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皆さん、こんにちは。売れプロ10期生の中小企業診断士・坂本俊孝(サカモト トシユキ)です。今回は株価を決定する理論についてお届けさせて頂きます。
米国をはじめ、足下では世界の株式市場の調整局面にありますが、これに伴い「金融相場の終わり」という言葉をよく見聞きするようになりました。この金融相場というのは、一言で言えば各国の中央銀行が大量の資金をマーケットへ投入することで、お金の価値が薄まる(つまり金利が下がる)と共にその資金が株式等の資産へ向かい(株式などが買われ)、株価が上昇する現象を指します。
これに対して「業績相場」という考え方があります。この業績相場は金融相場が終わった後に到来すると考えられています。中央銀行が資金をジャブジャブにマーケットへ投入することで経済活動が活性化し、その結果として物価の上昇が一定レベルで確認された段階で、中央銀行は資金の投入を止めたり、金利を引き上げる行為を通じて経済活動の鎮静化を図ります。その結果として株式などに向かうマネーが減少し、株価は上昇し難くなります。これが金融相場の終わりです。そこで次に登場するのが業績相場なのですが、そのロジックを今回は簡単にご説明します。
まず、株価を決定するロジックを押さえておく必要があるのですが、幾つかあります。よく使われるところではDiscounted Cash Flow Method(DCF法/割引キャッシュフローモデル)や、Multiple Method(マルチプル法/類似企業比較法)などがありますが、このうちDCF法はノーベル経済学賞を受賞したウイリアム・シャープ博士が考案した方法論を活用しており、今のところ株価を決める理論として最も合理的であると考えられています(というか、実務の世界ではDCF法も決して完璧とは言えませんが、これを超える理論が今のところ他に存在しないので、DCF法に軸足を置いて議論することがどうしても多いというのが実態です)。
さて、このDCF法ですが、その要諦を簡潔に言い表すと「企業が将来にわたって生み出すキャッシュフローの総額を、その企業が内包するリスクを加味した割引率を用いて現在価値に引き直したもの」と言えます。言葉で言い表すと非常に難しい概念に映るかと思いますが、これを数式に表すと次の様なものになります。
株価 = ①その企業が将来生み出すキャッシュフローの総額 ÷(②割引率-③成長率)
非常にザックリ言えばこの様な関係式になるのですが、この辺はネットを検索すれば山の様に出てきますので、ご興味のある方は覗いてみて下さい。
さて、これが業績相場とどの様に関係があるのかという話ですが、その前に金融相場へもう一度立ち戻ります。金融相場の最中は上述した通り金利が下がる傾向にあるのですが、この金利というのが上述の関係式にある②割引率の中に含まれています。よって、金融相場→マネーの価値が薄まり金利が下がる→割引率が小さくなる→計算式の分母が小さくなる→計算式の解(株価)が大きくなる、この様なロジックが金融相場です。
次に業績相場ですが、これは個々の会社の業績が伸長することでその会社の株価が上がっていく考えを言います。これを上述の関係式に当てはめると、会社の業績が上がればその会社が将来にわたって生み出す利益(≒キャッシュ)は増えますから、上述計算式の分子が大きくなります。従って、金融相場が終わり金利が上がっても(つまり割引率が上がり分母が大きくなっても)、金利の上昇幅以上に業績が伸びれば(つまり分子が大きくなれば)、株価は上がるという考えになります。これを業績相場と言います。
ちなみに、分母にある成長率というのは、予想されるその会社の毎年の成長率のことを言います。その会社に大きな成長ポテンシャルがあり成長率が高い場合、上述の計算式に当てはめると分母が小さくなる効果があり、やはり業績相場と同じように株価を押し上げる効果があります。
今回申し上げたかったことは、金融相場が終わっても業績相場のロジックを背景に、優れた企業の株価は上がる可能性が高いということです(特に米国に関して言えば、過去の株式相場を振り返ると必ず株価は上昇していることが分かります)。ですので、市場の調整や金融相場とは関係なく、立派な決算をたたき出している会社の株は売らない方が良い、というロジックを是非ご理解頂ければと思います。
