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こんにちは。“海外ビジネス一筋35年”久保田直善の第3回です。
<「市場=全世界」世界観を学ぶ~外資への売却編 >
⮚ 経営危機 :
バブル経済崩壊後の確か1999年某日。会社の一階のテナントに入っていた証券会社のカウンターには、見慣れた顔が何人も押しかけていました。前日、自社の株価は額面50円を割りました。なけなしの預金を全て自社株買いにつぎ込みました。大した額ではありません。しかし、会社を支えたいと思いました。商社の〇〇〇〇は、いよいよ危ないぞ、いわゆる風説の流布も飛び交い、通常の与信取引はできないという取引先が日毎に増えました。
貧すれば鈍する。私は会社の交渉窓口として、取引先との折衝にあたりました。前払いでないと供給できないと出荷を止められたり、さらに担保まで要求されたり。総じて取引先の対応は厳しかったです。こうも変わるものかと世の中の非情も感じました。それでも、信用するからと、わざわざ来社いただいて激励いただいた方、管理部門と交渉してなんとか供給を続けようと尽力いただいた方、今でも忘れていません。
⮚ 事業売却で転籍~外資PEの傘下となる :
2001年正月仕事始めの朝、所属していた事業部門の全社員が会議室に召集されました。“事業売却されることになった” 嘘でしょ? まさに青天の霹靂でした。儲け頭の部門でしたので、私たちは最後まで会社を支えるんだと自負していました。半年後、新会社に転籍しました。愛社精神であふれていた私たちが、こういう形で会社を去るとは想像すらしていませんでした。
それから、さらに外資のPE(プライベート・エクイティ・ファンド)に売却され、経営陣は商社時代の大先輩から、欧米の業界大手からヘッドハントされたマネジメント・チームに総入れ替えとなりました。
⮚ 中小企業診断士の勉強を始める :
会社は傾くということを知り、そして、終身雇用が消えた現実と向き合いながら、自分のキャリア人生について真面目に考えざるを得ませんでした。30代後半でした。何か身につけなければとの危機感が募り、MBAと共に脚光を浴びていた中小企業診断士の勉強を始めました。中小企業診断士は資格なのでMBAより実用性があるのではと思ったのです。
当時おかれた環境から経営に対する関心が高まっていたのと、実務ではそれなりの経験を積んでいましたので、ファイナンス、マーケティング、人的資源管理などの理論が、新鮮で、とても面白く、かつ有用だと実感しました。
大学でろくに勉強しなかった反省もあり、大学受験以来の猛勉強に励み、2002年一次試験を一発合格することができました。二次試験は二回チャレンジしましたが駄目でした。しかし、この2年間の学習がその後の私のキャリアの大きな糧になったのです。
⮚ 「市場=全世界」世界観を学ぶ:
外資PE傘下となった会社には、英国人のCEOや米国人のCFO、ジェネラル・カウンセル(法務責任者)らが着任し、一気にグローバル化と成長戦略を進めました。同じ事業を通じ、トップの強力なリーダーシップ、ガバナンス、リスクマジメントなど、従来とは相当異なる経営に接することができたのは貴重な経験でした。因みに、稟議書制度は真っ先に廃止されました。
社員の多くは商社マンでしたので英語は話せましたが、経営陣との意思疎通には苦労していました。私は若かったこともあり、彼らとの距離感をどんどん縮めることができました。中小企業診断士の学習を通じ、ファイナンスやマーケティング戦略などを理解していたからです。
ある日、成長戦略をトップダウンで策定するので、メンバーに入るように言われました。CEO、 CFO、 ジェネラル・カウンセルと、セールス&マーケティングを担当する私の4名だけです。当時、課長にもなっていない平社員でした。
“グローバリゼーションを加速して、売上を5年で3倍にしたい” “そりゃ無理です” “私はCEO、Kubota sanの仕事はそのシナリオを作ることです。「市場は全世界」、日本中心に考えないこと。成熟した日本や先進国よりも、南米、アジア、アフリカの新興国でリーダーを目指すことで成長します! 世界のどの地域、市場を攻めてゆくか優先順位をつけて3倍の成長戦略を描いてください。You can do it ! ” “はぁ。。。。。”
3か月後。世界中の市場分析や自社の内部分析を行い、結果、「南米を最優先地域とし市場の拡大と深耕を進め、M&Aの推進で成長スピードを加速する」というまさに“絵にかいたような成長戦略”が出来上がり、オーナーのPEの承認もおりました。翌日、CEOに呼ばれ、“ネクスト・ステップです。ブラジルに行って自分で作った成長戦略を実行してください” “え?本当ですか?”“Yes, you can do it !”。
こうして2003年、5年で3倍成長のミッションを背負って、地球の真裏のサンパウロに赴任することになったのです。
ご拝読ありがとうございました。次回は「黒字倒産でも踊るサンバ」~ブラジル編をお伝えしたいと思います。11月21日の予定です。
