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みなさんこんにちは。売れプロ12期生の印南(いんなみ)です。
さて、第5回はどうやるの!?事業再生の具体的手法!です。
ここまでの調査でお客様が今後、取り組むべき内容(窮境要因)が分かってきたあなた。
ただ、事業再生はすぐに効果が出るモノではなく、時間がかかります。
また、過去の赤字補填資金等で金融機関等から借入し、これ以上追加融資が望めなくなってから
事業再生に至るケースがほとんどです。
そのため、追加融資以外での金融支援を行わなければ、早期に資金繰りに窮し、最悪は廃業となることも考えられます。
今回は事業再生における金融手法について理解を深めていきたいと思います。
1.目指すべき数値基準
- 3年以内の経常利益黒字化
- 5年以内の実質債務超過の解消
- 再生計画終了時の有利子負債対CF比率が10倍以下
これは、中小企業活性化協議会が公表している事業改善計画において目指すべき数値基準であり、金融機関の自己査定に置ける『正常先』の基準となります。
今回紹介する金融支援を実行することで、この数値基準を充足する必要があります。
もし充足できない場合はプレ再生計画(暫定計画)で対応し、計画終了後に上記数値基準の達成を目指す計画を改めて策定します。プレ再生計画を2回続けることは少なく、廃業支援等を検討していくことが一般的となります。
2.主な金融支援の内容
① リスケジュール :借入金の返済方法を見直し、資金繰りの改善を図る手法
もっともよく利用される金融支援の一つであり、債務者の収益力に合わせ、返済金額を見直すことで資金繰りの改善を図ることが目的となります。
返済金額は改善計画にて算出された返済原資の80%とすることが一般的です。
(もしくはFCFの80%)
実際の現場では当面は元金棚上げにて資金ショートの可能性が低くなるまでの内部留保(現預金)を溜めたのち、返済を行う事が多いように感じます。
また、最近では滞納税(消費税・社会保険料)を優先的に支払うためにこの手法を用いる事も増えているように感じます。
② DDS(Debt Debt Swap) :借入金(=債務)を、劣後債権(※)に振り替える手法
DDSは金融機関の査定上、純資産としてみなすことができ、長期(5年〜15年)にわたり返済が猶予されるのが特徴です。
また、協会スキームでの支援の場合、借入利息は0.4%〜0.9%となり、金利負担の軽減にもつながります。
注意点は期日の5年前から1年毎に20%ずつ負債に振替をする必要があることです。
【DDSが選ばれない理由】
残念ながらDDSは実際の現場ではあまり活用されません。その理由を3つご紹介します。
- あくまで債権の振替であり、借入金が減らず、負債として残る
- 金利水準が低位であった場合の損益改善効果が限定的
- 無担保部分を100%引当する必要があり、体力のない金融機関から了承を得づらい
(※)劣後債権:他の債権に劣後して弁済を受ける債権
③ DES(Debt Equity Swap):借入金(=債務)を、株式へ振り替える手法
DESは株式への転換であり、純資産となるのが特徴です。
また、合理的な再建計画の中で実施されれば、金融機関として無税処理が可能となります。
加えて、債権が減少する為、金融機関への支払利息軽減の効果も得られます。
【DESが選ばれない理由】
DESも実際の現場ではほとんど使われません。その理由を3つご紹介します。
- 債務免除益課税が生じる可能性があり、欠損金が不足した場合、課税される。
- 中小企業の株式は換金性に乏しく、また、金融機関側にも売却ノウハウが少ない
- 金融機関として、取得した株式の換金化までの道のりが長い
④ 直接債権放棄:金融機関側が借入金を放棄する手法
このケースは許認可や入札資格等を維持しなければならない場合、次に紹介する第二会社方式では維持できない場合等で利用することがあります。
また、第二会社方式では旧会社の清算が倒産情報に記載されることがあり、風評被害を避けるときもこの手法を検討していきます。
【直接債権放棄が選ばれない理由】
直接債権放棄も実際の現場では使いづらい手法です。その理由を4つご紹介します。
- 債務者において、債務免除益課税が生じる可能性がある
- 簿外債務の可能性を遮断できず、スポンサー選定が難航する
- 地域金融機関におけるモラルハザードへの警戒(地域の他債務者からの債権放棄要求)
- 実施後、金融機関からの資金支援継続が困難。
⑤ 第二会社方式:事業に必要な資産・負債を別会社に移転し、旧会社を清算する手法
この手法は事業譲渡、会社分割等を用いて新会社に移行し、旧会社を特別清算にて清算します。
先ほど述べた直接債権放棄の選ばれない理由をクリアできるため、スポンサー型の事業再生支援においてよく使われる手法です。
但し、以下の留意点については注意する必要があります。
【第二会社方式における留意点】
- 会社分割の場合、債権者保護手続により、短くても1か月半は期間が必要
- 事業譲渡の場合、改めて取引先等と契約を結びなおす必要がある
(CoC条項(※)により会社分割の場合でも必要な時あり)
- 事業譲渡の場合、譲渡取引に消費税が課税される
- 分割・譲渡に伴い、不動産移転に伴う税金が発生する可能性がある
- 旧会社でのタックスプランが必要となる
(※)CoC条項:オーナー変更した場合の契約見直し条項のこと
いかがでしたでしょうか?
金融支援は早期に行ったほうが効果が高く、初動の段階で事前に再生案件の方向性を検討しておかなければ、再生への選択肢の幅を狭めてしまう結果となります。
特にスポンサー型の案件(債権放棄等)は金融機関が回収のチャンスを永遠に放棄する為、承諾を得づらく、弁護士や公認会計士と連携を図り、清算価値を正確に把握したうえで、慎重に対応する必要があります。
また、金融機関側での様々な事情により最適な手法でも了承を得られないケースもあり、柔軟に再生手法等を変更していくことも求められます。
今回は以上となります。ここまでお読み頂きましてありがとうございました。
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