【田淵秀樹さんインタビュー】 今こそ海外にチャンスあり!~国際派診断士のあくなき挑戦~

【田淵秀樹さんインタビュー】 今こそ海外にチャンスあり!~国際派診断士のあくなき挑戦~

【第1回 躍動の場はアジアを越えてアフリカ大陸へ】

【田淵秀樹さんインタビュー】

2013年に中小企業診断士を取得。2014年、転職を機に海外支援業務へ踏み出した田淵秀樹さん。これまで支援した地域はアジアから、遠くアフリカ大陸に至る。第1回では、現在の海外支援業務の内容についてお聞きしました。

支援先がアフリカ大会で上位2社に選出 TICAD7(アフリカ開発会議)に招待される

――取り組んだ支援先で最近快挙があったそうですね。

支援したタンザニアの企業が、タンザニア国内のカイゼン活動の成果発表会で優勝し、アフリカ大会に進出しました。そこでも上位2社に選出され、8月に横浜で開催されたTICAD7(アフリカ開発会議)にアフリカ代表として招待されました。指導した内容を先方がきちんと理解し、取り組んでくれた成功例です。「やった」という感じで、本当に嬉しいですね。

現地『カイゼントレーナー』の育成に奮闘

――現在の海外支援活動は2014年から開始されたそうですね。活動の内容を詳しく教えて下さい。

生産性・品質向上を目的としたカイゼン手法を、自分たちで実施出来るように『カイゼントレーナー』を育成する支援活動を行っています。ですので、直接企業に対して指導するのではなく、現地の政府職員や技術学校の先生などに対しカイゼン手法を指導することで、彼らを通じて企業を支援する活動になります。カイゼンはもともと日本の自動車業界で始まったQCC(クオリティー・コントロール・サークル)を踏襲しています。カイゼントレーナーの育成では、問題解決に向けた一連のプロセス(テーマ決め→現状分析→原因究明→対策立案→実行)を、パッケージとして教えています。カイゼン手法自体は汎用性があり、製造業であれば業種を特定することなく幅広く活用が可能です。これまで5年間に支援活動を行った国は、バングラディッシュ、カンボジア、モンゴル、エチオピア、ナイジェリア、アフリカユニオン(AU)、タンザニアにわたります。最近は特にアフリカ各国で、カイゼンが盛り上がっており、そちらがメインになってきていますね。

1年のうち約9カ月が海外での業務

――海外業務の割合について教えて頂けますか。

現在は海外の案件を2件ずつ入れており、ほとんど海外がメインです。割合で言うと99対1くらいですね。むしろ半年以上海外で仕事をしていると、日本でお客さんを獲得し掴んでおくことが難しい。だから思い切って、海外の仕事の割合を増やすようにしています。帰国中は、スケジュールが合えば一日で完結するようなスポットの仕事をしています。

――海外支援業務の案件はどのように受注していますか。

株式会社日本開発サービス(JDS)の社員として現在活動しています。海外支援業務の案件自体は発注者である独立行政法人国際協力機構(以下JICA)が公募にかけ、各案件の専門家である社員が案件ごとにプロポーザルを作成し、会社を通じて提案します。その中で最も案件の目的に沿った提案が出来れば受注獲得へと繋がります。

神屋 裕司 取材の匠メンバー、中小企業診断士

大阪府出身。大学卒業後、中小の水産加工会社に入社。中国の山東省、遼寧省に約3年駐在し、現場の品質管理等に従事。その後趣味である釣り関連のメーカーに転職するものの、理想と現実のギャップに苛まれ再び食品業界へ。2019年中小企業診断士登録。夢は無人島で釣り三昧の日々を送ること。

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