独立へ向け、長く勤めた出版業界から新たな分野へ挑戦をする安田和博さん。第3回目は、念願の合格後の活動と、独立へ向けての想いをうかがいました。
合格で見える景色
――診断士試験に受かった後の活動ですが、受験生支援の活動に参加したのですね。
色々なところに顔を出しました。受験生支援団体の「タキプロ」に参加して、2022年度の事務局長も務めていました。また準会員というかたちで診断士協会に入会して、支部のマスターコースにも参加しました。いくつかの研究会にも顔を出しました。
――受かって積極的に動いた理由は、何ですか。
中小企業診断士は人とのつながりが大事といわれているからです。また元々、色々な人とつながりを持つのが好きでもありました。
――受験生支援の活動はどうでしたか。
受験生時代に主にX(旧Twitter)などで、合格を1年前にした先輩のアドバイスを受けたことがありました。メンタル面でも大きく助けられました。自分も、後輩にあたるような方々へ助けになるようなことがしたいという気持ちでした。
――社外の方々とのつながりも太くなったかたちでしょうか。
いろいろな活動をしている人がいて、自分にはないバックグラウンドの人や、自分と近い人もいたりして面白いと思いました。その中で今回の転職につながりました。中小企業診断士の名刺をお渡しした方からの紹介です。まさかこんなことになるとは思っていなかったです。
――人生が変わったようなかたちですね。
広がる独立のビジョン
――今はこれまでとは違う業界ですが、いかがでしょうか。
診断士試験を通じて学んだことは役に立っています。知識として得たものを、実際に経験していくかたちです。質問されることも、学んできたことで答えられたりします。中小企業診断士になってからの方が勉強することも多いです。
――現在、独立は具体的にいつぐらいから考えていますでしょうか。
金融機関に入り、やりたいことができるのであれば、継続するのもよいと思っています。独立するのであれば、任せられる後任の方が育つぐらい、例えば5年後ぐらいではと考えています。
――独立後のイメージなどありますでしょうか。
元々は自分の経験や好きなことを生かすことを考えていました。1つは、楽器や舞台をやっていたのでエンターテインメント業界の診断ができる中小企業診断士。2つ目は、出版業界にいたので、出版社、書店向けのコンサルタント。その他、経験があるわけではないですが、飲食です。今は事業承継などもやっており、独立した時のビジョンもまた変わってくるのではと思っています。
――柔軟に考えているということですね。エンターテインメントに関することで動いていることはありますか。
中小企業診断士としては、まだそんなに動いてはいないです。舞台製作や音楽パフォーマーなどの経験は役に立つのではと思っています。エンターテインメント業界はコロナ禍でものすごく打撃を受けました。飲食業も同様です。そういった中で、受験勉強し、コロナ禍で中小企業診断士になったので、打撃を受けた業界の役に立ちたいという気持ちがあります。
――最後に中小企業診断士を目指している方々へのメッセージはありますでしょうか。
中小企業診断士になると面白いと思います。自分の見ている世界が広がるし、知的欲求が満たされます。新しく勉強することは増えますが、やりたいことが広がります。また、中小企業診断士の仲間は前向きな人が多く、否定しないで、どうすればできるかを考える魅力的な人が多いです。中小企業診断士になることで、私の人生は変わったと思います。周りの同期を見ても、人生が変わっている人も多いです。ぜひ仲間になっていただきたいです。
吉原 正剛 取材の匠メンバー、中小企業診断士
埼玉県出身。早稲田大学商学部卒業。エンタメが好きで、映画関連会社勤務、キャラクタービジネスに携わる。2023年、中小企業診断士登録。映像、音楽、イラスト、書籍など、どんな世の中にあっても「心の栄養」をチャージしてくれる企業を応援したい。