決算書の作り方徹底解説!

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皆様、こんにちは。
売れプロ12期生・中小企業診断士・公認会計士の岸田康雄です。

私は、事業承継支援の仕事を専門としていますが、中小企業診断士業務だけでなく、会計・税務や財務のアドバイス、法人税申告などの税理士業務を必要とすることがあります。
そこで今回は、決算書の作り方を説明いたします。

 

 決算書とは

 

企業の決算書には、貸借対照表、損益計算書などの財務諸表があります。これを作成する目的は、基本的に財政状態と経営成績を株主に報告することにあります。

しかし、実務において中心となる目的は企業によって異なり、非上場企業が決算書を作成する目的は、税務申告にあります。また、上場企業が決算書を作成する目的は、投資家に対する情報開示にあります。今回は、非上場企業を対象として、決算書の作り方を説明したいと思います。

ただし、ここで「作り方」と言っても、複式簿記の会計データを集計して決算を行う作業手順のことではなく、主として、財政状態と経営成績を適正に表示するための方法です。

 

 貸借対照表とは

 

貸借対照表とは、決算日における会社の財政状態を表すために、会社が保有する資産と、負担する負債、その差額としての純資産を報告するものです。

財政状態とは、資金の調達源泉である負債と自己資本(純資産)と、その運用形態である資産のことを言います。

貸借対照表を見る際に注意したいことは、単に資産の合計額が大きいから良い会社とは限らないということです。むしろ少ない資産で大きな利益を獲得している会社のほうが資金の運用効率が良い会社ということもあります。

負債と純資産の大きさの比率については、非上場企業を前提とすれば、純資産の金額が大きいほうが良い会社と言えます。

純資産の中に「利益剰余金」という科目がありますが、これは会社が今までに儲けた利益の累計額となっており、これが大きいほど過去の蓄積が大きい会社であると言えます。

これに対して、過去の蓄積がマイナスである会社、すなわち、負債のほうが資産よりも大きくなっている会社を見ることがあります。これは調達した資金を減らしてしまった会社であり、「債務超過」にあると言えます。

したがって、貸借対照表の純資産が厚い決算書をいかにして作るかが重要な経営課題となるでしょう。

 

 損益計算書とは

 

損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、1年間の全ての取引のうち、収益から費用を差し引いて「利益」を計算するものです。つまり、1年間でいくら儲けたのか、【収益-費用=利益】という計算式によって明らかにするものです。

開業してすぐの年度や決算期変更を行った年度では、1年未満(例えば、6ヶ月など)で決算を行うこともありますが、それが過ぎれば基本的に事業年度は1年間となります。

大企業は3月決算とすることが多くなっていますが、中小企業の決算期はバラバラです。これは顧問税理士が決算作業を同じ時期に集中することを避けるために、手が空いている時期を決算期とすることを勧めるからです。

 

 株主資本等変動計算書とは

 

決算書で見過ごすことも多いですが、株主資本等変動計算書も決算書の一つです。株主資本等変動計算書とは、貸借対照表の純資産の部の当期中における変動を計算するものです。

当期純利益を計上したときには利益剰余金の増加要因となり、黒字である限り、ここに記載されることになります。

当期純利益以外の増減要因としては、増資があった場合、配当を行った場合があります。ただし、中小企業で配当を出している会社は少数派です。なぜなら、オーナー経営者個人が配当金を受け取った場合、配当所得として総合課税となるため、役員報酬よりも税負担が重くなるからです。

 

 法人税申告書とは

 

厳密には決算書ではないですが、非上場企業において、決算書を作成する目的となっていることが法人税の申告です。法人税申告書と決算書は、どのように関係しているのでしょうか?

法人税申告書の別表は、法人税の金額を計算するものです。決算書で計算した利益をベースにして、会計と税務の相違点を修正して税務上の所得を計算します。

別表一では、後述する別表四で計算した所得に税率を掛けて納付すべき法人税額を計算します。そこで計算した法人税額が、決算書における損益計算書の「法人税、住民税及び事業税」と貸借対照表の「未払法人税等」に戻ってくるのです。したがって、決算書と法人税申告書は、密接に関係しています。

別表四では、所得を計算します。法人税法上の所得金額は、決算書の利益と全く別に計算するものではなく、確定した決算(株主総会の承認を受けた決算)に基づく利益に一定の調整を加えて計算します。

損益計算書の利益は、収益から費用を差し引いて計算しますが、法人税の「所得」は「益金」から「損金」を控除して計算します。収益と益金、費用と損金はそれぞれ近い概念であるが、計算目的が異なるために実際には一致しません。それゆえ、決算書の利益から法人税の所得へ修正する必要が生じます。この計算の明細を表したものが「別表四」です。

一般的に、別表四において当期純利益にプラスすることを「加算」、当期純利益からマイナスすることを「減算」と言います。

加算される項目として、一つは、会計上の収益ではないが、税務上の益金に算入されるもの(益金算入)があります。中小企業の申告書でこれが記載されるケースはあまりありません。

もう一つは、会計上の原価・費用・損失だが、税務上は損金に算入されないもの(損金不算入)があります。代表的なものが、損益計算書に法人税等として費用計上したもの(損金経理をした法人税、損金経理をした道府県民税及び市町村民税、損金経理をした納税充当金など。)です。また、交際費で損金不算入とされたもの(別表十五で計算されている。)もここに記載されます。

これに対して、減算される項目として、一つは、会計上は収益だが、税務上は益金に算入されないもの(益金不算入)があります。例えば、受取配当金、法人税や所得税の還付金があります。ただし、実務上は受取配当金があっても軽微であるため、記載しないことがほとんどです。もう一つは、会計上の原価・費用・損失ではないが、税務上の損金に算入されるもの(損金算入)があります。中小企業の申告書でこれが記載されるケースはほとんどありません。

 

 勘定明細書とは

 

決算書及び法人税申告書には、決算書の勘定科目の明細書が添付されます。これを勘定科目内訳明細書といいます。

勘定科目内訳明細書とは、貸借対照表や損益計算書などの決算書と同じく、法人税の確定申告書に添付しなければならないとされている書類の一つで、決算書の主要な勘定科目ごとの詳細を記載したものです。

これは、現預金から始まって雑益・雑損失まで、ほぼ全ての勘定科目に対して作成されるため、10頁から20頁程度とかなりのボリュームとなります。

 

 貸借対照表における流動資産とは

 

貸借対照表の「資産の部」の一番上に位置する「流動資産」は、1年以内に現金化が見込まれる資産を指します。これには、現金及び預金、売掛金、棚卸資産などが含まれます。

現金及び預金

「現金及び預金」には、手持ちの現金、銀行預金、小切手などが計上されます。生命保険料の支払い原資として利用可能ですが、生命保険会社に預ける現金は「預け金」として区別されます。また、預金が借入金の担保となっている場合、実質的に自由に利用できないため、資産価値を慎重に評価する必要があります。

売掛金

売掛金は、企業の正常な営業活動から生じる債権を指し、回収期間は通常1.5ヶ月程度とされます。ただし、倒産リスクのある企業に対する売掛金は回収が困難となり、注意が必要です。

棚卸資産

棚卸資産には、商品や製品の在庫が含まれ、適切な在庫レベルの維持が重要です。過少計上や水増しは、税務調査の際に問題となることがあるため、正確な計上が求められます。

 

 貸借対照表における固定資産とは

 

「固定資産」は、長期間にわたって企業の事業活動に利用される資産を指し、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産に分類されます。これらは営業活動の直接的な流れには含まれませんが、減価償却を通じて間接的に現金化されます。

なぜ減価償却が行われるのか?

減価償却は、固定資産が時間の経過とともに価値を失うことを反映し、資産のコストをその利用期間にわたって分配する会計処理です。これにより、一度に大きな費用が計上されることを避け、財務状態を安定させることが可能になります。

固定資産の減価償却は、企業がこれらの資産から収益を生み出す過程で発生するコストを、合理的かつ体系的に配分する手段です。このプロセスを通じて、企業は支出した資金を徐々に回収し、その資産の経済的価値を反映した財務報告を行うことができます。

 

 損益計算書における経営成績とは

 

損益計算書は、企業の経営成績を示すための重要な財務報告書です。経営成績とは、主に企業がどれだけ利益を出しているか、つまり儲かっているかどうかを表示するものです。この経営成績は、企業の健全性や将来性を評価するための基本的な指標となります。

しかし、非上場企業では利益がオーナー経営者の意向により調整されることが多く、実際の経営成績を決算書の数字だけで評価することには限界があります。そこで、経営成績を正確に評価するためには、法人の利益だけでなく、オーナー経営者やその親族が企業から受け取っている報酬や家賃、交際費などを含めた総合的な評価が必要です。

売上総利益

売上総利益、または粗利益は、売上高から売上原価を差し引いたものです。これは企業の本業活動によってどれだけの利益が生み出されたかを示す指標です。売上高の計上には「実現主義」の原則が適用され、商品の出荷時点で計上されることが一般的です。

売上原価は、販売された商品に直接関連するコストであり、売上総利益はこのコストと売上の差額から求められます。売上総利益は、商品の仕入れ値と販売価格の差によって左右され、企業の商品販売能力を示す重要な指標です。

営業利益

営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費(販管費)を差し引いて計算されます。販管費には、広告宣伝費、人件費、地代家賃などが含まれ、これらは企業の日常業務に関連する経費です。営業利益は企業の本業から生じる純粋な利益を示し、企業の基本的な収益力を反映します。

非上場企業の場合、営業利益はしばしば利益調整の対象となり、実際の経営効率や本業の収益性とは異なる場合があります。そのため、営業利益を単独で経営成績の指標とすることには注意が必要です。経営成績の正確な評価には、非財務的な指標や市場の状況、業界の動向なども考慮する必要があります。

 

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