【堀井雄平さんインタビュー】人との縁がつないだ合格 ~足かけ13年、11回受験の軌跡~

【堀井雄平さんインタビュー】人との縁がつないだ合格 ~足かけ13年、11回受験の軌跡~

【第2回 月100時間。話はそれからだ】
過去の記事:第1回

【堀井雄平さんインタビュー】

2013年の診断士試験初受験から13年。2026年2月の合格発表で、念願の中小企業診断士合格を手にした堀井雄平さん。本連載では、社会人1年目の初受験から、紆余曲折がありながらも、仲間や恩師との出会いを経て、今日に至った軌跡を追う。第2回は、ある人との出会いで診断士試験への向き合い方が大きく変わった、合格に近づくターニングポイントを詳述する。

予備校通学の再開

人生には何があるか、わからないものだ。

2020年にひょんなことから臨時収入を得た堀井さんは、もう一度予備校へ通うことを決意する。

再度叩いた資格の学校TAC(以下、TAC)の扉の先で、2018年当時の担当講師に再会し、「以前、ここで受講していたよね」と声をかけられた。

「上手くいってなくても戻ってきて良かったのかと救われる気持ちでした」と語った堀井さん。

結果にとらわれず、講義を受けに行く覚悟がついた。

「まどか先生」の(げき)

ふとした偶然が人生の転機になる、というのは一度では終わらない。

2022年3月に堀井さんはTACの津田まどか先生(以下、まどか先生)に出会う。

堀井さんが参加したTACの懇親会にいた、まどか先生が一言。

「合格できない多くの人は、勉強時間が不足している。月100時間は勉強しないと1次試験すら通過は難しいよ」

「…それだ」

それまでの堀井さんは、「中小企業診断士の1次試験と簿記3級を同じレベル感でとらえていた節があった」と語る。1か月くらい本気でやれば受かるのではないか…と。

堀井さんの意識が変わった瞬間だった。

その後の勉強時間は、まどか先生と出会う前の月30時間だった頃と比べればまさに天と地の差。懇親会の翌月から、月140時間、180時間、150時間…と、平均150時間勉強した。

「本気で取り組み始めると、100時間でも足りないと思いました」と真剣な表情。

仕事の忙しさこそ変わったわけではなかったが、

早朝、通勤時間、昼休み、終電で帰宅後など、あらゆる時間を勉強に充てた。

当時を振り返り、「気合と根性でした」とはにかんだ。

そしてついに、2022年8月、残る1次試験4科目を突破し、2次試験への挑戦権を手に入れる。

初めての2次試験は、勉強時間こそ確保したものの、過去問対策に時間をさけず不合格。

挑戦は続く。だが、燻ぶっていたあの頃の堀井さんはもういない。

勉強会と2次試験の楽しさ発見

TACのクラスメイトとは継続して勉強会を実施していた。

「自分の頑張りを見てもらい、仲間が頑張っている姿を見ていると、やる気が出るんです」

仲間と苦楽をともにするのは、堀井さんに合っていた。

仲間の話をする堀井さんの目はずっと柔らかい。

勉強会では2次試験の事例集冊子を自作したという衝撃的な診断士受験生との出会いもあった。

「これだけ本気で勉強している人がいる試験なのか」と、また1つ、意識が変わった。

2次試験対策を進めていく中、堀井さんの気持ちも変化していく。

「おもしろい…!」

2次試験の形式はとにかく相性が良く、苦手だった1次試験対策の時とは打って変わって、授業や勉強会に行く足取りも軽かった。

2010年代に苦労した仕事のストレスも、いつの間にか勉強で発散することができるようになっていたようだ。

2度目の挫折。折れない心

そして来る2023年10月。2次試験、2度目の挑戦。

仕事の繁忙期が重なった。試験まであと1週間にもかかわらず、残業が続き勉強時間を確保できない。焦りの中迎えた当日。結果は…不合格。

「ただただ悲しかったです」

頑張ってもどうにもならない無力感が,堀井さんを襲った。

しかし、2次試験には手ごたえも感じている。

「まだ折れてない」と自らを奮い立たせ、翌年に向けてもう一度机に向かった。

2024年8月。

科目合格期限の切れた1次試験3科目を受験した。

1科目が不合格となり、2次試験の挑戦権が途絶える。

2次試験を受ける勉強仲間は多い。

1次試験を突破できない自分に対して、歯がゆさを禁じ得なかった。

それでも、再会した予備校の先生が覚えていてくれたあの時の思い、予備校仲間が再チャレンジする姿も脳裏に浮かんだ。

「不格好でも受け続けて、結果を出さなければ」と1年先を見据え、仲間たちとの2次試験勉強を継続した。

中小企業診断士に対する堀井さんの熱は、確実に上昇している。








岡 夏輝

岡 夏輝 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1997年生まれ、東京都出身・在住。早稲田大学文化構想学部卒業後、大手日系コンサルティングファームの戦略部門を経て、総合コンサルティングファームの戦略部門に転職。ビジョン策定や中計策定、新規事業立案のアドバイザリーなどに従事。現在は同グループの経営企画部門に転籍し、自社が実施するM&A案件のPMIフェーズのPMOや子会社管理全般を担当。マイブームは言語化とセンスの勉強。2025年度中小企業診断士登録。