【山本祥晴さんインタビュー】30代前半でストレート合格を勝ち取った戦略と、ものづくりへの思い

【山本祥晴さんインタビュー】30代前半でストレート合格を勝ち取った戦略と、ものづくりへの思い

【第2回 着実な準備と戦略が、本番での想定外を跳ね返す】
過去の記事:第1回

【山本祥晴さんインタビュー】

化学メーカーで研究開発の仕事をしている山本祥晴さん。30代前半でストレート合格を果たした背景には、戦略的な教材選びとスケジューリングがあった。第2回は、中小企業診断士試験に向けた学びの「作戦」について深掘りしていく。

ストレート合格でも、準備開始は2年前

2023年度の中小企業診断士試験に合格した山本さん。試験勉強を始めたのは、2021年の12月頃だった。ストレート合格というと短期間で準備を済ませたケースに目が向きがちだが、山本さんはあせらずに実力をつけてから受験する作戦を立てた。試験対策として利用したのは、好きな時間に自分のペースで受講できるオンラインの通信講座。中でも、最大3年間、最新の教材で学び続けることができる「診断士ゼミナール」を選んだ。

実は山本さんは、2022年に結婚という人生の一大イベントを控えていた。そのため、この年は十分な勉強時間が取れないと判断し、早々に診断士試験は受験しないことを決めた。このような可能性もあらかじめ踏まえたうえでの講座選択だった。

遠距離通勤を最大限に活かして実力アップ

山本さんは片道1時間半以上かけて通勤している。この時間を勉強のためにフル活用した。そのための作戦が「特急の指定席」だ。電車が混み合う朝、有料の特急を利用して、座って勉強に集中できる環境を確保した。「その分の費用も、これから回収していかないと」と山本さんは笑いながら振り返る。

1次試験の前は、電車の中で通信講座の講義を見て、問題集を解いた。独学で対策を進めた2次試験は、行き帰りの電車で40分ずつかけて「与件文から情報を引き出すこと」と「解答を書くこと」を繰り返した。通勤の電車を「移動する自習室」と位置づけて学びを続けたのだ。勉強時間の確保は、フルタイムで働きながら中小企業診断士を目指す人が頭を悩ませる最大の課題といっても過言ではない。山本さんの勉強方法は、遠距離通勤者にとって非常に参考になるものではないだろうか。

着実な積み重ねが、本番の「想定外」を跳ね返す

1次試験に向けて、科目ごとに完成度を高めていった山本さん。この方法を選んだのは、「理論系の科目は、1回身につけると大崩れしない」からだ。4月までに、企業経営理論と運営管理、経済学・経済政策と財務・会計をおおむね終わらせた。そしてゴールデンウィーク後に、残る経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策に取り組んだ。

2次試験に向けては、まずYouTubeの関連動画を集中的に見て取り組み方を研究した。その結果、「ふぞろいな合格答案(同友館)」シリーズと過去問を中心に対策を進めることにした。山本さんが重視したのは「与件文からきちんと情報を取り、1次試験で学んだ知識を重ね合わせて、制限時間内に解答を書く」こと。過去問では、与件文からどのような情報を引き出し、それをどう解釈するかというロジックを「ふぞろい」の解答例と徹底比較した。その感覚を、5年分の過去問で磨いていった。

平日は3時間、週末は5時間~10時間ほど勉強していたという山本さん。学びは順調に進んでいるように思えたが、本番は甘くない。1次試験は多少余裕をもって合格できたが、2次試験では一番解きやすいと思っていた事例III「生産/技術」でつまずいた。思っていた出題傾向と違う問題が出たのだ。それでも、合計では自分の実感と近い点数を獲得し、ストレートでの合格を果たした。独学で鍛錬を続けた「与件文から情報を読み取り、ロジックを組み立てる力」が、多少の「想定外」を跳ね返すだけの実力に結びついていたのだろう。








R.I

R.I 取材の匠メンバー、中小企業診断士
情報通信業で企画や管理の仕事に従事。経営について体系的な知識を身につけるため、中小企業診断士を目指すことを決意し、2024 年度試験に合格。受験を通した一番の収穫は「自発的に学び続ける面白さ」を実感できたこと。診断士と農林水産業、英語(通訳案内士にも興味あり)を結びつけていけないか、方向性を探索している。趣味は、程よいペースでのランニング。

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