉強会はどのようなものでしょうか。
ゆるい感じで、同じ場所に集まり個々に勉強し、一緒の時間に休憩などをしました。仲間作りや交流をするためにやっていました。
――今までは一人でやっていましたが、勉強に対する気持ちなどは変わりましたか。
人から刺激を受けることが多くなりました。過去問を解いて、「ふぞろいな合格答案(同友館)」で採点したものなどをX(旧Twitter)にアップしている人もいました。自分よりしっかりと書けている人の解答を見て、ショックを受けた時期もあります。他の人の考えや解答を見るのはすごく大事だと思いました。また負けてられるかという刺激も受けました。
――今までと変ったのですね。2次試験当日はどのような気持ちでしたか。
100%落ちると思っていました。試験の日に体調を崩していたので、各試験、まるまる80分受けていなかったです。途中退室や早退をしている科目もありました。体調が悪く、自分が何を書いているかわからなかったです。与件文も頭に入ってこない状況でした。終わった後、涙が出るような思いでした。
――せっかく頑張ってきたのに、辛かったですね。その分、受かったときは、すごく嬉しかったのではないでしょうか。
本当に信じられなかったです。
――当日は体調不良の中でも、試験中は諦めていなかったでしょうか。
答案を書くだけは書こうと思いました。途中で最後まで受けずに帰ろうかと思いました。落ちたと思ったので。ただ、受けるだけ受ければ、来年につながると思って受けました。最後まで受けてよかったです。
吉原 正剛 取材の匠メンバー、中小企業診断士
埼玉県出身。早稲田大学商学部卒業。エンタメが好きで、映画関連会社勤務、キャラクタービジネスに携わる。2023年、中小企業診断士登録。映像、音楽、イラスト、書籍など、どんな世の中にあっても「心の栄養」をチャージしてくれる企業を応援したい。