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みなさま、こんにちは。
売れプロ12期生 木場大器です。
前回、現職のM&Aコンサルティングに関連する「非上場会社の株式算定」というテーマで投稿させていただきました。
今回は前回テーマの補足として「EV/EBITDA倍率」について考えていきたいと思います。
■EV/EBITDA倍率とは
EV/EBITDA倍率とは、ある企業を買収した場合、およそ何年間の本業利益で買収コストを回収できるか測定する指標です。
EV(イーブイ:Enterprise Value)は企業価値を表します。計算式では次の通りです。
● EV=「株式時価総額」+「純有利子負債(=有利子負債-現預金等)」+「少数株主持分」
※マーケットアプローチ(マルチプル法)
中小企業診断士の試験では、企業価値についてインカムアプローチで求める問題が多く、下記計算式を使用する頻度が多かったのを懐かしく思います。
● ゼロ成長モデル
EV=FCF(フリーキャッシュフロー)/WACC(加重平均資本コスト)
● 定率成長モデル
EV=FCF×(1+成長率)/(WACC-成長率)
EBITDAについては、前回投稿よりEBITDA(イービッダー)は企業の収益力を表す指標です。計算式は「EBITDA=正常営業利益+Dep(減価償却費)」。
上記より、EV/EBITDA倍率は以下の算式のようになります。
● EV/EBITDA倍率 = (株式時価総額 + 純有利子負債 + 少数株主持分)/(営業利益 +減価償却費)
例えば、売り手企業の株式時価総額が3億円、有利子負債が2,000万円、現預金等が4,000万円、営業利益が4,000万円、減価償却費が1,000万円だった場合。
EV = 3億円 + 2,000万円 - 4,000万円 = 2億8,000万円
EBITDA = 4,000万円 + 1,000万円 = 5,000万円
EV/EBITDA倍率 = 2億8,000万円 ÷ 5,000万円 = 5.6
となり、この企業を買収した際にかかるコストを回収するのに5.6年かかることがわかります。
■EV/EBITDA倍率の目安について
EV/EBITDA倍率の目安は、前回業種によって異なるが5~7倍とお話させていただきました。厳密には、売り手企業と事業や財務状況が似ている企業を探し、有価証券報告書や会社四季報などを元にEV/EBITDA倍率を計算していくことが一般的な算出方法です。
時間がない場合は、各コンサルティング会社が算出した数字やSPEEDAデータの活用、または日本取引所グループが各月末現在の規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)を掲載しているため、そのデータを活用し算出したりしています。
(参照:https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/04.html)
しかし、これは上場企業のEV/EBITDA倍率を平均した場合に算出されるものであり、多くのケースで売り手企業となる非上場の中小企業にまで当てはまるとはいえません。そのため、非上場会社や中小企業の株価算定の際には、果たして上記数字でいいかは非常に難しい問題です。実際には買手は、買収価格に3年分から5年分の収益を上乗せし、試算するケースが多いこともございます。コロナ禍以降は、VUCA時代であり将来収益は不明とのことで1年とシビアに見る企業もございます。
■まとめ
EV/EBITDA倍率を使用する株価算定(マーケットアプローチ)は、企業の収益力をより正確に算定でき、経年比較ができ、規模の異なる会社間で比較可能というメリットがある。一方で、営業利益などの過去の数値を利用しているため、将来における経営数値を考慮して算定されてないデメリットもあります。
また、IT業種などEV/EBITDA倍率が高い業種もあり、買手側にとってはのれんが発生することもM&A投資への阻害要因になっています。対応策として、IT業種では従業員のスキルマップを作成し、従業員のスキルが企業価値につながっているケースも増えて来ました。
上記背景より、M&Aコンサルティングをするにあたり、より多面的な分析で、買手企業の成長、売手企業のEXIT戦略につながるM&Aのアドバイスをしていくことが今後より必要になります。
診断士だけでなく、弁護士、公認会計士や税理士との士業連携や幅広い業種の方々との接点を持つことも多面的な分析につながる発想をいただけます。幅広い業種や士業も在籍する、売れプロ参加はその点でもいい機会だと改めて感じております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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