【井部雅章さんインタビュー】自分と向き合い積み重ねた努力は決して嘘をつかない

【井部雅章さんインタビュー】自分と向き合い積み重ねた努力は決して嘘をつかない

【第1回 中小企業診断士への挑戦】

【井部雅章さんインタビュー】

中小企業診断士で現在はIT企業にお勤めの井部雅章さん。自分自身の価値を高め、人生の可能性を広げるために挑んだ中小企業診断士。見事合格に至るまでの秘訣を3回のシリーズでお届け。 第1回目は現在のお仕事や、診断士資格を目指したきっかけに迫る。

エンジニアから営業に挑戦したキャリア

井部さんは現在IT企業に勤める。入社後の7年間はサーバーサイドのシステムエンジニアとしてプログラム開発に従事。試行錯誤しながら開発を行い、クライアントの期待に応える充実した日々を送っていた。一方で、システムエンジニアは職業柄、社内で接する人や対応するクライアントが同じ業種の人で、見ている世界がやや限定的になる感覚も持っていた。日々の業務において、 「今以上に視野を広げて仕事がしたい。システム開発に至った背景やクライアントの期待などを理解したい」という思いから、営業という新たな世界に挑戦することに。営業に異動してからは政府系や国立大学の研究所等、公共系のクライアントを相手に、ソリューション提案活動や入札後の社内調整などに従事。公共系のクライアントからの受注は入札形式になることが多く、自社の強みを訴求しながら案件を獲得していく。「なぜこういった契約形態なのか」、「クライアントは何を求めているのか、それがなぜ必要なのか」など、システムエンジニアの時にはわからなかった背景や全体感が掴めるようになり、仕事のやりがいや充実感も増したという。

自分の付加価値を高めるために中小企業診断士を目指す

営業に異動後は視野も広がり、充実感を得ていた一方で、一つの疑問が生まれ始めていた。クライアントは、最終的には自社の「商品」や「サービス」に価値を見出している。では、「自分個人としてはどんな付加価値を提供できているのか」「自分の代わりなどいくらでもいるのでは」と。この難しい問いに対し、悶々と悩む日々が続く。自分の付加価値を高めるために何をすべきか、ネットや書籍を通じて様々な情報を調べはじめた。そしてたどり着いたのが経営コンサルタントとしての国家資格である中小企業診断士だった。中小企業診断士は、ビジネス領域の知識を体系的に学ぶことができるため、クライアントに対し、より経営的な視点や、他社との比較など広い視野の中でアドバイスができる。個人としても、コンサルタントの専門人材として価値を高めることができる。こうして井部さんの新たな挑戦がスタートした。

仕事と両立しながらわずか1年半で合格を勝ち取る

仕事をしながらの資格勉強となるため、「ある程度勉強のリズムが作れた方がよい」ということと、「蓄積されたノウハウを活用したい」という理由から大手予備校に通うことを選択した。勉強を始めて最初に思ったことは「詰め込む量が多すぎる」。1次試験計7科目の量に圧倒されたという。

結果的には1年目は1次試験で3科目に合格。2年目で、科目合格制度を利用の上、1次試験の残りの4科目に合格(3科目が60点超で1科目が59点となり平均60点超で合格)し、その年に2次試験も合格した。

1次試験の7科目の中でも得意不得意は分かれていた。IT企業勤務ということもあり、ベースの知識があったのは経営情報システムで、苦手意識はなく、少なくとも60点は取れる自信があった。また企業経営理論も理屈がなんとなくわかったため特段の苦手意識はなかったという。また、中小企業経営・中小企業政策以外は大学で学ぶ一般教養や社会人としての経験があり、全くゼロから学ぶという印象はなかった。最後まで点数が伸びなかったのは経営法務と中小企業経営・中小企業政策。暗記が重要な科目には苦戦した。 そんな井部さんはいかにして仕事と勉強を両立し、見事1年半という短い期間で2次試験の合格に至ったのか。次回は1次試験、2次試験それぞれの具体的な勉強方法に迫る。








川久保 理

川久保 理 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1990年神奈川県生まれ、千葉県在住。金融機関に勤務し、法人営業、ストラクチャードファイナンス、企業内人材開発と多様な業務を経験。千葉県中小企業診断士協会に所属。趣味はサッカー、サーフィン、キャンプ。

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