売れプロ8期ブログ最終回にあたって

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売れプロ8期の柳澤俊夫です。

 

    診断士になって一年が経ちました。右も左もわからない状態から、試行錯誤をしながら、何とか一年間を乗り切ってきました。

最初は、自分がこの世界でどこまでやれるかも検討がつかない中で、いろいろと学んだことをできるだけ忠実に実行するように心がけてきました。とはいえ、インプットは多いものの、アウトプットの機会はそれほど多いわけではなく、知識として自分の頭の中にしか残っていない部分も少なくありません。それでも、少し成長した今の自分が出来ることと、自分が行いたいと思っていることのギャップが分かるようになってきた気がします。

 

    売れプロでは、講演について多くのことを学びました。もともと前職では、専門技術的な国際学会を含む多くの学会での発表講演、統計品質工学(シックスシグマ)をベースにした経営変革の講演、主要顧客のキーパーソン向けの当社主力製品やそれを支える要素技術・設計技術の講演、あるいは多くの管理職に対する経営指針の講演などを経験してきました。2000人の聴衆を前に話をしたことも何回もあります。国際学会での発表とか、国際シンポジウムなどでの討論会などです。サラリーマンとしてはかなりの経験をしてきたつもりでした。しかし、これらは技術・学問の領域で、自分自身が最も得意とする分野でした。

   より広い視点での講演というものを考えてみると、もっと大きな広い世界があり、多様なテーマでの講演、およびそれを聞きたいという多様な要望があることが、この1年の経験で良く分かりました。そもそも、人は何かの目的のために、情報を集める必要があります。他の人が知りたい情報を持っていれば、知りたい人に知識や経験を伝えることが出来ます。知りたい人が多ければ、講演という形で伝えることが出来ます。講演を通じて、多くの人に知識や経験を伝えることで、聴き手に何らかの価値を提供することが出来るわけです。

   診断士であれば、企業が知識不足で困っていること、何か新しい視点を提供することで、新しい視点での情報を伝えることが重要になるでしょう。

   こうなってくると、マーケットインの考え方が重要になると思います。世の中が複雑になればなるほど、セグメンテーションを適切に行ったうえで、あるセグメントの顧客ニーズを的確にとらえ、それに合った伝える内容を明確にして整理した上で、内容をまとめ、分かり易い物語にして講演を行うことが、必要だと感じています。

   技術の世界では、何か新しい種になる技術を開発すると、それをどのように生かして製品に応用し、さらには事業に結び付けるかが重要であることが多いのです。マーケティング用語でいうと、プロダクトアウトに近い考え方です。中心は自分側、技術側にあります。この発想方法はマーケットインの反対で、技術が先、お客様は後になりがちです。それには、理由があります。事業の種となるとなる要素技術は、それほど多くのものが次々に生まれてくるわけではないからです。数少ない種技術を、どの様にして製品にして事業に結び付けていくかは、技術者の根幹となる課題です。ですから、技術者OBが、現役の時の話をすると、多くが、開発苦労話になってしまうのです。

電子表示装置に限ってみても、昔は、ブラウン管がテレビやコンピューターの表示部として使われていました。しかし、大きくて重いという難点があり、持ち運びする用途には使えませんでした。そこで、薄型軽量表示装置として薄型蛍光表示管が考案され、電卓用表示装置として活躍しました。緑色の薄型蛍光管ですね。。年配の人には、懐かしい表示装置です。その後を引き継いだのが赤色プラズマディスプレイで、PCの表示部として活躍しましたが、その後、単純マトリックス液晶表示装置が、プラズマにとってわり、より軽くて、より多くの情報を提供するようになりました。その後、カラーTFT型液晶(TFT=Thin Film Transistor 薄膜トランジスタ―)が出てきて、薄型フルカラー、高輝度の特徴を生かし、多くの製品の表示装置として用いられています。カラーテレビ、PC,スマホは、今やほとんどがカラーTFT液晶です。そして、10年ほど前から、次世代のディスプレイとして有機EL(OLED)が登場しましたが、性能的な限界があることと、製造技術面での作りにくさで製造コストがかさむ弱点があり、カラーテレビやスマホの一部で使われるにとどまっていて、全面的な展開には至っていません。

この半世紀に、ブラウン管の後、蛍光表示管、プラズマ、単純液晶、カラーTFT液晶、有機ELなどが生まれましたが、重要要素技術(動作原理となる技術)はそれぞれ別です。有望な新しい要素技術が誕生すると、それをいかに活用して新表示装置を誕生させるかが、この業界の技術者の最大関心事です。従って、プロダクトアウト的な発想が主流で、マーケットイン的な発想は、技術者よりも営業の仕事という感じでした。

そういう意味でも、いつの間にか身に染みついていたプロダクトアウトの発想から、マーケットインの発想に変える事の重要性を、改めてて教えてもらいました。

 

講演に限らず、コンサルティングでも、顧客の要望をくみ取ることの重要性は同じだと思います。顧客が何に困っているか、どの様な状態になりたいかを適切に聞き取ることを重視していきたいと思います。

 

売れプロ8期のブログは、これで締めになります。8期の皆さんとも、今後、ますます連携を取って、売れプロで勉強したことを大いに活用していきたいと思います。

 

このブログを読んでくださった皆様に、感謝いたします。また、どこかでお会いすることがあるかもしれません。その時は、よろしくお願いいたします。