中小企業の1/3が営業利益マイナス
中小企業白書の調査データによると、中小企業のうち35.3%が営業赤字(営業利益がマイナス)です(2016年度)。
約1/3の中小企業が、業績不振に悩まされていることになります。「平成26年経済センサス-基礎調査」によると、中小企業数は380万9,000社ですので、134万社以上が該当します。
売上高から仕入れなどの売上原価を引いたものが売上総利益。
その売上総利益から、固定費(販売管理費)を引いたものが営業利益です。
営業利益マイナスは「おおごと」
営業利益は、「本業できちんと利益が取れているか」、を確認する大事な数値です。
営業利益がマイナスということは、本業で儲けることができていない、ということです。
1期マイナスで事業継続に黄信号、2期続くようなら今後事業が継続できるかどうか、、、
大企業と違い、もともと資金力の弱い中小企業にとっては、それぐらい「おおごと」なのです。
しかしながら、数字に弱くて財務に関心が薄い社長が経営している中小企業では、赤字慣れして、危機感が薄いケースも散見されます。
営業利益マイナスになったら、まずコストを抜き出す
営業利益のマイナス状態を改善する方法は、企業の置かれた状況により色々あるのですが、今回は「コスト削減」に絞って対策を考えてみたいと思います。
コストとは、主に仕入と販売管理費です。
コストを削減するための最初のステップは、コストの内容を経営者が把握することです。
正しく現状を把握して対策を立てなければ、ピントの外れた改善策になって、効果が期待できません。
現状を把握する方法は、下記のような項目を過去5年間分、決算書から抜き出し数字を並べてみることです。
【抜き出す項目】
① 材料、商品仕入額(仕入先ごと、仕入れ商品ごと)
② 役員報酬
③ 人件費
④ 社会保険料
⑤ 福利厚生費(社内での懇親会、忘年会、社員旅行などの費用)
⑥ 広告宣伝費
⑦ 旅費交通費(社長や社員の出張費)
⑧ 水道光熱費
⑨ 地代家賃
⑩ リース料
⑪ 接待交際費
⑫ 支払手数料
⑬ 修繕費
⑭ 消耗品費
⑮ 支払保険料(どこにどれだけ払ったか)
⑯ 雑費(何百万円単位で多額になっていることが多い、何か)
⑰ 借入金支払利息
⑱ 法人税(赤字なので払えていないはず)
⑲ 外注費
どうでしょう?自分が感じていた額ですか?思ったより無駄がありませんでしたか?
このようにして、まずは現状を把握します。
どのコストをどのように削減するのか
現状が把握できれば、次に何を削減するのか決めていきます。
今までの慣例は改め、ゼロベースで考えていきます。今までのやり方で赤字なのですから、変える必要があるのです。
例えばですが、
【実施する対策】
① 材料、商品仕入額(仕入先ごと、仕入れ商品ごと)
- 発注タイミングを見直し在庫を圧縮
- 商品の売れ筋・死に筋を把握し、商品カテゴリーを絞り込む
- 発注先の見直し、相見積もり
- ネット仕入を開始(Amazonなどを有効活用し、仕入れコストを下げる)
② 役員報酬
- 赤字なので、業績に見合った金額に減額
- 実際はもらえてないのに、高額で据え置いていることがあり、注意
③ 人件費
- 適正人員配置を行う
- 働きに見合った給与体系に見直す
- 業務の見直しによる人員削減
- 退職金等一時的な支出は中小企業退職金共済制度を活用
- 人件費を固定費から変動費化へ(正社員からパートへ入れ替え)
- 有能な人材は失わないように配慮
④ 社会保険料
- 役員報酬と人件費が下がれば、社会保険料会社負担額も低下する
⑤ 福利厚生費(社内での懇親会、忘年会、社員旅行など)
- 社員旅行の中止、懇親会の縮小(業績が回復すれば復活させる)
⑥ 広告宣伝費
- 費用対効果の確認、効果が薄いものは削減
⑦ 旅費交通費(社長や社員の出張費)
- 効果の薄い出張はやめる
- 社員の出張は経営者が判断
⑧ 水道光熱費
- 新電力など相見積もりをとる
⑨ 地代家賃
- 集約化による削減
- 役員への地代支払は金額を見直し
⑩ リース料
- 高額な車両等の安易な新規リース契約は結ばない
⑪ 接待交際費
- 経営者の公私混同をやめる
- 交際費の内容を把握し、費用対効果が薄いものはやめる
⑫ 支払手数料
- 支払手数料はどこへ払っているのか、不要なもの、削減できるものはないか
- 税理士費用は適正か確認する、高額なら税理士の変更を検討する
⑬ 修繕費
- どこに費用が掛かっているのか確認
- 修繕計画を立て、早め早めに対応することで、総額を抑え、事故防止につなげる
⑭ 消耗品費
- 内訳は何か、削減できるものはないか
⑮ 支払保険料(どこにどれだけ払ったか)
- 必要なものか、削減できないか
- 経営者貸付は解約する
- 保険契約の見直し
⑯ 雑費(何百万円単位で多額になっていることが多い、何か)
- 必要なものか、削減できないか
⑰ 借入金支払利息
- 取引金融機関に金利引き下げ交渉は可能か
- 遊休資産を売却し、借入を圧縮することで元金を減らし、支払利息を削減
⑱ 法人税(赤字なので払えていないはず)
⑲ 外注費
- 相見積もり
- 新たな外注先の発掘
- ネットで探す
- 外注先の評価を定期的に行い入れ替えを行う
厳しいですが、赤字状態を脱却するためには、これぐらいの改善策実行が必要です。
上記のようなコスト削減策を立案していくうえで、不採算部門や不採算店舗からの撤退、売れ行きが鈍ったかつての看板商品のリセット、なども候補案として上がってきます。
【参考記事】
コスト削減策を紙に書いて見える化し、予算立てする
改善案を確実に実行するポイントは、紙に書いて見える化することです。
これから、どのコストをどれぐらいに着地させるのか、予算立てし、実績を集計していきます。
予算に対して実績差異がでたなら、原因は何か、予算の立て方が悪かったのか、それとも実行が不完全だったのか、、、
自社で出来れば良いですが、自分で自分を管理し、改善策を実行するのは大変です。
その時は、第三者に手伝ってもらう方法もあります。
当事務所では、営業利益がマイナスになってしまった中小企業の支援実績があります。
営業利益マイナスを改善し、本気になって未来に向けた事業継続を考えている中小企業を、応援しております。そばにいて、叱咤激励して応援します。
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