【第2回 通勤電車が勉強部屋!〜妻の全面サポートとスキマ時間活用法〜】
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総務のプロフェッショナルとして経営の上流を目指し、中小企業診断士受験を決意した柴田さん。柴田さんは、2025年度に3回目の受験で見事に中小企業診断士に合格した。連載第2回となる今回は、晴れて3回の挑戦で合格を掴み取るまでの具体的な学習法や、2次試験特有の壁に対する葛藤、そして直前期を支えた家族の温かいサポートについて迫る。※お名前は仮名です。
通勤電車をフル活用した効率的なインプット
柴田さんの平日の学習時間は2時間から3時間である。電力会社で約200名が所属する組織を束ねる多忙な日々の中で、学習時間の多くを占めていたのは通勤電車でのスキマ時間であった。満員電車の中でも学習を進めるため、柴田さんは通信講座「スタディング」のスマートフォンアプリをフル活用した。また、「全知識・全ノウハウ(同友館)」シリーズなどの分厚いテキストも通勤電車に持ち込み、日々の通勤時間を「勉強部屋」に変えていった。インプットと問題演習は通勤時間に行い、休日は2次試験の過去問や計算問題に取り組むというメリハリのある勉強法を確立した柴田さん。学習範囲が多岐にわたる1次試験において、こうしたスキマ時間の徹底活用で得た1次試験の知識は、強固な土台となった。実際に、柴田さんは2023年度と2025年度に1次試験を受験しているが、いずれも1回で突破するという素晴らしい成果を残している。
正解が見えない2次試験の壁と葛藤
時間をかけて知識を詰め込めば手応えを感じられた1次試験に対し、柴田さんは2次試験特有の難しさに直面することになる。「いくら解いてもあまり手応えがなくなってきた時期がありました」と柴田さんは当時を振り返る。休日は「ふぞろいな合格答案(同友館)」などの過去問分析ツールを活用して対策を進めたものの、自分の書いた答案にキーワードが入っているかどうか、あるいは設問の切り分け方ひとつで点数が10点、20点と大きく変わってしまうように思われ苦悩した。明確な正解が1つではない2次試験は、勉強した時間がそのまま成果に直結するとは限らない。努力が点数として見えにくい状況の中で、柴田さんは「勉強した時間に対して、成果が伸びにくくなっている」という焦りと葛藤を抱えながら、ひたすら試行錯誤を繰り返す日々を送っていた。
直前期を支えた妻の全面サポート
正解がわからない2次試験の壁にぶつかりながらも、柴田さんが最後まで諦めずに学習を継続できた裏には、妻の献身的なサポートがあった。柴田さんは当初から、私生活のすべてを犠牲にしてまで、試験勉強に懸けるつもりはなかった。ダラダラと長期間勉強を続けるのではなく、試験の数カ月前から短期集中で取り組むスタイルだった。週末も夫婦で過ごす時間を一定確保し、空いた時間で効率よく学習を進めるなど、肩の力を抜いたスタンスを保っていた。日々の生活と目標達成のバランスを冷静に見極めるメンタリティを持っていたのである。しかし、いよいよ本試験が迫った直前の1、2カ月間は状況が異なった。このもっとも苦しい追い込みの時期、妻は家事のすべてを引き受け、柴田さんが学習に専念できる環境を作ってくれたのだ。「あまり家事などもやらずに、妻が全部巻き取ってくれて本当に助かりました」と感謝を口にする柴田さん。実は、この献身的なサポートの背景には、夫婦間の「お互い様」の精神がある。2年ほど前、妻がキャリアコンサルタントの資格を取得した際には、逆に柴田さんが家事のすべてを引き受けて妻の挑戦を支えたのだという。限られたスキマ時間を極限まで活用する自身の努力と、お互いの挑戦を全力で応援し合う家族の温かい絆。その両輪が見事に噛み合った結果、柴田さんは3回目の挑戦で悲願の合格を掴み取ったのである。

岩橋健一 取材の匠メンバー、中小企業診断士
和歌山県在住。養成課程を経て、2026年5月、中小企業診断士登録。地方公共団体で、産業振興、地域おこし、生活保護、納税交渉などを経験。現在、きのかわ経営相談所代表として、事業計画の策定から実行支援まで伴走支援を行っている。傾聴を起点に「整理できない課題」を実行できる形に整理することが強み。和歌山県中小企業診断士協会、大阪府中小企業診断士協会に所属。
