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こんにちは。海外ビジネス一筋35年の久保田直善です。第4回目になります。
<「黒字倒産でも踊るサンバ」人生観を学ぶ~ブラジル編 >
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やっぱりブラジルは遠い:
英国人CEOの下で策定した、“農薬事業を5年で3倍にする成長戦略”の実現の任を負って、2003年12月30日、家族で飛び立ちました。ユーヨークまで12時間、サンパウロまでさらに11時間の長旅です。ホテルに到着早々、NHKの衛星放送で紅白歌合戦が始まっていました。
“パパ、なんで紅白歌合戦が朝やってるの?” “それはね、。。。。。。。。。。。。”
“パパ、12月なのになんで暖かくてTシャツでいられるの? ”それはね、。。。。。。。“
その後も子供たちの好奇心は止みません ;
“パパ、なんでマリアナやガブリエラ(日系3世のお友達)は日本語を話さないの?” “それはね、彼女 たちのおじいちゃんやおばあちゃんがね。。。。。。。。。。。“
“パパ、クリスマスはサンタさん日本から来てくれるかな?夏だからどういう格好かなあ? ”きっと、海パンにサーフボードに乗ってきてくれるんじゃないかなあ?“
地球の真裏、時間や季節だけでなく、年中明るい太陽、アマゾン、イグアス瀑布(滝という次元ではありません)といった広大な自然のスケール、通りで明るくあっけらかんと話しかけてくる人々、日本とは別世界です。
“パパ、日本よりもずっといい” ブラジルに魅入るのにそう時間はかかりませんでした。
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チームビルディング:
最初の100日が肝心と言われます。“5年で3倍成長します!そのために各市場でトップ3を目指します!” 南米の同僚たちに東京で作った戦略を説明した時の反応は、“無理でしょ!”でした。その後、高い目標の実現のために、あるべき姿を時間をかけて語り合い、具体的な行動計画を営業やマーケティングだけではなく、管理部門、工場、R&D含めた網羅的なRoad Mapとしてまとめました。空をつかむような話から、足元の現実に落とし込むことで腹落ちし、彼らのモチベーションは高まりました。
仕上げはサンパウロでの合宿。各市場の責任者が意思表明としてRoad Map をプレゼンテーションしました。そして、最終日の午後はチームビルディング゙。ブラジルvsインターナショナル(アルゼンチン、コロンビア、チリ、パラグアイ、ボリビア、エクアドル、米国、フランス、日本)のサッカーです。日本のホテルに卓球台があるように、すこし郊外にでればサッカーグランドはどこにでもあります。同僚の多くは裸足でプレーしていましたが、中年太りのおじさんたちのソフトなボールタッチを見て、さすが南米と感心しました。結果はインターナショナルの勝ち!ブラジルを負かして狂喜です。ビール片手に打ち上げ会。ペレとマラドーナはどちらが上手かの大激論。当然ペレだとエキサイトするブラジル人たちも、やっぱりマラドーナかな~~と本音がぽろり。その一言でOne Teamの完成でした。
私が意識していたのは診断士学習で学んだバーナードの組織の構成要素=共通目標・モチベーション・コミュニケーションです。これは座右の銘として現在も大切にしています。
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黒字倒産の危機に瀕する:
成長市場だったことも幸いして、業績は順調に伸び、2年目には3倍成長の実現が射程内に入ってきました。ところがです。ブラジルはやはり怖い市場でした。中央銀行金利が17%だったことをはっきりと記憶しています。さらに、通貨レアルが急落し、穀物相場が暴落しました。最大顧客層である大豆農家の支払いが滞りました。過去最高売上と利益を記録した一方で、一気に資金繰りが悪化したのです。金策に走っていた財務責任者が、このままでは月曜に債務不履行になると駆け込んできました。経済環境が悪化する中で、全ての取引銀行からの融資がストップされました。万事休す。木曜の夕方でした。東京本社に緊急融資の要請。日曜日に出社し日繰りの資金表を見ながら、“これが黒字倒産か”。子会社でなかったらアウトでした。
3割の人員削減を伴う大掛かりなリストラクチャリングは必然でした。キャッシュフローを最大化することが最善のリスクマネジメント。採算管理の強化や為替リスクのヘッジングなどの財務施策、抜本的なコストの見直しと削減、低利益製品の整理、市場・顧客セグメントを見直したマーケティング戦略の再構築、組織の再編など。目の前の現実に対して、診断士学習の経営知識を総動員しながら、会社再生案の策定と実行をリードしました。
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ネクストステップ:
リストラクチャリングも落ち着き再び成長に転じてきたころ、英国人のCEOが出張にきました。“Kubota san, そろそろネクストステップです。日本に帰国してください。マネージメント・チームに入ってグローバル・マーケテイングの責任者になってもらいます。 ” なんと ! “
それから半年、アマゾンの大河でピラニアを釣り刺身を喰い、アルゼンチン・パタゴニアの大地を馬で駆け、ぺリト・モレノ氷河を歩き、最後は、リオのカーニバルで狂乱。散財するも、時は金なり。名残惜しくも濃厚な3年のブラジル生活を終え、帰国の途につくこととなりました。
<リオのカーニバル~番外編>
ブラジルといえばリオのカーニバル。真夏の夜中、8万人の観客が埋めつくす熱気の競技場を、朝まで6チームがパレードします。200人の打楽器隊の打ち鳴らす大地を揺るがすようなリズム、目を丸くするようなギンギンギラギラでド派手な山車の数々、そして狂おしく情熱的なサンバで観客を魅了するダンサーたち。。。。1チーム500人ではなくて“5,000人が90分をかけて練り続ける”のです。想像をはるかに超える圧巻でした。
リオのカーニバルは単なるお祭りではなく、興行であり、莫大な賞金がかかったコンテストです。この日のために、人々はサンバのダンスや歌の練習、山車や衣装のデザインや作成に1年分の稼ぎとエネルギーの全てを注ぐのだそうです。
知人に言われました。ブラジルの人たちはシンプル、踊り歌い、今日を楽しく生きることを考える。深く苦しみ悩むことは楽しくない。人生観が変わった瞬間でした。
ご拝読ありがとうございました。次回は、「グローバル・リーダーシップとは」経営観を学ぶ~山あり谷あり編 をお伝えしたいと思います。12月18日の予定です。
