【柴田佑樹さんインタビュー】妻の支えとスキマ時間で掴んだ合格。中小企業診断士資格が広げた総務の可能性

【柴田佑樹さんインタビュー】妻の支えとスキマ時間で掴んだ合格。中小企業診断士資格が広げた総務の可能性

【第1回 総務一筋からの挑戦〜より上流の意思決定を目指して〜】

【柴田佑樹さんインタビュー】

学生時代は理系専攻だったという柴田さんだが、新卒で入社した物流会社で総務部門に配属されて以降、一貫して総務のキャリアを積んでいくことになる。第1回は、総務の魅力と中小企業診断士受験のきっかけについてお話をうかがった。※お名前は仮名です。

理系出身者が総務の面白さに目覚めるまで

柴田さんは学生時代、理系を専攻していた。しかし、新卒で入社した物流会社で配属されたのは、想定外とも言える総務部門であった。株主総会や取締役会の運営、社内規程の管理、内部統制といった、企業経営の基盤を支える業務を担当することになったのだ。理系出身の自身にとって思いもよらない配属だったというが、実際に業務に取り組んでみると、意外な面白さに引き込まれていくことになる。ルールを整備し、運営に関わる中で、組織が円滑に動くための土台を作る仕事にやりがいを見出した柴田さんは、そこで3年間経験を積んだ。その後、より高度な業務に挑戦したいという思いから、規模の大きい食品会社、現在の電力会社へとステップアップを重ねていった。電力会社では約200名が所属する組織の取りまとめ役として、総務部門全体の戦略や人事戦略の立案、予算管理などの役割を担っている。3社にわたって総務一筋でキャリアを築いてきた柴田さんの根底には、常に現状に満足せず、より広い視野で仕事に取り組もうとする向上心があった。

総務のスペシャリストが選んだ「経営を体系的に学ぶ」道

総務部門のプロフェッショナルとして着実にキャリアを積み重ねる一方で、柴田さんはある悩みを抱えていた。それは、総務としてのスキルアップのために取得すべき明確な資格が少ないということだ。ビジネス実務法務検定試験といった法律系の資格を取得したものの、次に何を目指すべきか迷っていた。そんな時、目にとまったのが中小企業診断士資格だった。中小企業診断士の学習領域は多岐にわたる。経営全般について幅広く学ぶことができるというイメージが、総務という企業活動全体を見渡す仕事に非常に近しいと感じ、興味を惹かれたという。企業活動全体を把握するためには、人事や財務、現場のオペレーションといった各機能が、経営全体の中でどのような位置づけにあるのかを理解する必要がある。柴田さんにとって、中小企業診断士の学習は、日々の実務を理論的に裏付け、さらに視座を高める絶好の機会と映った。こうして、2023年の4月、柴田さんの中小企業診断士資格取得への挑戦がスタートする。

単一機能から経営の上流へ、さらなる高みを目指す意思決定

中小企業診断士の学習を進め、実際に資格を取得する過程で、柴田さんの心の中に新たな意欲が芽生えた。それは、総務という単一機能の枠にとどまって仕事をするのではなく、より高い視点からマネジメントを行いたいという強い思いだ。

資格取得後に参加した実務補習やプロボノ(専門性を活かしたボランティア)活動を通じて、マーケティングや財務分析など、普段の総務業務ではタッチしない領域を経験したことも、その思いを加速させた。異なる機能が何のために存在し、経営戦略を達成するためにどう連動すべきなのか。経営者の視点に立って議論を交わす面白さを知った柴田さんは、自らが経営の上流で意思決定に関わるポジションに就きたいと考えるようになった。

そしてその思いを形にするため、柴田さんは6月、4社目となるIT系企業への転職を決断した。次の職場では、総務だけでなく、財務経理とHR以外の管理部門全般をマネジメントする役割を担うことになっている。これまでのキャリアで培った総務の専門性と、中小企業診断士として体系的に学んだ経営知識を融合させ、自らが意思決定の主体となって組織を牽引していく覚悟だ。 資格を取ったことで、人事や財務、オペレーションの話を一つのストーリーに組み込んで語れるようになったと語る柴田さん。総務の枠を超え、経営の上流へと歩みを進める彼の挑戦は、まだ始まったばかりである。








岩橋健一

岩橋健一 取材の匠メンバー、中小企業診断士
和歌山県在住。養成課程を経て、2026年5月、中小企業診断士登録。地方公共団体で、産業振興、地域おこし、生活保護、納税交渉などを経験。現在、きのかわ経営相談所代表として、事業計画の策定から実行支援まで伴走支援を行っている。傾聴を起点に「整理できない課題」を実行できる形に整理することが強み。和歌山県中小企業診断士協会、大阪府中小企業診断士協会に所属。

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