今日は経済学のH29第21問について解説します。
昨今、WTOを中心とする多国間交渉はうまくいかず、FTAのような比較的少数の国の間の交渉が増加している。
下図は、関税引き下げによって輸入品の価格がP0からP1に下落する場合を描いている。この図に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]
ア 関税引き下げ後、国内の生産者余剰は、引き下げ前より三角形 FGHの分だけ減少する。
イ 関税引き下げ後、消費者余剰は、関税引き下げ幅に輸入量CGを乗じた分だけ増加する。
ウ 関税引き下げによる、国内の生産者から消費者への再分配効果は、四角形P0FGP1である。
エ 関税引き下げによる貿易創造効果は、四角形BCGFの部分である。
余剰分析に関する問題です。
まずは、関税引き下げによって輸入品の価格がP0からP1に下落する場合について確認しましょう。
関税引き下げ前の消費者余剰、生産者余剰、政府余剰、死荷重は自由貿易を行ったときの国際価格をP2とすると、下の図でそれぞれ、消費者余剰は水色、生産者余剰はピンク、政府余剰は緑、死荷重はグレーで表されます。

そして、関税引き下げ後の消費者余剰、生産者余剰、政府余剰、死荷重は自由貿易を行ったときの国際価格をP2とすると、下の図でそれぞれ、消費者余剰は水色、生産者余剰はピンク、政府余剰は緑、死荷重はグレーで表されます。

これを踏まえて、各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アの国内の生産者余剰は、引き下げ前より四角形P0FGP1だけ減少します。よってこの選択肢は×です。
選択肢イの消費者余剰は、四角形P0BCP1だけ増加します。よってこの選択肢は×です。
選択肢ウはその通りで、特に問題はありません。
選択肢エの貿易創造効果とは、関税引き下げによって回復した社会的余剰のことです。そして、それは下の図の赤枠で示した部分です。よってこの選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢ウとなります。
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