読者の皆さん、はいさい(おはようございます+こんにちは+こんばんは)。
タキプロ14期のかものしかと申します。
この記事が公開される令和5年11月10日は2次筆記試験の終了後ですが、沖縄の那覇地区で行われる1次試験(再試験)まであと43日で、那覇地区の1次受験生の方は試験対策真っ只中だと思います。
今回は、那覇地区の1次再試験受験生応援の意味を込めて、「ちばりよ~(頑張れ)受験生!」というタイトルで、1次試験の経営法務の解説について書かせていただきます。
■はじめに
私は、本業での実務では法律について調べることが多く、その際には条文を直接読むことを重視しています。
一方、昨年の中小企業診断士1次試験対策における法律関係の勉強では、短期間で7科目の勉強をしていたせいもあり、基本的には条文を直接読まずにテキストや問題集の解説で済ませていました。恐らくは受験生の皆さんの多くも同じではないかと思っています。
そこで、今回の記事では、令和5年度1次試験の経営法務過去問を対象に、受験生の皆さまに法律の条文に慣れ親しんでもらうことを目的として、関係法令の条文を直接引用した解説を行ってみました。
■Ⅰ.経営法務の全体像
1.科目設置の目的
令和5年度の1次試験案内には科目設置の目的として以下のとおり記載されており、目的は「創業者、中小企業経営者への助言」です。
5.経営法務 (科目設置の目的) 創業者、中小企業経営者に助言を行う際に、企業経営に関係する法律、諸制度、手続等に関する実務的な知識を身につける必要がある。また、さらに専門的な内容に関しては、経営支援において必要に応じて弁護士等の有資格者を活用することが想定されることから、有資格者に橋渡しするための最低限の実務知識を有していることが求められる。このため、企業の経営に関する法務について、以下の内容を中心に基本的な知識を判定する。 |
2.中小企業診断士1次試験で出題される法律の範囲
令和5年度の1次試験案内では、企業経営理論、運営管理、経営法務、中小企業経営・政策の4科目で法律に関する出題の記載があります。
このうち経営法務では、事業開始、会社設立、倒産等、知的財産権、取引関係、企業活動、が主な出題範囲となります。
①企業経営理論
| 労働関連法規 |
労働基準法、労働組合法、労働安全衛生法、 労働保険(労働者災害補償保険法、雇用保険法)、 社会保険(健康保険法、厚生年金保険法)、労働者派遣法、等 |
| プロモーション関係法規 |
不当景品類及び不当表示防止法(景表法) |
②運営管理
| 環境保全に関する法規 |
環境基本法、循環型社会形成推進基本法、 廃棄物処理法、食品リサイクル法、等 |
| 店舗施設に関する法律知識 |
都市計画法、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法、 建築基準法、消防法 |
③経営法務
| 事業開始、会社設立 |
会社法(会社設立、合併等の手続) |
| 倒産等 |
会社更生法、民事再生法、破産法、 会社法(会社の解散、清算、特別清算) |
| 知的財産権 |
特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権 |
| 取引関係 |
民法(契約)、 外国との貿易契約(CIF、FOB、等) |
| 企業活動 |
民法(物権、債権、相続)、 会社法(株式、会社の機関、会社の計算)、金融商品取引法、 独占禁止法、不正競争防止法、製造物責任法、 消費者保護法(消費者契約法、割賦販売法、特定商取引法、景表法) |
④中小企業経営・政策
| 中小企業関連法規 |
中小企業基本法、小規模企業振興基本法、小規模事業者支援法、 地域未来投資促進法、農商工等連携促進法、地域商店街活性化法、 中小企業等協同組合法、中小企業団体の組織に関する法律、 商店街振興組合法、下請代金支払遅延等防止法、 中小企業等経営強化法、中小企業成長促進法、等 |
3.過去問の出題状況による経営法務の区分
上記の1次試験案内での区分とは別に、過去問の出題状況等から、経営法務の出題範囲を以下の6つにグルーピングしてみました。
①知的財産法関係
②会社法関係
③民法関係
④公正取引・消費者保護法関係
⑤国際取引関係
⑥倒産法制関係
■Ⅱ.知的財産法関係
知的財産法の区分には、産業財産権(工業所有権)関係の法律(特許法、実用新案法、意匠法、商標法)、著作権法のほか、経済産業省の知的財産政策室が所管する法律である不正競争防止法も含めています。
また、知的財産権の国際条約(パリ条約、特許協力条約(PCT)、特許法条約(PLT)、マドリッド協定議定書、シンガポール条約)もこの区分に含めます。
※筆者作成
知的財産権の国際条約は、令和5年度は出題されませんでしたが、過去10年間で5回出題されています。
| 令和5年度 |
- |
|
| 令和4年度 |
第13問 |
商標権(パリ条約、マドリッド協定議定書) |
| 令和3年度 |
第14問 |
特許協力条約(PCT) |
| 令和2年度 |
第10問 |
工業所有権(パリ条約) |
| 令和元年度 |
- |
|
| 平成30年度 |
第14問 |
商標権(マドリッド協定議定書) |
| 平成29年度 |
- |
|
| 平成28年度 |
- |
|
| 平成27年度 |
第6問 |
工業所有権(パリ条約) |
| 平成26年度 |
- |
|
令和5年度過去問では、全25問中8問が知的財産法関係の出題でした。
なお、第20問は知的財産法と民法の総合問題でしたが、この記事では知的財産法関係の区分に含めています。
| ①第9問 |
特許法 |
| ②第10問 |
特許法、実用新案法 |
| ③第11問 |
特許法 |
| ④第12問 |
不正競争防止法 |
| ⑤第13問 |
商標法 |
| ⑥第14問 |
特許法 |
| ⑦第15問 |
商標法 |
| ⑧第20問 |
意匠法、商標法、著作権法、民法 |
1.令和5年度経営法務 第9問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
▼イの解説はここをクリック
▼ウの解説はここをクリック
▼エの解説はここをクリック
2.令和5年度経営法務 第10問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
●アが○の理由
・国内優先権とは、日本国内で既に出願した発明(先の出願)がある場合、その発明を改良した発明の出願時期が先の出願の時期として認められることです。
・特許法では、第41条により国内優先権制度が規定されています。
・実用新案法では、第8条により国内優先権制度が規定されています。
特許法第41条(特許出願等に基づく優先権主張)第1項
第四十一条 特許を受けようとする者は、次に掲げる場合を除き、その特許出願に係る発明について、その者が特許又は実用新案登録を受ける権利を有する特許出願又は実用新案登録出願であつて先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができる。ただし、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その特許出願の際に、その承諾を得ている場合に限る。
一 その特許出願が先の出願の日から一年以内にされたものでない場合(その特許出願が故意に先の出願の日から一年以内にされなかつたものでないと認められる場合であつて、かつ、その特許出願が経済産業省令で定める期間内に経済産業省令で定めるところによりされたものである場合を除く。)
二 先の出願が第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願若しくは第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願又は実用新案法第十一条第一項において準用するこの法律第四十四条第一項の規定による実用新案登録出願の分割に係る新たな実用新案登録出願若しくは実用新案法第十条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る実用新案登録出願である場合
三 先の出願が、その特許出願の際に、放棄され、取り下げられ、又は却下されている場合
四 先の出願について、その特許出願の際に、査定又は審決が確定している場合
五 先の出願について、その特許出願の際に、実用新案法第十四条第二項に規定する設定の登録がされている場合
実用新案法第8条(実用新案登録出願等に基づく優先権主張)第1項
第八条 実用新案登録を受けようとする者は、次に掲げる場合を除き、その実用新案登録出願に係る考案について、その者が実用新案登録又は特許を受ける権利を有する実用新案登録出願又は特許出願であつて先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲又は図面(先の出願が特許法第三十六条の二第二項の外国語書面出願である場合にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された考案に基づいて優先権を主張することができる。ただし、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その実用新案登録出願の際に、その承諾を得ている場合に限る。
一 その実用新案登録出願が先の出願の日から一年以内にされたものでない場合(その実用新案登録出願が故意に先の出願の日から一年以内にされなかつたものでないと認められる場合であつて、かつ、その実用新案登録出願が経済産業省令で定める期間内に経済産業省令で定めるところによりされたものである場合を除く。)
二 先の出願が第十一条第一項において準用する特許法第四十四条第一項の規定による実用新案登録出願の分割に係る新たな実用新案登録出願若しくは第十条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る実用新案登録出願又は同法第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、同法第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願若しくは同法第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願である場合
三 先の出願が、その実用新案登録出願の際に、放棄され、取り下げられ、又は却下されている場合
四 先の出願について、その実用新案登録出願の際に、査定又は審決が確定している場合
五 先の出願について、その実用新案登録出願の際に、第十四条第二項に規定する設定の登録がされている場合
▼イの解説はここをクリック
●イが×の理由
・出願公開制度とは、特許が出願されてから1年6カ月経った場合、審査中でも出願が公開される制度です。
・出願公開制度は、特許法(第64条)と商標法(第12条の2)にはありますが、実用新案法と意匠法にはありません。
なお、商標法では、商標登録が出願された時に出願が公開されます。
特許法第64条(出願公開)第1項
第六十四条 特許庁長官は、特許出願の日から一年六月を経過したときは、特許掲載公報の発行をしたものを除き、その特許出願について出願公開をしなければならない。次条第一項に規定する出願公開の請求があつたときも、同様とする。
商標法第12条の2(出願公開)第1項
第十二条の二 特許庁長官は、商標登録出願があつたときは、出願公開をしなければならない。
▼ウの解説はここをクリック
●ウが×の理由
・「不実施の場合の通常実施権の設定の裁定制度」とは、日本国内で特許が実施されていない場合に、行政に対して通常実施権の設定を要求できる制度です。
・特許法では、第83条(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)で規定されています。
・また、実用新案法でも第21条(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)で規定されています。
特許法第83条(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)第1項
第八十三条 特許発明の実施が継続して三年以上日本国内において適当にされていないときは、その特許発明の実施をしようとする者は、特許権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。ただし、その特許発明に係る特許出願の日から四年を経過していないときは、この限りでない。
実用新案法第21条(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)第1項
第二十一条 登録実用新案の実施が継続して三年以上日本国内において適当にされていないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、実用新案権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。ただし、その登録実用新案に係る実用新案登録出願の日から四年を経過していないときは、この限りでない。
▼エの解説はここをクリック
3.令和5年度経営法務 第11問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
▼イの解説はここをクリック
▼ウの解説はここをクリック
▼エの解説はここをクリック
●エが×の理由
・特許法第33条第4項により、特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、仮専用実施権を設定することができません。
特許法第33条(特許を受ける権利)第4項
4 特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、仮専用実施権を設定し、又は他人に仮通常実施権を許諾することができない。
4.令和5年度経営法務 第12問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
▼イの解説はここをクリック
▼ウの解説はここをクリック
▼エの解説はここをクリック
5.令和5年度経営法務 第13問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
▼イの解説はここをクリック
▼ウの解説はここをクリック
▼エの解説はここをクリック
6.令和5年度経営法務 第14問の解説
▼正解はここをクリック
▼Aの解説はここをクリック
▼Bの解説はここをクリック
7.令和5年度経営法務 第15問の解説
▼正解はここをクリック
▼Aの解説はここをクリック
▼Bの解説はここをクリック
8.令和5年度経営法務 第20問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
●アが×の理由
・意匠法第36条および特許法第73条の規定により、意匠権の各共有者は、他の共有者の同意を得なくてもその登録意匠を実施できます。そのため、「その持分に応じて」の部分が不適切です。
意匠法第36条(特許法の準用)
第三十六条 特許法第六十九条第一項及び第二項(特許権の効力が及ばない範囲)、第七十三条(共有)、第七十六条(相続人がない場合の特許権の消滅)、第九十七条第一項(放棄)並びに第九十八条第一項第一号及び第二項(登録の効果)の規定は、意匠権に準用する。
特許法第73条(共有に係る特許権)第2項
2 特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定をした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。
▼イの解説はここをクリック
●イが×の理由
・商標法第35条および特許法第73条の規定により、商標権の各共有者は、他の共有者の同意を得なければその持分を譲渡できない。
商標法第35条(特許法の準用)
第三十五条 特許法第七十三条(共有)、第七十六条(相続人がない場合の特許権の消滅)並びに第九十八条第一項第一号及び第二項(登録の効果)の規定は、商標権に準用する。この場合において、同号中「移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)」とあるのは、「分割、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)」と読み替えるものとする。
特許法第73条(共有に係る特許権)第1項
第七十三条 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又はその持分を目的として質権を設定することができない。
▼ウの解説はここをクリック
▼エの解説はここをクリック
■Ⅲ.会社法関係
会社法関係の区分には、会社法のうち、主に以下の内容を含めています。
| ①会社設立 |
第2編第1章 |
第25条~第103条 |
| ②株式 |
第2編第2章 |
第104条~第235条 |
| ③会社の機関 |
第2編第4章 |
第295条~第430条の3 |
| ④会社の計算 |
第2編第5章 |
第431条~第465条 |
| ⑤事業の譲渡等 |
第2章第7章 |
第467条~第470条 |
| ⑥合併等の手続 |
第5編 |
第743条~第816条の10 |
令和5年度過去問では、全25問中8問が会社法関係の出題でした。
| ①第1問 |
会社の機関(株主総会) |
| ②第2問 |
会社の機関(株主総会) |
| ③第3問 |
会社の機関(取締役会) |
| ④第4問 |
会社の機関(監査役) |
| ⑤第5問設問1 |
会社設立 |
| ⑥第5問設問2 |
会社設立 |
| ⑦第6問設問1 |
合併等の手続、事業の譲渡等 |
| ⑧第6問設問2 |
合併等の手続、事業の譲渡等 |
1.令和5年度経営法務 第1問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
●アが×の理由
・会社法第319条と第320条に、株主総会における決議と報告の省略について規定されています。
・会社法施行規則第72条4項に、株主総会における決議と報告が省略された場合の議事録の内容について規定されています。従って、株主総会の開催を省略した場合でも株主総会議事録の作成は必要です。
会社法第319条(株主総会の決議の省略)第1項
第三百十九条 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。
会社法第320条(株主総会への報告の省略)
第三百二十条 取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。
会社法施行規則第72条(議事録)第4項
4 次の各号に掲げる場合には、株主総会の議事録は、当該各号に定める事項を内容とするものとする。
一 法第三百十九条第一項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた場合 次に掲げる事項
イ 株主総会の決議があったものとみなされた事項の内容
ロ イの事項の提案をした者の氏名又は名称
ハ 株主総会の決議があったものとみなされた日
ニ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
二 法第三百二十条の規定により株主総会への報告があったものとみなされた場合 次に掲げる事項
イ 株主総会への報告があったものとみなされた事項の内容
ロ 株主総会への報告があったものとみなされた日
ハ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
▼イの解説はここをクリック
●イが○の理由
・イの内容は会社法第319条第1項のとおりです。
・また、会社法第319条には、公開会社、非公開会社の区別はありません。
会社法第319条(株主総会の決議の省略)第1項
第三百十九条 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。
▼ウの解説はここをクリック
●ウが×の理由
・会社法第300条に、株主総会の招集手続の省略について規定されています。
・同条ただし書きおよび会社法第298条により、株主総会に出席しない株主が書面または電磁的方法によって議決権行使ができる場合は招集の手続を省略できません。
・同条には、公開会社、非公開会社の区別はありません。
・そのため、公開会社でも、定款に書面または電磁的方法による議決権行使ができる定めがない場合は、株主総会の招集手続を省略可能です。
会社法第300条(招集手続の省略)
第三百条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。
会社法第298条(株主総会の招集の決定)第1項第三号、第四号
第二百九十八条 取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。
三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
▼エの解説はここをクリック
2.令和5年度経営法務 第2問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
▼イの解説はここをクリック
●イが×の理由
・会社法第309条第1項の規定により、株主総会で取締役を解任する決議は、定款に別段の定めがない場合、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行います。
会社法第309条(株主総会の決議)第1項
第三百九条 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
▼ウの解説はここをクリック
●ウが×の理由
・会社法第341条の規定により、株主総会で役員(取締役、監査役)を選任する決議は、定款で定めた場合でも、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主の出席が必要です。
会社法第341条(役員の選任及び解任の株主総会の決議)
第三百四十一条 第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。
▼エの解説はここをクリック
●エが○の理由
・会社法第341条の規定により、株主総会で役員(取締役、監査役)を選任する決議は、定款に別段の定めがない場合、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の過半数をもって行います。
会社法第341条(役員の選任及び解任の株主総会の決議)
第三百四十一条 第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。
3.令和5年度経営法務 第3問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
▼イの解説はここをクリック
▼ウの解説はここをクリック
▼エの解説はここをクリック
●エが×の理由
・会社法第368条の規定により、取締役会の招集通知は、定款で定めることにより、取締役会の日の1週間前までに発する必要はなくなります。その場合、取締役会の日の何日前までという制限は特にありません。
会社法第368条(招集手続)第1項
第三百六十八条 取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければならない。
4.令和5年度経営法務 第4問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
▼イの解説はここをクリック
▼ウの解説はここをクリック
▼エの解説はここをクリック
●エが×の理由
・会社法第385条第1項に、監査役による取締役の行為の差止めについて規定されていますが、差止め請求に際して監査役会の決議は必要ありません。
・また、そもそも、監査役会の設置は任意であり、設置義務があるのは公開会社かつ大会社のみです。
会社法第385条(監査役による取締役の行為の差止め)
第三百八十五条 監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
5.令和5年度経営法務 第5問設問1の解説
▼正解はここをクリック
▼Aの解説はここをクリック
▼Bの解説はここをクリック
6.令和5年度経営法務 第5問設問2の解説
▼正解はここをクリック
▼Cの解説はここをクリック
▼Dの解説はここをクリック
●Dが「発起設立の場合は、発起人の議決権の過半数により、募集設立の場合は、創立総会の決議によって選任することになります」である理由
・発起設立の場合は、会社法第40条の規定により、発起人の議決権の過半数により設立時取締役を選任します。
・募集設立の場合は、会社法第88条の規定により、創立総会の決議により設立時取締役を選任します。
会社法第40条(設立時役員等の選任の方法)第1項
第四十条 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。
会社法第88条(設立時取締役等の選任)
第八十八条 第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
会社法第57条(設立時発行株式を引き受ける者の募集)第1項
第五十七条 発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。
7.令和5年度経営法務 第6問設問1の解説
▼正解はここをクリック
▼Aの解説はここをクリック
●Aが「吸収合併の場合は、X株式会社の債務は当然にY株式会社に承継されますが、事業譲渡の場合には、債権者の承諾を得なければ、X株式会社の債務をY株式会社に承継させて、X株式会社がその債務を逃れるということはできません」である理由
・吸収合併の場合は、X株式会社は消滅します。そのため、会社法第2条第27号の規定により、消滅するX株式会社の債務は合併後存続するY株式会社に承継されます。
・事業譲渡の場合は、X株式会社は消滅せず、会社法上はX株式会社の債務は当然にY株式会社へ承継されません。
会社法第2条(定義)第二十七号
二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。
▼Bの解説はここをクリック
●Bが「吸収合併、事業譲渡のいずれの対価も金銭に限られません」である理由
・吸収合併の存続会社が株式会社の場合、会社法第749条第1項第2号の規定により、吸収合併の対価は金銭に限られていません。
・事業譲渡の場合、会社法には対価について規定されていません。そのため、通常は事業譲渡の対価には金銭が用いられますが、譲受会社の株式を対価とすることも可能です。
会社法第749条(株式会社が存続する吸収合併契約)第1項第二号
第七百四十九条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する会社(以下この編において「吸収合併存続会社」という。)が株式会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
二 吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して株式会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅持分会社」という。)の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項
イ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ハ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ニ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項
ホ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
8.令和5年度経営法務 第6問設問2の解説
▼正解はここをクリック
▼Cの解説はここをクリック
●Cが「吸収合併の場合は、X株式会社は当然に解散しますが、事業譲渡の場合は当然に解散しません」である理由
・ここに出てくる「当然に」とは、法律独特の言い回しであり、「追加の手続なしに必ず」という意味です。
・吸収合併の場合は、会社法第2条第27号の規定により、消滅する会社と存続する会社による合併を意味し、この問題の場合はX株式会社が消滅する会社になります。
・また、会社法第471条第4号により、合併により消滅する会社は(当然に)解散することが規定されています。
・一方、会社法第471条の規定には、解散の事由に「事業譲渡」が含まれていません。そのため、事業譲渡によりX株式会社を解散させたい場合は株主総会の決議等の手続が必要となります。
会社法第2条(定義)第二十七号
二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。
会社法第471条(解散の事由)
第四百七十一条 株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。
一 定款で定めた存続期間の満了
二 定款で定めた解散の事由の発生
三 株主総会の決議
四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)
五 破産手続開始の決定
六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判
▼Dの解説はここをクリック
●Dが「吸収合併の場合は、相手先は会社である必要がありますが、事業譲渡の場合は相手先が会社である必要はありません」である理由
・会社法第2条第27号の規定により、吸収合併は会社と会社との間で行う必要があります。
・一方、事業譲渡については、会社法第24条の規定により、会社と商人との間の事業譲渡も可能です。商人とは商法第4条で定義されており、会社以外の個人や法人も含みます。
会社法第24条(商人との間での事業の譲渡又は譲受け)
第二十四条 会社が商人に対してその事業を譲渡した場合には、当該会社を商法第十六条第一項に規定する譲渡人とみなして、同法第十七条から第十八条の二までの規定を適用する。この場合において、同条第三項中「又は再生手続開始の決定」とあるのは、「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とする。
2 会社が商人の営業を譲り受けた場合には、当該商人を譲渡会社とみなして、前三条の規定を適用する。この場合において、前条第三項中「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とあるのは、「又は再生手続開始の決定」とする。
商法第4条(定義)
第四条 この法律において「商人」とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう。
2 店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者又は鉱業を営む者は、商行為を行うことを業としない者であっても、これを商人とみなす。
■Ⅳ.民法関係
民法関係の区分には、民法のうち、主に契約、物権、債権、相続に関する内容を含めています。
また、相続に関する民法の特例である「経営承継円滑化法」についてもこの区分に含めています。
令和5年度過去問では、全25問中3問が民法関係の出題でした。
| ①第17問設問1 |
相続 |
| ②第17問設問2 |
相続(経営承継円滑化法) |
| ③第21問 |
債権(相殺) |
1.令和5年度経営法務 第17問設問1の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
▼イの解説はここをクリック
●イが×の理由
・寄与分とは、民法第904条の2に規定があり、共同相続人の中で被相続人の財産について特別の寄与をした相続人に対して、共同相続人の協議によりその相続人の相続分を増やした分です。
民法第904条の2(寄与分)第1項
第九百四条の二 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
▼ウの解説はここをクリック
●ウが×の理由
・指定相続分とは、民法第902条に規定があり、遺言により共同相続人の相続分を定めた分です。
・指定相続分により遺留分を侵害された場合は、民法第1046条の規定により遺留分侵害額を請求することができます。
民法第902条(遺言による相続分の指定)第1項
第九百二条 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。
民法第1046条(遺留分侵害額の請求)第1項
第千四十六条 遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。
▼エの解説はここをクリック
2.令和5年度経営法務 第17問設問2の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
▼イの解説はここをクリック
●イが×の理由
・経営承継円滑化法第3条の規定により、後継者が特例を受けるためには、会社の議決権の過半数を保有している必要があります。
経営承継円滑化法第3条(定義)第3項
3 この章において「会社事業後継者」とは、旧代表者から当該特例中小会社の株式等の贈与を受けた者(以下「株式等受贈者」という。)又は当該株式等受贈者から当該株式等を相続により取得した者であって、当該特例中小会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。以下同じ。)又は総社員の議決権の過半数を有し、かつ、当該特例中小会社の代表者であるものをいう。
▼ウの解説はここをクリック
●ウが○の理由
・経営承継円滑化法第8条の規定により、遺留分に関する民法の特例を受けるためには、家庭裁判所の許可が必要です。また、家庭裁判所の許可を得るためには、同法第7条に規定する経済産業大臣の確認が必要となっています。
経営承継円滑化法第7条(経済産業大臣の確認)第1項、第2項
第七条 第四条第一項の規定による合意(前二条の規定による合意をした場合にあっては、同項及び前二条の規定による合意。以下この条において同じ。)をした会社事業後継者は、次の各号のいずれにも該当することについて、
経済産業大臣の確認を受けることができる。
一 当該合意が当該特例中小会社の経営の承継の円滑化を図るためにされたものであること。
二 申請をした者が当該合意をした日において会社事業後継者であったこと。
三 当該合意をした日において、当該会社事業後継者が所有する当該特例中小会社の株式等のうち当該合意の対象とした株式等を除いたものに係る議決権の数が総株主又は総社員の議決権の百分の五十以下の数であったこと。
四 第四条第四項の規定による合意をしていること。
2 第四条第三項の規定による合意(前二条の規定による合意をした場合にあっては、同項及び前二条の規定による合意。以下この条において同じ。)をした個人事業後継者は、次の各号のいずれにも該当することについて、経済産業大臣の確認を受けることができる。
一 当該合意が当該旧個人事業者が営んでいた事業の経営の承継の円滑化を図るためにされたものであること。
二 申請をした者が当該合意をした日において個人事業後継者であったこと。
三 第四条第五項の規定による合意をしていること。
経営承継円滑化法第8条(家庭裁判所の許可)第1項
第八条 第四条第一項又は第三項の規定による合意(第五条又は第六条第二項の規定による合意をした場合にあっては、第四条第一項又は第三項及び第五条又は第六条第二項の規定による合意)は、前条第一項又は第二項の確認を受けた者が当該確認を受けた日から一月以内にした申立てにより、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。
▼エの解説はここをクリック
●エが×の理由
・推定相続人とは、相続人のうち民法の規定により遺留分を有する人全員であり、被相続人の兄弟姉妹(及びこれらの子)以外の相続人のことです。
・経営承継円滑化法第4条の規定(前述のアの解説を参照)により、遺留分に関する民法の特例を受けるためには、推定相続人全員の合意が必要です。
経営承継円滑化法第3条(定義)第6項
6 この章において「推定相続人」とは、相続が開始した場合に相続人となるべき者のうち、被相続人の兄弟姉妹及びこれらの者の子以外のものをいう。
3.令和5年度経営法務 第21問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
●アが×の理由
・債権を相殺する際、相殺しようとする側の債権を「自働債権」、自働債権により相殺される相手方の債権を「受働債権」と呼びます。
・第三債務者とは、債務者に対して債務を負う者を指します。
・アの設問は、債権者=A、債務者=B、第三債務者=Cとすると、AがCの持つ(Bからの)債務を差し押さえた場合に、CがBに対して持っている債権を自働債権として債務と相殺できるかという設問です。
・民法第511条の規定により、差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗できます。
民法第511条(差押えを受けた債権を受働債権とする相殺の禁止)第1項
第五百十一条 差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。
▼イの解説はここをクリック
▼ウの解説はここをクリック
▼エの解説はここをクリック
■Ⅴ.公正取引・消費者保護法関係
公正取引・消費者保護法関係の区分には、公正取引委員会が所管する法律である独占禁止法、消費者庁が所管する法律である消費者契約法、特定商取引法、不当景品類及び不当表示防止法(景表法)、製造物責任法などを含めています。
なお、独占禁止法の補完法である下請代金支払遅延等防止法(下請法)は、中小企業診断士試験では中小企業経営・政策の試験範囲となっていますが、令和元年度には経営法務でも下請法に関する出題の実績があります(令和元年度第7問)。
令和5年度過去問では、全25問中3問が公正取引・消費者保護法関係の出題でした。
| ①第7問 |
独占禁止法 |
| ②第18問 |
製造物責任法 |
| ③第19問 |
景表法 |
1.令和5年度経営法務 第7問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
▼イの解説はここをクリック
●イが×の理由
・独占禁止法第7条の4の規定により、課徴金減免制度の対象は不当な取引制限(カルテルや入札談合)となっています。
一方、不公正な取引方法(優越的地位の濫用行為等)は課徴金減免制度の対象となっていません。
独占禁止法第7条の2第1項《一部抜粋》
第七条の二 事業者が、不当な取引制限又は不当な取引制限に該当する事項を内容とする国際的協定若しくは国際的契約であつて、商品若しくは役務の対価に係るもの又は商品若しくは役務の供給量若しくは購入量、市場占有率若しくは取引の相手方を実質的に制限することによりその対価に影響することとなるものをしたときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、当該事業者に対し、第一号から第三号までに掲げる額の合計額に百分の十を乗じて得た額及び第四号に掲げる額の合算額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし、その額が百万円未満であるときは、その納付を命ずることができない。
独占禁止法第7条の4第1項
第七条の四 公正取引委員会は、第七条の二第一項の規定により課徴金を納付すべき事業者が次の各号のいずれにも該当する者であるときは、同項の規定にかかわらず、当該事業者に対し、課徴金の納付を命じないものとする。
一 公正取引委員会規則で定めるところにより、単独で、当該違反行為をした事業者のうち最初に公正取引委員会に当該違反行為に係る事実の報告及び資料の提出を行つた者(当該事実の報告及び資料の提出が当該違反行為に係る事件についての調査開始日(第四十七条第一項第四号に掲げる処分又は第百二条第一項に規定する処分が最初に行われた日をいう。以下この条において同じ。)(当該処分が行われなかつたときは、当該事業者が当該違反行為について事前通知を受けた日をいう。次号及び次項において同じ。)以後に行われた場合を除く。)
二 当該違反行為に係る事件についての調査開始日以後において、当該違反行為をしていない者
▼ウの解説はここをクリック
▼エの解説はここをクリック
2.令和5年度経営法務 第18問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
●アが×の理由
・製造物責任法第2条および第3条の規定により、輸入事業者も製造業者等として損害賠償責任を負います。
製造物責任法第2条(定義)
第二条 この法律において「製造物」とは、製造又は加工された動産をいう。
2 この法律において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。
3 この法律において「製造業者等」とは、次のいずれかに該当する者をいう。
一 当該製造物を業として製造、加工又は輸入した者(以下単に「製造業者」という。)
二 自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標その他の表示(以下「氏名等の表示」という。)をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者
三 前号に掲げる者のほか、当該製造物の製造、加工、輸入又は販売に係る形態その他の事情からみて、当該製造物にその実質的な製造業者と認めることができる氏名等の表示をした者
製造物責任法第3条(製造物責任)
第三条 製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。
▼イの解説はここをクリック
イが○の理由
・製造物責任法第3条の規定により、製品の欠陥により損害が生じた場合は、被害者は民法第709条に規定する不法行為(故意または過失により生じた損害であること)を証明しなくても製造業者等に損害賠償を請求することができます。
民法第709条(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
製造物責任法第3条(製造物責任)
第三条 製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。
▼ウの解説はここをクリック
●ウが×の理由
・製造物責任法第3条の規定により、製造物の欠陥による損害が当該製造物のみに生じた場合は、損害賠償責任を負いません。
製造物責任法第3条(製造物責任)
第三条 製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。
▼エの解説はここをクリック
●エが×の理由
・製造物責任法第2条の規定により、製造物にその製品の製造業者と誤認させるような氏名等の表示をしただけの物も損害賠償責任を負います。
製造物責任法第2条(定義)第3項第二項
3 この法律において「製造業者等」とは、次のいずれかに該当する者をいう。
二 自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標その他の表示(以下「氏名等の表示」という。)をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者
製造物責任法第3条(製造物責任)
第三条 製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。
3.令和5年度経営法務 第19問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
▼イの解説はここをクリック
●イが○の理由
・景表法第7条第2項の規定により、内閣総理大臣から表示の裏付けとなる資料の提出を求められ、当該資料を提出しなかった場合は、景表法に違反した表示と見なされます。
・景表法第33条の規定により、景表法による権限は内閣総理大臣から消費者庁長官に委任されています。
景表法第7条第2項
2 内閣総理大臣は、前項の規定による命令に関し、事業者がした表示が第五条第一号に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、同項の規定の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。
景表法第33条(権限の委任等)第1項
第三十三条 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。
▼ウの解説はここをクリック
▼エの解説はここをクリック
■Ⅵ.国際取引関係
国際取引関係には、外国との商取引の契約に関連する出題を含めています。
具体的には、英文契約書の読解、国際取引契約に関係する国内法などに関する出題です。
過去10年間の過去問では、毎年国際取引関係が2問出題されており、その形式および内容の概要は以下のとおりです。
| 年度 |
テーマ |
1問目の形式(内容) |
2問目の形式(内容) |
| 令和5年度 |
外国からの輸入契約 |
英文契約書の読解 (準拠法) |
関係する国内法 (裁判と仲裁) |
| 令和4年度 |
外国からの輸入契約 |
英文契約書の読解 (取引の条件) |
関係する国内法 (小売価格の拘束) |
| 令和3年度 |
外国への輸出契約 |
英文契約書の読解 (代金の支払) |
英文契約書の読解 (信用状取引) |
| 令和2年度 |
外国との売買契約 |
英文契約書の読解 (訴訟と賠償) |
英文契約書の読解 (訴訟) |
| 令和元年度 |
外国への輸出契約 |
英文契約書の読解 (危険負担と所有権移転) |
関係する国際規則 (インコタームズ) |
| 平成30年度 |
秘密保持契約 |
英文契約書の読解 (秘密情報の定義) |
英文契約書の読解 (秘密情報の定義) |
| 平成29年度 |
外国への継続的な輸出契約 |
英文契約書の読解 (契約解除条項) |
英文契約書の読解 (契約解除条項) |
| 平成28年度 |
外国への技術ライセンス供与 |
英文契約書の用語穴埋め (税制) |
英文契約書の用語穴埋め (税制) |
| 平成27年度 |
共同研究開発契約 |
英文契約書の読解 (共同研究開発の規定) |
関係する国内法 (共同研究開発の規定) |
| 平成26年度 |
秘密保持条項 |
英文契約書の読解 (秘密保持条項) |
用語の英訳 (秘密保持条項) |
令和5年度過去問では、全25問中2問が国際取引関係の出題でした。
1.令和5年度経営法務 第16問設問1の解説
▼正解はここをクリック
▼Aの解説はここをクリック
▼Bの解説はここをクリック
2.令和5年度経営法務 第16問設問2の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
●アが○の理由
・外国との間での紛争解決に仲裁を用いた場合、当該の外国がニューヨーク条約の加盟国(約160か国)であれば当該外国において仲裁判断の執行が可能です。
外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約(ニューヨーク条約)第3条
第三条 各締約国は、次の諸条に定める条件の下に、仲裁判断を拘束力のあるものとして承認し、かつ、その判断が援用される領域の手続規則に従つて執行するものとする。この条約が適用される仲裁判断の承認又は執行については、内国仲裁判断の承認又は執行について課せられるよりも実質的に厳重な条件又は高額の手数料若しくは課徴金を課してはならない。
▼イの解説はここをクリック
▼ウの解説はここをクリック
●ウが×の理由
・仲裁における合意とは、仲裁法第2条の規定のとおり、紛争の解決を仲裁人に委ねてその判断に服することに対する合意です。
仲裁法第2条(定義)第1項
第二条 この法律において「仲裁合意」とは、既に生じた民事上の紛争又は将来において生ずる一定の法律関係(契約に基づくものであるかどうかを問わない。)に関する民事上の紛争の全部又は一部の解決を一人又は二人以上の仲裁人にゆだね、かつ、その判断(以下「仲裁判断」という。)に服する旨の合意をいう。
▼エの解説はここをクリック
●エが×の理由
・仲裁法第45条の規定により、仲裁判断は確定判決と同一の効力を有しています。
・確定判決は、民事訴訟法第114条の規定により既判力を有しています。既判力とは、その決定に対して蒸し返しを許さない拘束力のことです。そのため、原則として不服申立てはできません。
仲裁法第45条(仲裁判断の承認)第1項
第四十五条 仲裁判断(仲裁地が日本国内にあるかどうかを問わない。以下この章において同じ。)は、確定判決と同一の効力を有する。ただし、当該仲裁判断に基づく民事執行をするには、次条の規定による執行決定がなければならない。
民事訴訟法第114条(既判力の範囲)第1項
第百十四条 確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。
■Ⅶ.倒産法制関係
倒産法制の区分には、破産法、民事再生法、会社更生法、会社法(特別清算)を含めています。
倒産とは、「企業が資金繰りに行き詰まり、弁済する必要がある債務が弁済できなくなったことで、企業活動を継続できなくなった状態」のことです。
倒産に関する法的区分として、会社更生、民事再生、破産、特別清算の4つに区分できます。
| 区分 (関係法令) |
再建 /清算 |
対象 |
主な手続き |
| 会社更生 (会社更生法) |
再建型 |
株式会社のみ |
更生管財人による更生計画の遂行 |
| 民事再生 (民事再生法) |
再建型 |
法人と個人 |
再生債務者による再生計画の遂行 |
| 破産 (破産法) |
清算型 |
法人と個人 |
破産管財人による財産処分 |
| 特別清算 (会社法) |
清算型 |
株式会社のみ |
清算人による財産処分 |
令和5年度過去問では、全25問中1問が倒産法制関係の出題でした。
1.令和5年度経営法務 第8問の解説
▼正解はここをクリック
▼アの解説はここをクリック
●アが○の理由
・継続的給付の義務を負う双務契約とは、例としては、電気や水道、電話・インターネット回線の契約などです。
・民事再生法第50条の規定により、再生債務者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、再生手続開始の申立て前の給付に係る再生債権について弁済が無いことを理由として、再生手続開始後にその義務の履行を拒むことはできません。
民事再生法第50条(継続的給付を目的とする双務契約)第1項
第五十条 再生債務者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、再生手続開始の申立て前の給付に係る再生債権について弁済がないことを理由としては、再生手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。
▼イの解説はここをクリック
▼ウの解説はここをクリック
▼エの解説はここをクリック
●エが×の理由
・民事再生法第51条および破産法第56条の規定により、賃貸借契約については、再生債務者の相手方が賃借権等の権利につき登記・登録等の対抗要件を具備している場合は、再生債務者は契約を解除できません。
民事再生法第51条(双務契約についての破産法の準用)
第五十一条 破産法第五十六条、第五十八条及び第五十九条の規定は、再生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第五十六条第一項中「第五十三条第一項及び第二項」とあるのは「民事再生法第四十九条第一項及び第二項」と、「破産者」とあるのは「再生債務者」と、同条第二項中「財団債権」とあるのは「共益債権」と、同法第五十八条第一項中「破産手続開始」とあるのは「再生手続開始」と、同条第三項において準用する同法第五十四条第一項中「破産債権者」とあるのは「再生債権者」と、同法第五十九条第一項中「破産手続」とあるのは「再生手続」と、同条第二項中「請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し」とあるのは「請求権は」と、「破産債権」とあるのは「再生債権」と読み替えるものとする。
破産法第56条(賃貸借契約等)第1項
第五十六条 第五十三条第一項及び第二項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について破産者の相手方が当該権利につき登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。
■おわりに
最後に、私なりの沖縄応援の曲、AKB48の「#好きなんだ」を紹介します。
この曲のMVは沖縄ロケで、ダンスシーンのロケ地は沖縄本島にある中城城跡(なかぐすくじょうあと)です。
中城城跡は世界遺産(琉球王国のグスク及び関連遺跡群)に指定されており、石垣しか残っていないながら、石垣の保存状況が良好で石垣好きにはたまらないお城です。
「#好きなんだ」のMVでは、三の郭の石垣が見える広場の「馬場」と、海が見える広場の「鍛冶屋跡(カンジャーガマ)」の2カ所でAKB48メンバーのダンスを撮影のうえ、編集で2カ所の映像を交互に入れ替えており、中城城跡の魅力を堪能できるのが素晴らしいです。
馬場 ※筆者撮影
鍛冶屋跡(カンジャーガマ) ※筆者撮影
次回は、ふぃっしゅん さんの登場です。
お楽しみに!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
↓下のボタンを押して、読んだよ! と合図していただけると、とっても嬉しいです。
(診断士関連ブログの人気ランキングサイトが表示されます[クリックしても個人は特定されません])
にほんブログ村
皆様の応援がタキプロの原動力となります。
ぽちっと押して、応援お願いします♪
The post ちばりよ~受験生!R5年度経営法務の解説 byかものしか first appeared on タキプロ | 中小企業診断士試験 | 勉強会 | セミナー.